北京がこの数日、連日のように発している
「日本はネオ・ミリタリズム(新軍国主義)に突き進んでおり、国際社会は警戒せよ」
という一連の激しい声明(5月28日の国防部、6月1日・2日の外務省声明)。
メディアやタイムラインの観客たちは、これを見て
「日中関係の決定的な破綻だ」
「高市政権の安保三文書改定や小泉防衛相のNSATU(NATOウクライナ支援組織への隊員派遣に対する反発だ」
と騒ぎ立て、客席でのリアリティ・ショーに熱狂している。
しかし、日本は、このゲームの主役ではない。
日本は自らの野心で動いているのではなく、戦後80年間着せられていた平和主義という名の衣服を、まさにその服を着せた張本人の米国によって、背中から無理やり剥ぎ取られ、対中国のカプセル怪獣としてシステムを強制アップデートさせられているにすぎない。
戦後日本の平和主義は、美しい理念であると同時に、当時の米国が設計した日本の強力なフィジカルを、二度と米国に向かせないための、完璧な管理OSだった。日本はその仕様に80年間、忠実に従い続けた。
しかし現在、その服を自らの手で脱がせ、防衛費倍増を促し、南西諸島にトマホークや長射程ミサイルを配備させているのもまた、同じ米国の手だ。
米国は、自国の製造業が抜け殻に空洞化している現実をよく知っている。だから、台頭する中国と直接衝突して自らが心肺停止するリスクを冒したくない。
そこで彼らは、世界最高峰のハイテク素材、確固たる産業基盤、そして中国の目と鼻の先という極めて重要な地政学的ポジションを持つ日本をリブートし、自分たちの代わりに中国を牽制・消耗させるためのカプセル怪獣として戦場に配備し直している。日本が買い漁っているミサイルの多くが米国製であるという事実が、その主従関係を雄弁に物語っている。
中国の国防部や外務省が、この数日
「日本は戦後秩序(ポツダム宣言など)のガードレールを破ろうとしている」
と世界に向けて警告音を鳴らしまくっている真の意図も、日本そのものに対する恐怖ではない。
彼らは、日本の高市政権や小泉防衛相といった脳内OSに従米プログラムをインストールされ意思疎通不可能なロボット政治家たちが、自爆スイッチを躊躇なく連打し、その背後にある米国の巨大な監視・軍事インフラと、日本のフィジカルな産業が完全に同期・合体することを恐れ、牽制している。
今の日本は、平和を選ぶことすら、自らの手にはない。
日本という国が抱える最大の悲劇は、世界最高峰のハイテク素材、確固たる産業基盤、そして他国が代替できない地政学的ポジションを持ちながら、その圧倒的な『戦略的価値』を、自らの脳死によって全く自覚していない点にある。
戦うべき相手を間違え、テレビの流す反中反露キャンペーンやアイデンティティ・ポリティクスのスクリーンに目を奪われている間に、日本のリアルな富とエネルギーは、裏側の配管からすべて同じ場所へと吸い上げられている。
その真犯人こそ、国家の壁すらもハッキングし、生身の人間の生存圏を商品として収穫し続ける強欲なグローバル資本(ウォール街・シリコンバレーのハイプのシステム)だ。
今朝、EUは『クラウドおよびAI開発法』案によって、米国法の干渉から自国の重要インフラを命がけで保護する防衛線を敷き始めた。中国は独自の主権の檻でデータを囲い込み、一水会はアジアの分断を拒絶するために独自の動路を確保しようとしている。
世界は国境という防壁を再構築し、グローバル資本のAIアリ地獄や終わらない戦争のマネーロンダリングという自爆装置のスイッチから、次々とエスケープを始めている。
この多極化の現実の中で、日本だけが自らの強さと持ち札を忘れ、配給された従米OSを盲信したまま、タイタニック号の船底で唯々諾々として静かに脳死を待っている。