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人生で一番きついのは、負けることじゃない。「自分を嫌いになること」だ。

嫌いな上司からは逃げられる。嫌いな自分からは、逃げられない。

人生で一番きついのは、負けることじゃない。「自分を嫌いになること」だ。

── 人口4万人の港町で、毎日5件以上、年間1,200件の経営の相談を受けている、荒川健生です。

今日は、個人の視点にフォーカス。 「自分を嫌いになる」ということについて。

■ なぜ「自分を嫌いになること」が、人生で一番きついのか

人生には、いろいろな「きついこと」がある。

お金がなくなる。
仕事を失う。
人に裏切られる。
病気になる。
大切な人がいなくなる。

全部、きつい。

でも、これらには共通点がある。
「原因が、自分の外にある」ということだ。

お金がなくなったのは、景気のせいかもしれない。
裏切られたのは、相手の問題だ。
病気は、運が悪かった。

外に原因があるとき、人間は耐えられる。
怒ることができる。
誰かのせいにできる。
「仕方なかった」と思える。

つまり、「逃げ場」がある。

でも、「自分を嫌いになる」とき。

原因は、自分だ。
責める相手も、自分だ。
逃げる先も、自分の中にしかない。

24時間、365日、自分からは離れられない。

嫌いな上司なら、転職すればいい。
嫌いな場所なら、引っ越せばいい。
でも、嫌いな自分からは、どこにも逃げられない。

これが、「自分を嫌いになること」が人生で一番きつい理由だ。

逃げ場が、ない。

そして真面目な人ほど、自分を苦しめる。

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■ 脳は「やらなかった自分」をどこまでも責める

もう少し、深い話をする。

人は「自分はこういう人間だ」という自己イメージを持っている。

そして、行動がそのイメージとズレたとき、強烈な不快感が生まれる。

「自分はやると決めたらやる人間だ」と思っている人が、3日でダイエットをやめる。

脳の中で、イメージと現実がぶつかる。
そのぶつかりが、「自分が嫌い」という感情になる。

さらに残酷な仕組みがある。

人間は、何かを「得る喜び」より、何かを「失う痛み」のほうを2倍強く感じる。

つまり、

「やらなかった」という選択は、「やっていたら得られたかもしれない未来」を失うことだ。

「あのとき行動していれば、今ごろは──。」

この「──」の先に、人間は最高の可能性を入れてしまう。

実際にどうなったかはわからない。
でも、脳はいつも「最良のシナリオ」と今を比べる。

だから、「やらなかった自分」を嫌いになる痛みは、どこまでも深くなる。 比較対象が「想像上の最高の自分」だからだ。

勝てるわけがない。

同じことが、過去にも起きる。

昔付き合っていた恋人。
記憶の中では、実際より優しく、実際より魅力的になっている。

前の仕事。
辞めたとき「もう限界だ」と思ったはずなのに、今は「あの頃の方がよかった」と感じる。

脳が、つらかった部分を消して、良い記憶だけを残す。

未来も美化する。
過去も美化する。
「今の自分」だけが、いつも一番小さく見える。

これが、自分を嫌いになる仕組みの正体だ。

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■ 自分を許すために 

では、どうすればいいのか。

「自分を好きになれ」とは言わない。
いきなりそれは無理だ。
でも、「嫌い」の反対は「好き」じゃなくてもいい。

「嫌い」の反対は、「許す」でいい。

完璧じゃなくても、許す。
逃げた日があっても、許す。
まずは、そこからでいい。

【1行だけ書いた人の話】

ある30代の方が相談に来た。
サロンを営んでいる。

「SNSを更新しないといけないのに、もう半年も。そんな自分が嫌で、余計に書けなくなる。」

悪循環だった。書けない自分が嫌だ。
そしてますます動けない。
動けないから余計に。。。

「じゃあ、AIで書きませんか。」と言ってみた。
「公開しなくていい。1行だけ。タイトルだけでもいい。」

その人は、その場でスマホのメモを開いて、1行書いた。
「今日、相談に行った。」

これだけだ。誰にも見せない。

でも、次の週、こう言った。

「あの1行を書いた夜、ハードルが下がりました」

たった1行だ。そこからAIが案を出してくれる。
でも、「今日、何もしなかった」が「今日、1行書いた」に変わった。

それだけで、夜の自分との対話が変わった。

自分を許すのに、大きな行動はいらない。
「何もしなかった」を「何かひとつした」に変える。

たったそれだけで、脳は自分を責める材料をひとつ失う。

■ 人間は、楽な方に流れるようにできている

人間の脳は「変わらない方が安全だ」と判断するようにできている。

原始時代を想像してほしい。

知らない土地に足を踏み入れれば、猛獣に襲われるかもしれない。
新しい食べ物を口にすれば、毒かもしれない。
「今のままでいい」と判断した人間のほうが、生き残った。

つまり、楽な方を選ぶのは、何万年もかけて人間が身につけた「生存戦略」だ。

あなたが楽な方に流れたとしても、それは弱さじゃない。
脳が正常に動いている証拠だ。

問題は、「楽な方を選んだ自分」を、あとから自分で責めてしまうことだ。

脳は「楽な方へ行け」と指示する。
でも、心は「本当にそれでいいのか」と問いかける。

この矛盾を抱えて生きているのが、我々人間だ。

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■ それでも「逆らった人」がいる

ただ、歴史を振り返ると、面白いことがわかる。

名前が残っている人は、ほぼ全員、
「楽じゃない方」を選んでいる。

J.K.ローリング。ハリーポッターの著者。

離婚した。シングルマザーになった。
仕事はない。貯金もない。
生活保護を受けていた。
カフェで、赤ん坊をベビーカーに乗せながら、小説を書いていた。

楽な方は、はっきりしていた。
小説をやめて、仕事を探すことだ。

でもこの人は、書き続けた。
出版社に持ち込んだ。
12社に断られた。

12回「いりません」と言われた。
12回「才能がない」と突きつけられたようなものだ。

でもこの人は、13社目に持ち込んだ。

ハリー・ポッター。シリーズ累計5億冊。
13社目に持ち込まなければ、あの物語は引き出しの中で眠っていた。

エジソン。

電球を作ろうとした。失敗した。
また失敗した。 1万回、失敗した。

楽な方は、明白だった。
「ロウソクでいいじゃないか。何千年も人類はそれで生きてきた。」

でもこの人は、こう言った。
「失敗したんじゃない。うまくいかない方法を1万通り見つけたんだ。」

1万回「もうやめよう」を飲み込んだ。
1万1回目に、光った。

今、あなたの部屋の天井にある明かり。
あれは、1万回の「やめなかった」の結果だ。

スティーブ・ジョブズ。

自分が作った会社、Appleを追い出された。
自分の会社から、クビになった。

楽な方は、いくつもあった。
十分な資産があった。
もう働かなくても、一生暮らせた。

でもこの人は、ゼロから始めた。
12年後、追い出された会社に戻り、iPhoneを作った。

あなたが今、手に持っているかもしれない。ポケットに入っているかもしれない。

あれは、「追い出されても、やめなかった人間」が作ったものだ。

この3人に共通していることは、才能でも、運でも、お金でもない。

「楽な方を選ばなかった」

たった、それだけだ。

でも、もうひとつ。
もっと大事な共通点がある。

この3人も、きっと自分を責めた夜があったはずだ。

ローリングも、12社に断られた夜、「自分には才能がないのかもしれない」と思ったはずだ。
エジソンも、5,000回目あたりで「本当に光るのか」と疑ったはずだ。
ジョブズも、クビになった翌朝、鏡を見たくなかったはずだ。

でも、やめなかった。

うまくできなかった。それでも、翌日また動いた。
自分を許せなかった。
それでも、もう一回だけ試した。

■ あなたの「もう一歩」は、もうそこにある

ここまで読んで、まだ「でも、自分はダメだ」と思っている人がいるかもしれない。

それも、すごいことだと思う。

なぜなら、ダメな自分に気づけない人のほうが多い。

自分を嫌いになれるということは、自分を見つめる力があるということだ。 目を逸らさずに、正面から自分と向き合っている。

その力を、「責める方向」ではなく「動く方向」に、ほんの少しだけ使ってほしい。

向きを変えるだけでいい。
力の大きさはそのままでいい。
自分を嫌いになれるエネルギーがある人は、自分を変えるエネルギーも持っている。 同じものだ。

あなたは今日も起きた。
仕事をした。
誰かのために動いた。

「何もしていない」と思っているかもしれない。
でも、生きている。
今日も、ちゃんと生きている。

それだけで、十分すごいことだ。

自分を好きになれなくてもいい。
でも、嫌いにならないでほしい。

どうか、自分を大切にしてほしい。

自分を雑に扱っていいほど、あなたの人生は軽くない。

追伸
「自分を許せ」と書いた前日の夜、コンビニでアイスを買った。 レジで「今日くらいいいか」と思った自分を、許している。。。

毎日書く。すべて無料。
スキは「よかった」の声。
フォローは「明日も読む」の声。
どちらも、ちゃんと届いています。

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コメント

16
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むんなだよ

今の自分にすごくありがたい言葉でした。感謝です

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コメントありがとうございます!書いてよかったです! 引き続き他の記事の感想お待ちしてます!!

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プチクラゲ

「自分を嫌いになれるエネルギーがある人は、自分を変えるエネルギーも持っている。」 くじけそうな時の為に、覚えておきます。

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コメント、ありがとうございます。 くじけそうな時って、誰にでもある。自分にもある。 その時に、この言葉がふと浮かんだら。それだけで、もう半歩進んでいると思います。

低空飛行HF/どん底生活を語る男のプロフィールへのリンク

好きになるより許す。 まさにこれができないでいました。 すごく沁みました!

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「許す」って、簡単そうで一番難しいですよね。 でも、「できないでいた」と気づいている時点で、もう許す方向に向かっているかと!沁みた、と言ってもらえて、書いてよかったです。

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鈴木敦美

荒川さん、はじめまして。 胸に響くnoteでしたので、コメントさせていただきます。 「嫌いの反対は許す」とてもすてきな言葉ですね。私は自分のことが大嫌いだった時期があり、その頃のことを思い出しました。 今は自分のことを許してるから、大好きになったし優しくなれた気がします。 自分…

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はじめまして。コメント、ありがとうございます。 「大嫌いだった時期」を経て、今は「大好き」になれた。 シンプルにすごいと思います。許せたから、好きになれた。 その順番もまさに。こういった感想とても嬉しいです!!!

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