「人生の陽は沈みかけてる」盗撮逮捕の岡山大学文学部長が綴った焦燥

「人生の陽は沈みかけてる」盗撮逮捕の岡山大学文学部長が綴った焦燥

岡山県警岡山中央署は6月3日、商業施設のエスカレーターで女性のスカート内をスマートフォンで動画撮影したとして、岡山大教授で文学部長の山本秀樹容疑者(62)を性的姿態撮影処罰法違反の疑いで現行犯逮捕した。山本容疑者は「自分の欲求を満たすために盗撮をした。女性の脚を撮影したかった」と容疑を認めている。

山本容疑者は、今年2月、文学部長に就任したばかり。

今回の事件で適用された「性的姿態撮影処罰法」は、2023年7月に施行された比較的新しい法律である。

それまで、エスカレーターや乗り物内での盗撮は主に各都道府県の「迷惑防止条例」で処罰されていたが、地域による罰則のばらつきや、スマートフォンの普及に伴う巧妙な犯行に対応するため、国が定めた刑罰として一元化された。

名門の文学部トップが、10代女性の後ろからスマホを差し入れるというあまりに卑劣な犯行。現行犯逮捕の衝撃が広がるなか、ネット上では容疑者が大学の公式サイトに書き残していた「自己紹介」に注目が集まっている。

学生に向けて純文学作家のような筆致でざっくばらんに開示していた私生活のスタンスや、人生への焦燥。そこには、今回の事件の不穏な伏線とも読める、一風変わった内面が吐露されていた。

自身の「人生の陰」に言及

逮捕された山本容疑者は、同大文学部の公式サイトで学生に向け、自身の研究や人生観を独特の文体で発信していた。

研究者としての自己分析では、「いっつも石橋を叩いて割って外堀ばっかり埋めてるようなところがあった」と自身の性格を吐露。さらに、62歳という年齢を意識してか、「僕にとってもう人生の陽は沈みかけてる。外堀を埋めて潰す時間はもう残ってない。もう一足飛びに本丸を攻めるしかない」と、焦燥感とも取れる過激な表現で、後がない心境を綴っていた。

怪談研究と「仮説への執着」

専門は『雨月物語』や上田秋成などの日本文学であり、怪談の効果に関する共著も残している。教育分野のキーワードには「怪談(少々)」と並び、「検閲」や「出版法制度」といった法に関する言葉も掲げていた。

教育者としてのメッセージの中では、「普通たいていの人はなんでもかんでもその仮説を固定して執着して物事を考えているわけだが(「自分」というものをふくめて)、そんな不自由な、これまでの自分に束縛された状態を脱して……」と、自己の執着からの解放を学生に説いていた。しかし、自らは「欲求」という執着、そして歪んだ一足飛びの行動に負け、身を滅ぼす結末となった。

(zakⅡ編集部 圭拓海)

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