本を100冊読んでも変わらない。足りないのは、知識じゃなかった。「反応のしかた」だ。
本を100冊読んでも、変わらない人がいる。
足りないのは、知識じゃなかった。
成果を変えるのは、知識の量ではない。「反応のしかた」だ。
── 人口4万人の港町で、毎日5件以上、年間1,200件の経営の相談を受けている、荒川健生です。
今回は、「学びと成果のあいだにある、見落とされがちなもの」について。
■ 勉強熱心なのに、成果が出ない理由
先日、ある事業者の方と話していた。
本をよく読む方だった。
セミナーにも足を運ぶ。
SNSやYouTubeのビジネス動画も、毎晩チェックしている。
「最近、何か変わりましたか?」と聞いた。
少し間があった。
「……知識は増えたと思います。」
知識は増えた。
でも、行動は変わっていなかった。
これは珍しい話ではない。
むしろ、よくある話だ。
学べば学ぶほど、「知っている」が増える。
でも、「やっている」は増えない。
知識が増えると、安心する。
安心すると、動かなくなる。
動かなくなると、何も変わらない。
学びは、入り口だ。
でも、入り口に立ち続けても、中には入れない。
■ 「知った」と「変わった」は、まったく違う
少し前に、似たような相談が続いた日があった。
午前に来た方は、飲食店をやっている40代の方(※業種は変えている)。 「お客さんが減ってきた」という相談だった。
一緒に話しながら、「常連さんに紹介したくなる一言で、サンクスカードを渡してみたらどうですか」と提案した。
その方は、うなずいた。
メモを丁寧に取った。
「なるほど、勉強になります」と言って、帰っていった。
午後に来た方も、似た業種だった。
同じような悩みで、同じような提案をした。
でも、反応がまるで違った。
話の途中で、「すみません、ちょっと待ってください」と言って、スマホを取り出した。
その場で、スタッフにメッセージを打ち始めた。
「来週の常連さんの予約、名前を確認しておいて」と。
まだ面談中だ。
でも、この人の中では、もう動き始めていた。
3か月後。
午前の方は、また同じ相談に来た。
午後の方は、別の相談に来た。
「更に紹介が増えるやり方を試していきたい」と。
同じ話を聞いている。
同じ情報に触れている。
なのに、3か月後の景色がまるで違う。
差は、知識の量ではない。
「聞いた瞬間に、何が動いたか」だ。
頭が動く人は、感想を持つ。
手が動く人は、予定を入れる。
■ 会議で「勉強になりました」と言う人
会議が終わったあと。
「勉強になりました」と言う人がいる。
悪い言葉ではない。
でも、この言葉で終わると、何も残らない。
「勉強になりました」は、感想だ。
「これ、誰が、いつ、どうやる?」は、実装だ。
感想で終わる人は、次の会議でも同じことを言う。
実装に変える人は、次の会議に結果を持ってくる。
同じことが、人との出会いにも言える。
「いい人と出会えた」で終わる人がいる。
「この人と、何を一緒にやれるか」まで考える人がいる。
交流で終わるか、設計に変えるか。
この違いが、半年後に効いてくる。
あなたはどっちだろうか?
■ 情報は「娯楽」か「意思決定の道具」か
YouTube、本、セミナー、SNS。
情報は、いくらでも手に入る時代だ。
でも、その情報を何に使っているだろうか。
「面白かった」で終わるなら、それは娯楽だ。
「自分の、どの判断を変えるか」まで落とせるなら、それは道具だ。
娯楽が悪いわけではない。
でも、娯楽を「学び」と呼ぶと、自分をだますことになる。
情報に触れたとき、こう問いかけてみてほしい。
「これは、自分のどの意思決定を変えるか?」
答えが出なければ、今の自分には必要ない情報だ。
答えが出れば、それは武器になる。
同じことが、失敗にも当てはまる。
「失敗した」で終わると、ただ落ち込む。
「この失敗は、自分のどの癖が生んだ?」と問うと、次が変わる。
先送りの癖か。 確認不足か。
抱え込みすぎか。 相手に合わせすぎたか。
成果の差は、能力の差だけではない。
反応パターンの差だ。
■ 反応を変えれば、未来が変わる
ここまで読んで、気づいた方もいるかもしれない。
「行動を変えろ」と言っても、「もっと頑張れ」という意味ではない。
変えるのは、「反応」だ。
人に会った瞬間、どう考えるか。
失敗した瞬間、どう捉えるか。
情報を見た瞬間、どう整理するか。
この「瞬間の反応」が、積み重なって未来を作っている。
だから、本当に変わる人は、知識が増えた人ではない。
反応のしかたが変わった人だ。
知識を増やすことは、悪いことではない。
でも、学んだあとの「反応」が同じなら、何冊読んでも同じだ。
もし、あなたが今、たくさん学んでいるのに手応えがないと感じているなら。
足りないのは、たぶん知識じゃない。
「聞いたあと、どう動くか」。
たったそれだけを、ひとつ変えてみてほしい。
あなたの「反応」が変わる瞬間は、たぶん、次の一回にある。
追伸
先日、面談で「情報を娯楽にするな」と語った帰り道。 気づいたら、YouTubeショートを30分見続けていた。 ……娯楽の達人、ここにいます。
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