不登校で「孤立深まらないように」…長崎のNPOが仮想空間にフリースクール開校 離島などの課題も解消
不登校の子どもたちに、社会とつながる居場所を-。インターネット上のメタバース(仮想空間)を活用したオンラインスクール「クレイン@ホーム」が6月上旬に開校する。名前や顔を出さずに自身の分身「アバター」を使って交流できるため、対人関係に不安を抱える子どもも参加しやすい。運営団体は「子どもたちの孤立化を防ぎ、社会的な自立へと支援したい」と参加を呼びかけている。(一ノ宮史成) ■オンラインのフリースクール「クレイン@ホーム」の画面【画像】 長崎市のフリースクール「クレイン・ハーバー」と、市民活動を支援する「まちラボ」の2つのNPO法人が共同運営する。
県教委などの調査によると2024年度、国立を除く公立学校の不登校児童・生徒数は4113人と過去最多となった。このうち、16・7%が専門機関などに相談できていないという。 04年にクレイン・ハーバーを開設し、不登校の子どもと長年向き合ってきた中村尊さん(59)は、人と関わらない期間が長期化すると社会と再びつながるハードルが高くなると説明。相談や継続的な支援がなければ「社会的な孤立化が進んでしまう」と危惧する。
支援につながらない背景には、子ども自身や保護者に不登校を周囲に知られたくないといった心理的ハードルがあるという。「孤立が深まらないようにするには、他者とのつながりをゆるやかに始めることが大事」。中村さんは気軽に人とつながることができるオンラインスクールを開設することにした。離島や公共交通が不便な地域では、居場所が確保しにくいといった課題も解消できるという。 対象は県内の小学3年から高校3年。ゲーム画面のような仮想空間でアバターを操作してテーマごとに部屋に入り、音声通話やチャット(文字の会話)でおしゃべり。スタッフに質問しながら勉強できる時間もつくる。
人と接することの不安を段階的に軽くできるように、子どもたちが対面で会えるイベントも月1回程度開く。日常的に人と接点を持ちたい子どもには県内のフリースクールも紹介する。 保護者同士が交流する「親の会」や、ひきこもりがちな大人(18~39歳)が利用できる時間も設ける。 子ども向けのスクールは週3日。料金は月額1万5千円(税込み)。問い合わせは電話=095(844)8899=か、メール=crane_harbor@yahoo.co.jp=で。
西日本新聞社