田んぼにコイ、ナマズ 台風6号の置き土産 水路の増水であぜ越える/兵庫・丹波市
まとまった雨をもたらした台風6号が過ぎた2日午後、兵庫県丹波市春日町の田んぼのあちこちで、泥水の水しぶきが上がっていた。早苗の株と株の間で、黄色がかり光沢がある体表の生き物がのたうち回っていた。体長40センチはあろうかというナマズだ。別の波紋の中心で、背びれとウロコが見えた。コイだ。あぜで隔てられた水路の増水に乗じ、入り込んだ「台風の置き土産」と見られる。
現場は、本州一低い中央分水界「水分れ」(標高約95メートル、同市氷上町石生)から約2キロ。低く平坦な土地に田んぼが並ぶ。まとまった雨が降ると、田に沿って流れる新川があふれ、市道や田んぼのあぜが水に沈み、一帯が海のようになる。3日の雨は午前中に上がり、「海」になるほどではなかったが、一時的に新川近くの水路の水位があぜより上がったタイミングで入り込んだと見られる。 雨が上がり、時間がたつにつれ、水位が低下。水口を見つけ、首尾よく水路へ戻るナマズがいれば、幅40センチほどのあぜを飛び越えようとしてあぜの上に落下、バタバタ飛び跳ね、「バッシャーン」と派手に田んぼ側に落ちるコイもいた。
田んぼの様子を見に来た近くの男性(76)は、「大雨の後、この辺りではよくあること。うまく川へ戻るやつもいれば、戻れず田んぼの肥料になるやつもいる」と話していた。 田んぼにコイの幼魚を放し、害虫を食べさせたり、水を濁らすことで雑草の繁茂を抑える「鯉農法」があるが、迷い込んだ鯉は大きく、暴れて稲をなぎ倒していた。