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人材派遣大手 「派遣料金」引き上げカルテルか 公取委立ち入り

(更新)
公正取引委員会

大手人材派遣会社5社が、派遣先の事業者から受け取る「派遣料金」を引き上げるカルテルを結んでいた疑いがあるとして、公正取引委員会は、2日、立ち入り検査に入りました。公正取引委員会は、引き上げ分の一部を派遣会社側が差し引き、利益を拡大していたとみて、詳しく調べることにしています。

独占禁止法違反の疑いで立ち入り検査を受けたのは、いずれも東京都内の大手人材派遣会社、「パーソルテンプスタッフ」や、「スタッフサービス」、
「リクルートスタッフィング」、「アデコ」、そして「マンパワーグループ」のあわせて5社です。

人材派遣会社は派遣した先の事業者からその代金にあたる「派遣料金」を受け取りますが、関係者によりますと、5社は遅くとも2023年度分以降の派遣料金を引き上げるカルテルを結んでいた疑いがあるということです。

こうした調整は少なくとも数年間にわたって行われ、各社の経営幹部クラスが関わっていたとみられています。

また、引き上げ分は派遣社員の賃上げにあてられたほか、派遣会社がマージンとして差し引き、利益の拡大につなげていたとみられるということです。

公正取引委員会は派遣料金の引き上げが十分な賃上げにつながっていたのかどうかについても着目していて、派遣会社がマージンとして差し引いていた割合などについても調べることにしています。

パーソルテンプスタッフ「厳粛に受け止め全面的に協力」

パーソルテンプスタッフはNHKの取材に対し、立ち入り検査を受けたことを認めたうえで、「法令順守の徹底を図っておりますが、公正取引委員会の立ち入り検査を受けたことを厳粛に受け止めるとともに、当局の調査に対し全面的に協力してまいります」とコメントしています。

スタッフサービス「全面的に協力していきます」

スタッフサービスはNHKの取材に対し、「公正取引委員会から立ち入り検査を受けたのは事実です。全面的に協力していきます」とコメントしています。

リクルートスタッフィング「必要な協力を行っていく所存です」

リクルートスタッフィングはNHKの取材に対し、「調査の依頼を受けているのは事実です。詳細は確認中ですが、真摯(しんし)に向き合って必要な協力を行っていく所存です」とコメントしています。

アデコ 「調査に全面的に協力」

アデコはNHKの取材に対し、立ち入り検査を受けたことを認めたうえで「調査に全面的に協力してまいります。現段階では、内容・詳細に関するコメントは控えたい」とコメントしています。

マンパワーグループ 「厳粛に受け止め 調査に全面的に協力」

マンパワーグループは公正取引委員会の立ち入り検査を受けたことを明らかにした上で、「立ち入り検査を受けたことを厳粛に受け止め、調査に全面的に協力してまいります」とコメントしています。

「派遣料金」人材派遣会社と労働者の配分は

人材派遣会社は、派遣先の事業者に労働者を派遣し、その代金にあたる「派遣料金」を受け取ります。

派遣会社は、ここから「マージン」と呼ばれる分を差し引き、残りを労働者が「賃金」として受け取ります。

派遣会社側が受け取るマージンには、
▽社会保険料や派遣会社側の経費のほか
▽派遣会社の利益が含まれています。

派遣会社側が、どの程度マージンを差し引くか、その割合は、労働者が派遣会社を選択する際の指標の一つになるため、人材派遣会社は、マージンの割合「マージン率」を公開することが義務づけられています。

厚生労働省がまとめたデータをもとに算出された、2024年度のマージン率は、全国平均でおよそ36%となっています。

一方、今回、カルテルの疑いが持たれている引き上げ分をめぐって、公正取引委員会は、より高い割合で派遣会社がマージンを差し引いて、会社の利益を拡大させていた可能性があるとみています。

人材派遣業界 2024年度売り上げ総額 9兆9005億円に増

総務省のことし4月の「労働力調査」によりますと、派遣社員は、およそ153万人で、雇用されている労働者の2.6%にあたります。

人材派遣業界は、労働力不足にともなう企業の需要の高まりや、賃上げによる派遣費用の単価の上昇などから拡大を続けていて、厚生労働省のまとめによりますと、市場規模、派遣会社の売り上げの総額は、
▽2020年度に7兆6477億円でしたが
▽2024年度には9兆9005億円に増えています。

派遣労働をめぐっては、多様な働き方を実現する一つの選択肢となっている一方、正規雇用との待遇差などが課題とされ、法改正など制度の見直しが進められてきました。

識者 “働く人の賃金が十分上がらないことになり 問題”

人材マネジメントや派遣労働の問題に詳しい学習院大学の守島基博教授は「労働市場がひっ迫していて、企業は人手不足でもあり、料金が高くてもある程度は払ってしまう状況だ。こうしたなかでカルテルを結んで派遣料金を引き上げ、マージンを増やせば、もうけが出ることになる」としています。

その上で「マージンをどれだけの割合で設定するかは派遣会社側の裁量だが、あまりにも多くを派遣会社が差し引いていたとすれば、働く人の賃金が十分上がらないことになり、問題があると思う。自分の給料からマージンがどれくらい引かれているのか、労働者などがわかりやすいよう、情報をよりオープンにしていくべきだと思う」と話していました。

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