「オレオレ、俺だけど」で始まる詐欺はもう古いのかもしれない。現代の不審者は、なんとフルーティーな甘い誘惑を武器にわれわれの懐に入り込もうとしているのだ。
東京都墨田区の公式の危機管理アカウントが共有した、警察署からの注意喚起がSNS上で話題を呼んでいる。その内容とは、親族や近所の者をかたり、「いちごをいっぱいもらったから分けてあげる」という謎の電話が複数確認されているというものだ。
警察によれば、この“いちごコール”をきっかけに個人情報を聞き出されたり、自宅に直接押しかけられたりする危険性があるという。不審な電話には出ず、身に覚えのない訪問には対応しないよう強く呼びかけている。
🔳墨田区危機管理アカウントの投稿(全文)
警察署からのお知らせです。 近頃、親族や近所の者を騙り、「いちごをいっぱいもらったから分けてあげる。」等の不審な電話が架かってきていると、複数確認されています。 このような電話をきっかけに、個人情報を聞き出したり、自宅に直接押しかける等の危険性も考えられますので、
・不審な電話には出ない。
・戸締まりをしっかりする。
・身に覚えのない訪問には対応しない。
等の防犯対策を行い、不審な電話が架かってきた際には充分に注意してください。
・悪質業者は、突然訪問して「無料点検」を持ち掛け、言葉巧みに不安を煽るなどして不要な契約を結ぼうとします。きっぱりと断りましょう。 悪質訪問業者対策のポイント
・身分や用件を確認⇒ドアスコープ、インターホンなどで相手の身分と用件を確認
・ドアを開けない⇒どうしてもドアを開ける際は、ドアチェーンやドアガードを付けたまま対応
・点検させない⇒無料と言われてもその場では点検させない
・即決しない⇒困ったときは警察に通報してください不審者や悪質業者の訪問があった場合は、ためらわずに110番通報してください
「いちごもらったから」突然の電話、SNSで波紋
この斜め上を行く不審電話の手口に対し、SNSでは警戒を呼びかける声から思わずツッコミを入れる声まで、さまざまな反応が巻き起こっている。
【真面目に警戒・啓発派】
・「こういう手口もあるんだな。東京に限らず全国でも注意が必要。実家にもキチンと言っておこう」
・「いちごという甘いワードで油断させて自宅に押し掛ける手口? 絶対に家に上げないでください!」
・「親戚や近所の者と言われても、逆に名前と住所を聞かなきゃ駄目。本人同士しか分からないことを確認するか、1番は相手にしないこと」
【メルヘン&ツッコミ派】
・「果物でつるなんて、白雪姫のストーリーみたい」
・「そういうのは顔をあわせた時に言うものではw」
【斜め上を行く天然派】
・「いちご欲しい、取りに行く!って思ってしまった私。詐欺には引っかからなさそうだ」
・「いいな、いちご仕入れたいから連絡先教えてくれ。きっと農家さんだろう」
「もらいに行く」と自ら出向くスタイルであれば、たしかに自宅を訪問されるリスクはゼロになる。しかし、相手の正体は謎のままであり、絶対に真似してはいけない対処法でもある。
なぜ「いちご」? 週刊誌記者が指摘する巧みな罠
それにしても、なぜ「いちご」なのか。メロンでもバナナでもなく、いちごが選ばれた理由について、「ちょうど、いちごが旬のシーズンを終えたところで、売れ残ったものがあるような時期を狙ったという点が巧みです。いかにも『もらいすぎて困っている』というリアリティが出ますし、高級フルーツよりも日常感があるため、近所の人が持ってくるシチュエーションとして不自然さが少ないのでしょう」と週刊誌記者は指摘する。
ただの思いつきではなく、心理的なハードルを下げるための緻密な計算が施されている可能性があるというわけだ。