信じるということ
妹にヒスられたら「お前今レグってるぞ」って茶化すんですけど、この前ブチギレられてセロハンテープの置くところのやつで頭殴られて爆笑してました
あと、何か食べる時に暴食みたいに「いくら食っても食い足りないッ‼️」って言うのも家族内で流行ってます
言い始めたの春風だからこんな事言うのは忍びないけど、傍から見たら頭おかしい家族でめちゃくちゃ面白い
ちなみに母はそれを見て「やば……」って顔で見てきます
なので、それに対しても「アナタ……怠惰ですね?」って返してます
会話はいつでもイカれたやつの勝ちですよ
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『肝心なときに協力できずにすまない。自分の不実を反省するばかりだ』
『お前がきてくれて百人力どころか千人力だ。それぐらい、期待させてもらって大丈夫なんだよな?頼りにするぜ?』
『ああ、頼りにしてほしい。君がそう望んでくれるなら、応えるよ』
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「人質を取られていたんでしょう?なら、ラインハルトがそんなに謝る必要は無いと思うの。悪いのは、徹頭徹尾魔女教の人たちだもの」
エミリアが、ラインハルトの方を向いてそう笑いかける。
その話については既にスクリーンの中で話が片付いているのだが、意外と気にしがちなラインハルトの心を鑑みたのだろう。
全く、エミリアは穢れのない少女である。
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『スバル殿、私からも一つ報告がございます』
『――もう一人は、『先代剣聖』テレシア・ヴァン・アストレア。十五年前の大征伐の折に、白鯨に敗れて死んだはずの、私の妻です』
『完膚無きまでに、肉体を破壊する。あるいは体のいずこかにある呪印、それを抉ることです。そうすれば屍兵は、ただの死体に戻る。そうしなければならない』
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スバルとヴィルヘルムが交わしたその会話を聞いて、皆が形容しがたい表情をうかべる。
エミリアやクルシュは眉を下げて悲しそうな顔を浮かべて、オットーやユリウスは眉をひそめて苦虫を噛み潰したような顔を浮かべていた。
「……屍兵……」
ラインハルトが、子供の泣き声のような、か細い声でつぶやく。
その言葉に、彼は何を思い出したのか、なにか大きな過ちを、思い出したのだろうか。
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『クルシュさんが、俺を呼んでるって聞いて。それで』
『ん。中の、ベッドにいるよ。……絶対に、余計なことだけはしないで』
『……ご、無事で、よかったです。私と……同じ、呪いを受けたって……聞いて……』
『ごめん……ごめん、クルシュさん……っ』
『ふ、ぅ……?』
『ぐっ!?なん、だ……!?』
『見せて、スバルきゅん!』
『フェリス……クルシュさんの手が!』
『え……?』
『まさか、クルシュさんの体から俺の体に移った……のか?』
『で、でも、私には何の変化もないよ?クルシュ様のお体を診るのに、さっきから何回も何回も触れてるのに……わ、私には……っ』
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「……スバル……」
酷く、痛々しかった。
ベアトリスは、スバルがどんな見た目になろうとも、それを醜いだなんて思わない。
ただ、その腕は、見ているだけで、痛みが伝わってくるのだ。
「……侵食範囲が違いすぎるのよ……このやり方じゃ、きっと、ダメかしら」
「……ナツキさん……」
ぎり、と奥歯を噛み締める音が頭蓋に響く。
クルシュを責めるつもりは無い。
彼女の容態を見て、それが出来る人間はいないだろう。
ただ──
「……どうして……いつも」
見えないところで、見えない苦労をしてしまうのだ。
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『いけません、ナツキ様……気付いて、いないのですか?ご自身の、手が……』
『言っていたじゃ、ありませんか。――あとのことは全部、俺に任せておけって。私にも、言ってください……あとのことは全部、俺に任せておけって』
『クルシュさん、ゆっくり休んでてくれ』
『……ナツキ、様』
『あとのことは全部、俺に任せてくれていいから』
『――はい』
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「……ぁ、」
スクリーンの中で、クルシュの容態が回復するのと合わせて、現実でも──こちらでも、クルシュの体を侵略するものに変化が訪れる。
「……クルシュ様……!」
「……フェリス」
苦しそうに呻いていた喉から、漸く、人間らしい音が聞こえる。
「……誰が、こんな事を」
それを体験したクルシュには、わかる。
この部屋にはきっと、忌まわしき悪意が、手を伸ばしているのだと。
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『スバル殿、下にラインハルトがきておりますな?屍兵の素性を、ラインハルトに伝えるのはやめていただけませんか?』
『ラインハルトに……孫に、死者となった妻を会わせたくないのです。あれはきっと、自分を責めることでしょう。他でもない、私のせいで』
『剣神は自分を裏切った妻を許さなかった。戦場で加護を奪われ、捨てたはずの剣にしか頼れなかった妻がどんな思いでいたか……私はそれを受け入れられなかった。加護の宿ったラインハルトを詰ったのは事実です。祖母の死に涙し、重すぎる宿命を背負わされたばかりの孫を、愚かな私は許せなかった。後悔、しています』
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「……お祖父様……」
ラインハルトが、瞳を僅かに揺らして視線を向ける。
スバルのように、ヴィルヘルムとの距離を縮められたなら、どんなに良かっただろう。
だが、それが叶わないことも、ラインハルトは知っていた。
「……僕は、どうするべきかな。スバル」
靄が晴れてきた記憶の隅に、決定的な亀裂が、確かにあったから。
「……お祖父様、僕は……」
ヴィルヘルムが、ラインハルトの方へ視線を向けることはなく、ラインハルトの声も、空気へ滲み、消えていく。
「……どうすれば、いいかな……」
人間らしくないほどに美しいその顔に、確かな人間の感情が、浮かんだ。
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『戦力を分ける前に、改めて大罪司教のわかってること確認しとこか。えーと、全員の顔を見たことがあるんは……ナツキくんだけやね』
『気にする必要はないよ、スバル。――今、授かった』
『今のお祖父様は平静を失っておられます。もちろん、クルシュ様に無礼を働いた大罪司教への敵愾心は理解できる。ですが、その心境で目的を達せるとは思えない』
『本心だよ。君と、お祖父様の勝利を信じている。僕はスバルの剣になろう』
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「欲しい加護が貰えるなんて……それって、すごーく」
エミリアが、いつもの調子で何かを言おうとして、気づく。
先のヴィルヘルムとスバルの会話と、そのラインハルトの特性を照らし合わせれば──最悪な、予想ができてしまう。
「……それって、」
エミリアが、酷く暗い表情をしたのを、誰が気づいただろうか。
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『勝手な希望で悪いな、ラインハルト』
『大丈夫だよ。たとえどんな場であっても、僕は僕のできる最大限の働きをする。それで君が助かるのなら望むところさ』
『頼ってばっかでホントに悪ぃ。お前が強いってことに頼りすぎな局面だけど……お前の足りない部分はどうにか補うから、期待しててくれよ』
『──なんでもない、ことなんだろうね、君には。――ああ、期待させてもらう。僕の届かない部分を、君が埋めようとしてくれることに』
『――?おおよ、大いに期待してくれ。期待してっから』
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「……なーぁるほど、これはこれは」
ロズワールが珍しく上機嫌で声を跳ね上がらせるものだから、ベアトリスはそれを睨みつけ、ガーフィールとオットーは不審そうに目をやり、すぐにそれをスクリーンに戻した。
「どうかされましたか?ロズワール様」
「いーぃや?ただ……面白いと、そう思っただけだよ」
そう、面白いのだ。
スバルの突拍子も無い言動は、見ていて飽きない。
「なかなかに……楽しませてくれるじゃーぁないか」
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『俺は『強欲』を倒して、エミリアを取り戻す。『暴食』をぶん殴るのは、今回はお前に譲ってやる。……しくじってくれるなよ』
『――君の期待に、応えてみせよう。今度こそ、今度こそだ』
『最後の『強欲』が、俺とラインハルトの二人だ。頼りにしてるぜ?』
『――ああ、任せてほしい。僕も君を頼りにするよ、スバル』
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「……本当に、人を誑かすのが上手いお方ですわね。ペトラが不安になるのも分かりますわ」
ペトラがよく「スバルは目を離したら誰かに好意を持たれてしまう」とぼやいていたのもわかる。
これはもはや、生まれ持った性質と言うべきだろうか。
「まあ、これくらいの方がわたくしはいいと思いましてよ」
「俺ッ様もだ!大将はすげェッからなァ!」
「……ガーフの感じ方とはまた違う気もしますが……そうですわね」
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スクリーンが暗転し、場所は、小さな王国へと。
『結婚は好き合ってる男の人と女の人がするもの。だけど、私にはその資格がまだ全然ないの。だって私、男の人を女の人として好きになるってことがわかってない。だから、スバルがあんなに私のことを好きだって言ってくれてるのに、スバルが求めてる答えを肯定も否定も返してあげられない。それってすごーくひどいことで、スバルを傷付けて困らせてるのもわかってる。でも、まだ人を好きになるってことがわかってない私だけど、きっといつか誰かのことを好きになる。誰かのことをきっと、女の人として愛する。そしてそうなったとき、誰のことを好きになるかはもう決めてるの。だから――私は、あなたのものにはならないわ』
『――っ!ああそうかい!僕も、君みたいな勝手な浮気女を妻にするつもりなんてなくなったよ!せいせいするなぁ!!』
瞬間、扉が蹴飛ばされ、レグルスは無様にも吹き飛んでいく。
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「勝手な浮気女だとか、好き勝手言うんじゃないかしら!これだから人の話を聞かない男は嫌いなのよ……!」
蝶の紋様が刻まれた空色の瞳で藍色の髪を睨みつけ、ベアトリスは吐き捨てる。
「全くですね。大罪司教に人間性なんて期待していませんけど……呆れてモノも言えませんよ」
オットーも眼光を鋭くし、ベアトリスと結託する。
「大丈夫よ、私はレグルスと結婚なんて絶対しないんだからっ!」
まだ精神が幼いエミリアにも、それがしたいことなのかくらいは判別がつくのだから。
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『お前、せーので蹴ったのに結果が全然違うじゃねぇか。どういう脚力だよ!』
『すまない、加減ができなかった。ちゃんと当てる相手は選んだから、それでよしとしてくれないかな』
『助けに入ったときの格好よさが段違いになるだろ?俺の蹴りがドア開けただけなのに、お前の蹴りは敵を直撃って……』
『神聖な結婚式に横紙破りなんていい度胸じゃないか。招待客に男の名前があった記憶はないんだけど、どこの誰でどんなお祝いを持ってきたのかな?なぁ?』
『パートナー精霊不在の精霊騎士、ナツキ・スバル』
『『剣聖』の家系、ラインハルト・ヴァン・アストレア』
『この結婚式に物申すってな。――その花嫁、さらわせてもらうぜ』
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エミリアを拐う時に招待していただろうが、と悪態をつきたくなる気持ちとスバルの登場がかっこいいと思う気持ちが拮抗した結果、ガーフィールは腹の底から叫び、オットーはそれによって耳を痛めた。
「すげェぜ大将……!さすがッだ!」
「そうですね……」
「加減はしたつもりだったんだけどな……」
「ラインハルトの加減はスバルきゅんからしたら相当強いと思うけどネ?」