行政
2026年06月05日 12時18分  11面

理科大の厚狭キャンパス新学部構想断念 事業費増で収支成立せず 【山陽小野田】

新学部設置の断念について経緯を話す岡村理事長(左)と藤田市長(5日午前10時ごろ、市役所で)

 山陽小野田市と山口東京理科大は5日、厚狭高南校舎跡地での構想を進めていた同大厚狭キャンパスと新学部の設置計画を断念したと発表した。事業費の大幅な増額に加え、工学部の数理情報科と医薬工学科の設置に伴う追加の施設整備費が必要となり、同大の収支計画が成立しないことが判明。同日、藤田剛二市長と岡村総一郎理事長が市役所で会見し、無念さをにじませた上で経緯や同跡地の今後の活用方針について説明した。
 
 市と同大は、2023年10月に医療保健学部(仮称)の設置構想を発表。同校舎跡地をキャンパス候補地とし、昨年4月に県と同跡地を譲り受ける県有財産譲与契約を締結した。
 
 当初は概算事業費として65億円を見込んでいたが、同11月に新学部設置基本計画を策定したところ、資材価格、労務費、金利などの上昇で約130億円にまで膨らんだという。整備手法を再検討し約95億円まで抑えたものの、工学部新学科の設置に伴う追加の施設整備に約36億円の追加支出が必要になった。
 
 最終的には約66億円の支出増。同大の財政シミュレーションで、大学の収入と市からの財源措置では収支計画が成り立たないと結論づけた。
 
 岡村理事長は同跡地以外での新学部設置は考えておらず、「財務的な理由で断念せざるを得ない結果となったが、地域に貢献する市立大として使命を忘れるものではない」と話した。
 
 藤田市長は「今回の決断は、市と大学の財政状況、教育環境の充実を最優先に考えた上での最善の選択だと考えている」と述べた。
 
 同跡地については、老朽化が進む厚狭小の建て替え地として利活用する方針。工事期間中の騒音や安全面など、教育環境への影響を最小限に抑え、整備スケジュールの短縮が図れるとして、先月29日に県から代替え活用案の承諾を得た。小・中・高・大連携を図る場としての活用も検討していく。

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