勝利の後味
スバルくんが追い詰められて虚勢張ってるところは「やめろ!言うな!」ってなりながら見てるんですけど、虚勢超えて泣きだしたら「これだよ……」って外人2コマみたいになりながら見てます
スバルくんが曇ると筆が進むので、早く残骸にしないと……
今年のifなんだろ……
元の世界の記憶ごとなくなっちゃったif欲しいなぁ
来なかったら自分で書こ
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『情けないことだが、『暴食』との戦いの最中に『名前』を奪われた。おそらく、今の私の状況はそういうことなのだろう』
『本当に、誰も覚えてないのか?片っ端から試してみれば……』
『すでにアナスタシア様ともリカードとも、顔を合わせたあとだよ。なかなかどうして、あの二人に見知らぬ人間扱いされるのは堪える経験だった。――庇われた相手に礼も言えないというのは、歯がゆいものだね』
『でも、どうしてスバルはユリウスさんのことを覚えてるの?あの、レムさんのときとおんなじように』
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「────」
言葉が、出ない。
何度味わっても、これだけは奇妙な感覚だ。
この部屋の中で、エミリアたちはスバルの知るレムやユリウスを知っている。
でも、それは、他人事のような感覚なのだ。
例えるなら、友人から見知らぬ人間の話を聞かされた時のような──端的に言えば、仲間意識が、覚えていた時より、恐らく著しく低下している。
エミリアたちの性格の問題ではなく、これは、どうしようもないのだ。
「──私も、覚えていたかったな」
スバルが例外だと分かってはいるが、記憶を好き勝手にされてしまうのは、不快だ。
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『――俺の隣の立ってる奴に、心当たりはあるか?』
『……それは、ベアトリス様という意味ではないね――すまない。見覚えのない人物だ。様相と佇まいから察するに、今回の戦いの功労者の一人だとは思うんだが。すまない。理由はわからないけど、君たちの期待に応えられなかったみたいだ』
『……なに、こちらこそだ。君からすれば言い掛かりのような問答だったはず。その心遣いに甘えている、私たちの方こそ謝罪すべきだろう』
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「──スバルが覚えていられる理由は分からないけれど、自分の記憶が無くなるより、こっちの方がずっと辛いのよ」
ベアトリスが、可愛らしい瞳を悔しそうに歪ませる。
監視塔での出来事が、霧の中から顔を出す。
あの時の気持ちを思うだけで、息が詰まるような思いだ。
「忘れた方も、悪いわけではないのよ。べティーも、覚えていたかったかしら」
スバルだけが背負うのが、ベアトリスには悔しくてならなかった。
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『エミリアさんらにフェルトさん、おおよそ揃ったみたいやし。あとはプリシラさんとこが集まったら十分かな。そしたら、お話し合いにしよか』
『どっちの味方、ってこともない。正直、どっちも正しいと思ってる。……最悪、クルシュさんの体の黒紋は、俺の黒くなってない部分でどうにかなりそうなら、それで対処しても構わないと思ってるし』
『俺が言いたいのは、急いで結論を出すなってこと。焦る気持ちはわかるけど、背中とか尻とか、黒くなっても見えないとこなら貸すのは吝かじゃない。そういう話』
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「──構うでしょうが、本当にこの人は……」
オットーがやや苛立ちを纏わせて瞳を鋭くさせる。
「結論を急ぐべきでは無いのはそうだと思うかしら。何事も、慎重が一番なのよ」
特に、正解のない話だ。
急げば急ぐほど、最悪の結論にたどり着く可能性の方が高い。
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『はい。邪悪な力により、姿を変異させられた住民のことです』
『うん、わかってる。だから、その心を守るための時間を作らせて。――乱暴な方法かもしれないけど、きっとできる。眠っていてもらうための、方法』
『では最後の議題ですが……都市の各地で続々と、素性のわからない意識不明の人々が見つかったと報告が相次いでいます。この件について話し合わせていただきたい』
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「素性不明……」
「なんともまーぁ、酷いことだーぁね」
ロズワールが、片目を閉じてそうつぶやく。
「──大団円……とは、言えない後処理ですわね」
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『みんなに話したいことがある。『名無し』の処遇とも関係ある、大事な話だ』
『誰か、ここにこうしてる男の名前がわかる奴はいるか?アル!お前はどうだ?こいつの顔に見覚えはないか?』
『は?なんだよ、兄弟。なんでいきなりオレをご指名?』
『本当に理由がわからないのか?俺とお前の共通点だ。それでこいつのことを覚えてないか?どうなんだ。答えてくれ』
『……ああ、そういうことか。悪ぃな、兄弟。言いてぇことはわかったが、力にゃなれそうにねぇ。オレの頭ん中に、その兄ちゃんの居場所はねぇよ』
『本当に本当か?もうちょっと真剣に……』
『もういい。――十分だ、スバル』
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「──力になれたら、良かったんだけどね」
世界は、あくまでラインハルトしか愛さない。
ラインハルトが何とかしたいと思った人までは、愛してなんてくれない。
それが、ラインハルトには、酷く苦しくてならなかった。
「──どうして、アルに?」
それは、分からなかった。
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『それらの問題を鑑みて……うちから一個、提案があるんやけど、ええかな』
『プレアデス監視塔、そこにいるはずの『賢者』なら……この世界の全てを見通してるなんて伝説の人間なら、知っててもおかしないんやないかな?』
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「監視塔……」
エミリアが、霧の奥に隠れてしまっている記憶を何とか引っ張ろうとする。
「──あと少しなのに……」
ものすごく苦労したことと、スバルが──
「──だめみたい……」
思い出せなかった。
「『賢者』……」
ロズワールが、なにか含みありげにつぶやく。
そう見えるだけで、なんの理由も無いかもしれないけど。