“ルフィ”広域強盗事件 幹部 藤田被告の初公判開かれる
「ルフィ」などと名乗る指示役による広域強盗事件で、実行役に指示を出したとされるグループの幹部、藤田聖也被告の裁判が26日から始まりました。東京 狛江市の住宅で高齢の女性を死亡させた事件など7件で強盗致死などの罪に問われているのに対し、弁護側はいずれもほう助の罪にとどまると主張しました。
フィリピンを拠点とした特殊詐欺グループの幹部、藤田聖也被告(41)は2023年、東京 狛江市の住宅に実行役が侵入し、90歳の女性をバールで殴って死亡させた事件など合わせて7件で強盗致死や強盗傷害などの罪に問われていて、フィリピンの入管施設から「キム」を名乗って実行役に指示したとされています。
26日に東京地方裁判所で開かれた初公判で、被告は狛江市の事件について「バールを持って行くことは知っていたが、脅したり暴行したりするよう指示はしていない」と述べるなど、一部の事件について起訴内容の一部を否認しました。
また弁護士は7件の強盗事件について果たした役割は大きくないとして、ほう助の罪にとどまると主張しました。
検察は冒頭陳述で「藤田被告が参加していた特殊詐欺グループが2019年にフィリピン当局に拘束され、その後、被告も入管施設に収容された。特殊詐欺事件による収入がたたれていたが、今村磨人被告が『ルフィ』を名乗って強盗事件を起こすようになり、その後、藤田被告もテレグラムを使って実行役に指示するようになった」などと述べました。
一連の事件で起訴されたグループの幹部4人のうち審理が始まったのは2人目で、闇バイトで実行役を集めたとして強盗傷害ほう助などの罪に問われている小島智信被告(48)は2審で懲役20年を言い渡され、上告しています。
特殊詐欺グループに加わった経緯は…
裁判では被告人質問も行われ、藤田被告は特殊詐欺グループに加わったいきさつなどを法廷で明らかにしました。主な内容をまとめました。
藤田被告は北海道函館市出身で、福祉関係の専門学校を出たあと不動産関係の仕事などをしていました。
札幌市で暮らしていた27歳のころ、知人の紹介でのちに特殊詐欺グループのトップとなる渡邉優樹 被告と知り合ったといいます。
当時、渡邉被告は飲食店の経営やウォーターサーバーの販売などさまざまな仕事をしていて、藤田被告は渡邉被告とともに不動産関係の仕事などを始めました。
その後2人は他人の家に侵入して金庫を持ち出す事件を起こし、いずれも実刑判決を受けたということです。
服役を終えた藤田被告は2017年ごろから建設関係の仕事を始めましたが、大けがをしたため1年ほどの間、仕事ができなくなりました。
当時、同居していた元妻から気分転換を勧められ、2019年7月にフィリピンに渡航しました。渡邉被告がフィリピンにいるといううわさを聞いていて、困ったら助けを求められると思ったからだといいます。
その後、現地の特殊詐欺グループのトップとなっていた渡邉被告とカジノで再会します。当時の印象については、「カジノで大勝ちしていて有名になっていた。羽振りがよさそうで格が違う人間になっていた」と振り返りました。
藤田被告はフィリピンでFX取引をしていましたが、損失が出たため渡邉被告に相談したところ特殊詐欺グループに入るよう勧められ、2019年9月ごろにかけ子や受け子を集める「リクルーター」として組織に加わったということです。