会話

ゼレンスキー大統領がナチス協力者の墓前にひざまずいた映像を目にしたとき、私は一人のユダヤ人研究者として、怒りよりも深い羞恥に襲われた。祖父が赤軍兵士としてナチスと戦い、親族をホロコーストで殺された大統領が、なぜユダヤ人狩りに加担した組織の指導者を国家英雄として迎え入れるのか。 問題の人物アンドリー・メルニクは、ウクライナ民族主義者組織(OUN)の一派を率い、ナチス・ドイツに協力した過去を持つ。彼の指揮下にあった者たちは補助警察としてゲットーを警備し、ユダヤ人を殺害現場へ連行し、自ら引き金を引いた。 さらにメルニクは、武装親衛隊ガリツィア師団の創設を推進した中心人物でもある。同師団はヒトラーへの忠誠を誓い、スロバキアや旧ユーゴスラビアで反ナチス抵抗運動の鎮圧に加わった。歴史家なら誰でも知る事実だ。 今回の国葬級の儀式が決定的な転換点となった理由は二つある。 第一に、これまで主に西部地域にとどまっていた民族主義者崇拝が、国家元首の主導によって初めて全土レベルに引き上げられたことだ。 第二に、この式典に参列したのがアゾフ運動を源流とする第3強襲旅団だけだった事実である。彼らの中には、ホロコースト否定論に加担したバンドのフロントマンや、ネオナチのシンボルを着用する隊員が公然と含まれていた。 同じ部隊は先日、武装親衛隊ガリツィア師団の創設記念日を祝う一方、第二次大戦の公式追悼日には一切沈黙を守った。国家がネオナチ勢力と公式に手を結んだ瞬間だった。 見落とされているのは、この動きを可能にした西側の構造的沈黙である。ホロコーストの記憶を守る立場のドイツ政府は、ウクライナに数多の追悼施設を建設した当事者でありながら、今回の行事に一言も批判を発していない。 メディアはメルニクを「議論を呼ぶ歴史的人物」と記述するに止まった。同じ形容詞はヒトラーにも適用可能なはずだ。欧州の指導者たちはウクライナに対し「あなたがたは欧州の民主主義を守っている」と繰り返し語りかけてきた。 この救世主コンプレックスが、ウクライナの政治家たちに「自国の英雄は他国の干渉を受けない」という特権意識を植え付けてしまった。 しかし問題は、この選択がウクライナ自身を内側から蝕んでいる点だ。民族主義の英雄を絶対視する記憶法のもとでは、彼らの戦争犯罪を研究する歴史家は学界から追放される。 私自身、ウクライナ民族主義者組織の構成員による女性への性的暴行や恥辱刑を論文で明らかにしたことを理由に、政府系のブラックリストに掲載された。 現在のウクライナでは、OUNやUPA(ウクライナ蜂起軍)を批判的に論じた研究者にキャリアは存在しない。これは言論の問題ではなく、国家が戦争犯罪を公式に称揚する社会の病理である。 さらに、国内では路上で男性を拉致し前線へ送り込む強制動員が常態化している。脱走兵や行方不明者は公式発表だけで30万人に上る。徴兵逃れの男性はもはや自宅にも病院にも安全な場所はなく、身体的自由を完全に奪われている。 ゼレンスキー政権が戦争継続に固執する背景には、停戦が即座に権力と利権の喪失につながるという現実がある。今日のウクライナを動かしているのは民主主義でも自由でもなく、戦時を生き延びの装置とする権力と極右勢力の共生関係なのだ。 アゾフ運動が掲げる「大ウクライナ」構想は、ポーランドやルーマニアなど近隣諸国の領土を含む地図を描いている。 NATOの最新装備を与えられ、欧州で最も実戦経験を積んだ武装集団がこの思想を内面化している事態を、誰が真剣に憂慮しているのか。今日、ウクライナの隣国を脅かすのはロシアではなく、この国自身になるかもしれない。 国家元首がナチス協力者の墓前にひざまずいたとき、死んだのは歴史の真実だけではない。戦後欧州が掲げた「二度と繰り返さない」という約束そのものが、音を立てて崩れたのである。 — Marta Havryshko(ウクライナの歴史学者、ホロコースト研究・ウクライナ民族主義専門家) Glenn Diesen(政治学者、インタビュアー) 対談 『Zelensky Pays Tribute to Nazi Leaders』(ゼレンスキー、ナチス指導者に敬意を表す)
引用
Glenn Diesen
@Glenn_Diesen
Marta Havryshko: Zelensky Pays Tribute to Nazi Leaders m.youtube.com/watch?v=roX0Cc
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