【解説】企業に“強い要請”も…中東情勢巡る政府の対応で課題【#みんなのギモン】
ほかにも、ある業界団体の幹部は報道機関の取材に対し、中東情勢の悪化が長引く可能性を踏まえ、“需要抑制の必要性”について言及しました。
“需要抑制の必要性”というのは、原油由来のものを節約する必要があるといった趣旨のことです。
この発言をうけて、政府側からは「政府の発言と齟齬(そご)があることについては、発言を控えるように」などとした上で、今後は報道機関の取材に応じないように求めてきたほか、人事上の処遇で不利になると受け止められるような発言もあったということです。
こうした動きを受けて、業界団体では、ただちに需要抑制は必要ないなどとするコメントを発表しました。
さらに別の団体でも、幹部が需要抑制の必要性に言及したところ、政府側から、「発言の真意はなんなのか」などと問い合わせが来たということで、団体内でも「言論統制に近い。今の政府の手法はやりすぎでは?」との声があがっています。
企業などと政府のコミュニケーションは、どのようであると良いとされているのでしょうか。野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英さんに聞きました。
「企業が受注停止を決めるのは自衛的な面が強く、合理的な判断ともいえるのではないか」と話していました。一方で「取材内容が事実であれば、政府の個別企業への対応は、問題の本質に直接働きかけるものではないように感じる」としています。
その上で、「政府による代替調達の努力は評価するが、重要なのは将来にわたる安定的な調達について、企業の不安が解消されるかどうかだ」と話しています。
赤沢経産相
「早期の受注再開を強く要請したケースがあるとは認識しておりません。個別のケースに応じて、正確な情報の把握と共有に努めているものであり、個々の民間事業者の事業活動について強制することは意図しておりません」
政府としては、そのような対応はしていないという認識を示しています。
中東情勢を巡っては、企業が経営に支障がでないように対応している一方、政府はパニックが広がらないように対応していて、向かっているベクトルが違うんですね。
それだけに、政府には企業に対してより丁寧なコミュニケーションと、疑心暗鬼にならないような納得できる情報発信を行ってほしいと思います。
(5月29日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
【#みんなのギモン】身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)