足跡は消えない
最近アニメ未登場キャラの声優予想をしています。
フロップさんは櫻井孝宏だと思ってるんですけどどうですか?
まあ、声優決まったらたとえ誰でも「えー!めっちゃあうじゃん!」って言うと思いますけれどね。
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『で、ベアトリス。相手は大兎だけど、心の準備は?』
『契約直後。相手は三大魔獣が一翼。準備不足に状況悪し。契約者は素人。ベティーは実戦に駆り出されるのが四百年ぶり』
『で?』
『ちょうどいい、ハンデかしら』
『今から俺とベアトリスで大兎をぶっ飛ばす。エミリアたんには悪いけど、打ち漏らしからみんなを守ってほしい!』
『私も……』
『わかった。任せて。――だから、任せる』
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「大将……!」
ガーフィールが興奮冷めやらないといった様子で手を上下にブンブンと振る。
「落ち着くかしら、ガーフィール。スバルはいつだってかっこいいのよ!」
「ベアトリスちゃんも落ち着いてないな……」
大概浮き足立っているベアトリスをオットーが軽く諌める。
「それにしても、エミリア様がここまでピンチだったとは……」
「口頭だと伝わりにくいわよね。私もこの時は凍っちゃうの覚悟で戦ってたから、スバルが来てからしかちゃんとは覚えてないけど」
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『――恐いのかしら?』
『いいや、恐くない』
『そう』
『後ろにエミリア、隣にお前。なんたって、最強の気分だ』
『そうなのよ』
『まずは小手調べかしら。――エル・ミーニャ』
詠唱と同時に空間が歪み、紫色の結晶が大兎を砕き飛ばす。
全滅には程遠いが、一撃でこの威力。
スバルの心を沸き立たせるには十分すぎた。
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そして、空間にいる皆を沸かすにも。
「陰属性の魔法……!すげェ!!」
ガーフィールが立ち上がり、オットーも食い入るように画面を注視する。
「……あの腸狩りに一撃入れた魔法ですよねえ……舐めてた訳じゃないですけど、これはすごい……」
「ベアトリス様が行使する魔法か……これは興味深いね」
ユリウスが瞳を輝かせて口に出す。
「……増殖か……厄介だな。倒すに時間が要りそうだ」
ラインハルトはやや別ベクトルの心配をしていたが。
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『す、すげぇぇぇぇ!!』
『そ、そうかしら?大したことないのよ。ベティーにかかれば、序の口かしら。お茶の子さいさいなのよ』
『いや、おま、これ……こんな威力あったの、この魔法!?何属性!?』
『陰属性に決まってるかしら。陰以外、あんまり得意じゃないのよ』
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「二人とも陰魔法が得意って、なんだかすごーく運命みたいじゃない?二人が仲良しなのも気が合うからなのかもしれないわね?」
エミリアがニコニコと微笑みながらそうつぶやく。
「そうですわね、スバル様とベアトリス様は様々なところで相性がいいですから」
「単に子供らしいだけじゃないかしら、それに同じ属性の人間なんて吐いて腐るほどいるわ」
「ラム、水を差すんじゃありませんわ」
毒を吐くラムを睨むフレデリカ。
ラムは舌を出して目を逸らしていたが。
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『陰属性の極致――世界最高峰の、陰魔法の力ってものを』
『俺、何してたらいい?』
『ベティーと手を繋いで、一人にしないでいてくれたらいいかしら』
『んや、それも大事だと思うんだけど……』
『……精霊使いのやり方がわかっていないみたいで、先が思いやられるのよ』
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「……ほんと、スバルきゅんはこーんにゃ大精霊様捕まえてダメダメにゃんだから」
フェリスが呆れたと言いたげにため息をつく。
「宝の持ち腐れっていうか、もっと上手くやってよね」
「そう言うものではありませんよ、フェリス。スバル様とベアトリス様の相性は間違いありませんし、きっと大丈夫です」
「……ええ、スバル殿ならきっと何とかするでしょう」
「ヴィル爺まで……分かりました、ちゃんと見ますよお」
「ふふっ」
不貞腐れたように頬を膨らすフェリスをクルシュが軽く笑う。
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『イメージするのよ。思い浮かべるのは、さっきのベティーと同じ結晶でいいかしら。あれはマナを結晶化させ、具象化した魔力で編んだ杭。先端を尖らせ、内側に破滅を詰め込んで、防御を貫通して肉体に突き刺さる――そんな一撃を』
『想像した!』
『なら、あとは詠唱するだけかしら!』
『――エル・ミーニャ!!』
スバルとベアトリスの詠唱が重なり、出現する魔杭が上空から大地へ降り注ぐ。爆裂と破壊が『聖域』の大地を吹き飛ばし、醜い魔獣が千切れ飛んでいった。
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「……こ、れは」
ユリウスが、その端正な横顔に驚愕を滲ませる。
スバルはおそらく理解していないし、ベアトリスも対して重荷だとは思っていないだろう。
でも、ふたりが行っている戦闘はユリウスにとって──精霊術師にとって、規格外の戦いだった。
「にわかには信じ難いが……ベアトリス様とスバルが手を取れば実現されてしまうのだろうね」
ユリウスはぎし、と椅子に体重をかける。
「……なるほど、これはすごいですね」
オットーがそうつぶやく隣で、ガーフィールは声も出せずに目を輝かせて体を震わせていた。
「戦闘経験の薄いナツキさんをベアトリスちゃんが完璧にフォローしている……神業としか言えませんよ」
「まあ、べティーはスバルと一心同体だから当たり前かしら!」
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『おい、ベアトリス!これ、この調子でぶっ放してて大丈夫なのか!?』
『増殖の限界がくることはないのよ。こいつらはそういう風に作られた魔獣かしら。滅ぼそうにも滅びない。全部を、一度に消滅でもさせない限り』
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「……魔獣というのは、総じて厄介な生き物ね。飢餓を満たすためだなんて下らない。こんなのはただの厄災でしかないわ」
ラムが眉根を寄せて吐き捨てる。
「……こんなの、本当に倒せるの……?」
フェリスが険しい顔でつぶやく。
「倒した、という話ではありましたが……にわかには信じ難い話ではありますね」
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『ベアトリス。あいつらさっきから、減った数だけ復活しちゃいるが……元いた数以上、増えてないように感じないか?』
『たぶん、増殖自体には限界はなくても、種を維持する個体数の最大数には限界があるのよ。だから、それ以上は増えられないかしら』
『それなら、最大数をいっぺんに仕留められれば……』
『理論上は滅ぼせる。……でも、それはそれで難しい話なのよ』
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「……大将……!」
ガーフィールが手持ち無沙汰を誤魔化すように立ち上がってうろうろとする。
「落ち着きなさいな、ガーフ。心配せずとも、スバル様は成し遂げましてよ」
「でもよォ……俺ッ様はこの場にいなかったしなァ……」
見ていないから、安心しきれない。
「気持ちはわかりますけどね、ガーフィール。ナツキさんは約束破るような人じゃ……」
ない、と言おうとした。
「なくもないか……」
「慰めるか不安にさせるかどっちなのよ!?」
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『え、あれ、スバル!?』
『悪い、エミリアたん!ベア子と二人だけで片付けるのはきつかった!』
『べ、別にそれはいいけど……でも、どうするの?やっぱり、私が……』
『いや、倒す方法は思いついてる。エミリアたんが自爆覚悟で必殺技とか使う必要はないよ。つーか、やめて。ここまで頑張った意味なくなるから』
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「……本当に、似たもの同士なんですから」
「えっ?何か言った?オットーくん」
「なんでもないですよ、エミリア様。……それよりも、エミリア様が使う必殺技ってどれくらいの強さなんです?」
「うーん……頑張ったら、そこら辺一帯が氷結しちゃうと思う」
「ほんとに自爆覚悟ですよねそれ!?ナツキさんが止めてくれてよかったですよ……」
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『みんな無事でみんな助かるのが、一番いいに決まってんだからさ』
『……スバル』
『エミリアたん、今からちょっと無茶なお願いをする。できないようならもうちょい頭ひねるけど、できるようなら頑張ってほしいんだ。――みんなで、勝とう』
『わかったわ。やりましょう、スバル。なんでも言って』
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「……この短時間で作戦を形成できるなんて、スバルはすごいね」
「その通りだ。しかも、大兎との戦闘で脳を回転させた状態で作戦のことも考えたのだから……スバルの器用さには驚かされるよ」
「みんな助かるのが一番いい……そう、その通りなのよ。みんな無事なのが一番かしら」
「そうね、私もすごーくやる気出したんだから!」
エミリアがその豊満な胸を張り、得意げに笑う。
「……呼び方が渾名になっているあたり、そこそこの余裕はありそうですけれど」
「まあ、ギリギリよりかはいいでしょう」
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『イメージ、イメージ、イメージ!』
『ミーニャ!ミーニャ!ああ、クソ!噛むぞ、この魔法!』
『マナの匂いに誘われてくるなら、お前らが今の俺たちから目を離せるわけないけどな』
『イメージ、イメージ、イメージ……どうだ、羨ましいだろうが!もっと寄ってこい!』
『イメージ、イメージ、イメージだ……っ!』
『……スバル』
『今だ、エミリア!ラインをなぞれ――!!』
スバルは、大兎を囲う線を引いていた。
大兎の群れを牽制しながら、地面をけずって。
エミリアが、すぐに分かるように。
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「……!スバル!」
ユリウスが立ち上がり、瞳を僅かに震わせる。
「大兎を攻撃しながら、エミリア様を補助するための線を……」
ラインハルトも、スバルの行動に僅かな驚愕を滲ませていた。
「すごい……器用だね、スバル」
「ええ……!?ちょっと驚いちゃったかも」
「そうですね……こんなことが出来るとは」
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『さすがスバル!すごーく素敵!』
『――アル・ヒューマ!!』
エミリアの魔力は地面に描かれたスバルのラインをなぞり――その四角い空間にあった雪を全て、雪原ごと持ち上げて宙に浮かせた。
『エミリア!』
『わかってる!もう、逃がしてあげないから!』
エミリアは浮かせた雪原を、左右から真ん中へ向かって畳んだ。
『さあ、真打ち頼むぜ、ベアトリス――!』
『これが陰属性の極致――アル・シャマク』
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「……すげェ……こんな魔法の使い方があんのか……!」
「ふふん、驚いたでしょう?スバルがきちんと誘導してくれたから、私もすごーく上手くいったのよ」
エミリアが自慢げに銀髪を揺らせば、ガーフィールがそれに輝いた瞳で返す。
「すげェぜエミリア様ッ……!」
「そうでしょう?」
「収拾つかないんですけど……!」
「……これ、が……ベアトリス様の、魔法」
ユリウスが目を見開き、ラインハルトも口元を抑える。
「……驚いたよ、ここまでとは」
「ああ……規格外だ」
ユリウスの感動を隠しきれずに震えた声にラインハルトは優しく笑う。
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『禁書庫みたいに……隔離した空間にあいつらを飛ばせねぇかとは言ったけど……』
『ご不満なのかしら?』
『ホントに、すごい……』
『スバル、ほら』
『何か一言、この功労者にあってもいいと思うのよ』
『わ、きゃっ!』
『よくやってくれた!さすがだ、愛してるぜ、ベア子!!』
『ちょ、待っ!ちが、はな、離すかしら!ベティーはこんな……っ』
『よーしよーし!可愛い可愛い!ベア子素敵! ベア子最高!ベア子万歳!』
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「……仲が良さそうで何よりだね、ユリウス」
「ああ……あれだけの魔法に対して、少し緩すぎる気もするけど……スバルらしいな」
ユリウスが柔く笑い、ラインハルトがそれに整った笑みで返す。
「……よくやったようね、褒めてやるわバルス」
「なんでそんな上からなんですかねえ……」
「上だからよ」
「……変わらなくて何よりですよ……」
オットーが苦笑し、ラムがそれを鼻で笑いとばす。