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恥を世界は経験と呼んだ/Novel by 春風

恥を世界は経験と呼んだ

4,607 character(s)9 mins

いつも見てくれて本当にありがとうございます。
どうにか不快にしなくて済むような創作をしたいとは思っていますが、作風が作風ですし、やっぱりある程度は自由に二次創作したいので、嫌だと思ったら回れ右してくれると嬉しいです。

応援してくれてる人は本当にありがとうございます。
少し意地悪な言葉が立て続けに届いたもので動揺してしまいましたが、ちゃんと届いてる優しい言葉を無視するのもよくないですよね。
コメント全て目を通しています。
解釈は今後も深めていき、作品についてももっと皆様のご期待に添えるように頑張りたいです。

最近バイトや学校でもトラブルが多く、思ったように時間が取れないことが多いのでぱたりと更新が止まるかもしれませんが、その際はTwitter(X)で何らかの発信はします。

やっぱりたくさんの人に見て貰えると、それだけ上手くいかないことも増えてしまいますね。
精進します。

暗い話ばかりして申し訳ないです。

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『しかし……男と男の決着が、よってたかって中坊を袋叩きにしてたって絵面になるとまた見え方が変わってくんな。そこんとこ、どうよ』
『いえ、ガーフィールの実年齢には僕もビックリしましたけど、そんな穿った見方することはないでしょう。全員が力合わせて袋叩きにしなきゃ倒せなかった相手が、実は十四歳だったというだけで、内容にはこれといって影響はありませんよ』
『そうよ。ガーフは十四なんて乳臭いガキのわりには笑い話じゃ済まないぐらい力を持ってたわけだし、ラムたちが袋叩きにしたことをどうこうされる謂れはないわ』
『てめェら揃って袋叩き袋叩きうるッせェんだよ!上等だ、再戦すッかァ?おォ?俺様いつでも相手になってッやんぞ!』
『つーか、それだとお前が前に墓所に入って『試練』受けたのって何歳のときだ?そのときから意固地をこじらせてたってことだろ』
『正確に覚えてるわけじゃァねェが……たぶん、三つか四つんときだ。『試練』のこと以外で、まッともに覚えてることなんざァありゃしねェがなァ』
『そりゃまそうでしょうねえ。三歳か四歳って……僕がまだ世界を地獄だと思ってた頃じゃないですか』
『お前はお前で急に何を重たいこと言い出してんだよ、やめろ。掘り下げたくねぇ』

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「世界を地獄だと……オットーもなかなかめんどくさいものを背負っているのよ」
「まあ、小さい頃の話ですから……ナツキさん的には重い話だったみたいですけど、僕の中ではそこまで重い話でもないので……」
「スバルって変なところで繊細だから……私が普通のお話しててもたまに変な顔する時あるし」
「感受性が高いのも考えものなのよ……」

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『……あんまり長居してても、覚悟が鈍るだけよね』
『行くか?』
『うん、行くわ。……ガーフィールに続いて、それから追い越してみせる』
『できんのかよォ』
『やるわ。変わること、もう怖がらないことにしたから』
『エミリア様』
ふと、歩くエミリアを背後からラムが呼んだ。立ち止まり、振り返るエミリアの前でラムはお辞儀。スカートの端を摘まみ、厳かに、まるで使用人が目上の相手に対して敬意を払ってみせるように。
『ご無礼をお許しください。ラムは、エミリア様は立てないのではないかと、本音のところでは思っていました』
『……うん。不甲斐なくて、ごめんね』
『ええ、不甲斐なかったですし、見ていられませんでした』
『おいおい』
『ですが、エミリア様はお立ちになり、挑むことをお決めになりました。それが挑戦心によるものか、本心では逃避であったかはさほど問題ではなく』
『…………』
『ラムは、決めていました。エミリア様が、『試練』に挑む姿を見せるか見せないか。そこにラムの問題を預けてしまおうと。あなたが諦めの姿勢に逃げるのであれば、ラムも世界の流れに従おう。でも、もしあなたが抗うのであれば――』
『いってらっしゃいませ、エミリア様。無事のお戻りを、お待ちしております』

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「……使用人の鏡ですな、彼女は」
「……そうですね」
クルシュがヴィルヘルムの言葉に微笑む。
「きちんと意見を伝えた上で、背中を押してくれる──とても素晴らしいことです」
クルシュがそういえば、今度はヴィルヘルムが口角を上げる。

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『ね、スバル』
『ん?』
『墓所の中でのことなんだけど……』
『エミリア?』
『だ、だから、墓所の中でのことなんだけどっ』
『中でのことって……あ、まさかこれからじゃなくて、さっきの話?』
『そうよ。もう』
『中で、その、スバルが私と……その、ね?』
『あ、ああ……うん、そうだね』
『だからその、大変なことになると思うの。でも大事なことだから……『試練』や、他の色んなことが全部片付いてから、ゆっくりお話、ね?』

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「……ああ、エミリア様は接吻で子供が出来ると思っているんだったわね」
「……う」
ラムの容赦ない言葉にエミリアが頬を赤らめる。
「……お待ちください、エミリア様?」
「なあに?フレデリカ」
「子供が出来ると思いながら……その、受け入れたということは……」
フレデリカが言い淀み、エミリアもその言葉の意図を汲みきれていない。
ラムとロズワール、オットーはその言葉の意味を確実に理解していたが。
「……いや、やっぱりやめておきますわ……」
「……そう……?」

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『そう不安そうな面ァすんじゃねェよ、大将。男が下がるぜ』
『お前のその独特な言い回しも、中二って思うとなんかすんなり受け入れられんなぁ。俺にもお前みたいな頃があったわ』
『そういや、大将。ケンカんときに、大将が俺様をブッ飛ばしたアレ、なんだった?』
『インビジブル・プロヴィデンスのことか?』
『いん……なんだって?』
『インビジブル・プロヴィデンスだよ。『不可視なる神の意思』だ。かっこいいだろ』
『あァ、メチャクチャかっこいいな』

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「……感性が子供だからね、二人とも……」
フェリスが苦笑いでそう言うと、ラインハルトが首を傾げる。
「ああいうのがスバルたちの間では流行っているのかな?それなら、僕もなにか……」
「うーん、ラインハルトはやめた方がいいかにゃってフェリちゃん思うよ?」
スバルとガーフィールはその性格的に子供っぽくとも違和感がないが、ラインハルトがそうなると、泣きを見る女性が増えそうだ。

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『あァー、そういやよォ、大将』
『なんだ。つか、その大将って呼び方慣れねぇんだけど』
『じきに馴染むッだろが。そんなッことより、謝らなきゃなんねェことがあってよォ』
『俺様、中に入ったじゃァねェか。だから、『試練』の間に入ったわけなんだがよォ』
『おお、そうだよな』
『だァから、見ちまった。――大将がその、なんだ。必死こいた結果を』
言いづらそうなガーフィールの言葉にスバルは一瞬だけ眉を寄せたが、それから彼の言葉が何を示しているのかに気付き、すぐに目を見開いた。そして、驚いたスバルの耳が真っ赤に染まる。
『わ、悪気ァなかったんだぜ?でもまッさか、あんなことなってるたァ……』
『う、うるせぇ!忘れろ!おま、しまった……忘れてたぁ!だって……だって、お前が墓所に入る流れとか想像してなかったから!そりゃああなって……ああ、クソ!』
『忘れろぉ!俺はそれ以上は求めねぇ!はい、話終わり!以上!』
『あァ、わかった。……ッけど、アレ見たときに思ったぜ。大将はどうやら底ッ無しの大馬鹿野郎だが……死なさなくてよかったってよォ』
『終わりだっつってんだろ、話わからないガキか!?あ!ガキだった!』

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「中で一体何が……」
ユリウスがそう口にすれば、エミリアが恥ずかしそうに口を開く。
「壁にパックの絵と……『がんばれ、お前ならできる』『俺やパックも応援してる、大丈夫』『俺の好きな女の子はすごい!だから自信を持って!』『これが終わったらデートしよう、デート!』『やってやろうぜ、エミリア』『誰も俺たちに期待してねぇ。これほど、ひっくり返して面白ぇ状況が他にあるかよ?』『大好きだから、信じてる!』みたいな……応援の言葉が」
要するに、エミリアに宛てたラブレターをガーフィールに先に見られてしまったのだ。
「それは……」
ユリウスが不憫そうな顔をして、眉を下げる。

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『そういや、ガーフィールとリューズさんに聞きたいことがあったんだ』
『儂とガー坊に、聞きたいこと?』
『そう。聞きたいこと。っつっても、これって今のリューズさんに聞いてもわかる内容かちょっと難しいんだけどさ』
『ガーフィールは、今は『聖域』の解放に賛成なんだよな?』
『大将、賛成ってなァまたちっと違うぜ。俺様ァ、大将たちに負けた。だッから、『聖域』を解放しようって大将たちの行動の邪魔ァしねェ。その結果、変わる『聖域』のみんなを苦しませねェように動く……ってのが、今の俺様の立ち位置だ』
『そう、そのスタンスだよ』
『あァ?』
『そもそもお前、俺たちがこの『聖域』に最初にきたとき、立ち位置的には賛成でも反対でもない中立みたいな……今と同じようなこと言ってたよな?』
『……あんときァ、俺様がどっち寄りってわかりゃァ大将たちに警戒されっと思ってたからだよ』
『でも、すぐに警戒露わになった。俺らがドジ踏んだっつか、まさしく虎の尾を踏んだってのかもしれねぇけど、あの心境の変化はなんだったんだ?』
『『聖域』の解放に反対するリューズさんなんだと、俺は睨んでたわけだが』
『大将の言う通りだ。俺様ァ婆ちゃんに言われて……』
『それはスー坊の考え違いじゃ。儂はガー坊にそんなこと……』
『な、なァにを言ってやがんだ。ババアが俺様に、あの姉ちゃんが『試練』を受けた最初の夜に言ったんじゃァねェか。大将から魔女の臭いがする。半魔の姉ちゃんも揃って、あの二人は魔女の使いなんじゃァねェかって……だァから、俺様ァ』
『そんな話を、儂が……?いや、確かに儂はスー坊を取り巻く瘴気には気付いておったし、エミリア様の出自に思うところがないではないが……それとこれとは話が別じゃ。儂はあくまで、ロズ坊の敷いた筋書きを辿った上で判断しようと……』
『待て!待て、ストップだ!今、リューズさんは言ったな。知らないって』

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「……どういうこと、でしょう」
クルシュが眉を顰め、ヴィルヘルムの顔が険しくなる。
「まだ、隠し事があるということでしょうな」
剣鬼の眼光はロズワールを睨みつけていた。

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『本人が嘘と認識してない場合は別として、少なくともリューズさんは自分の行動に対して『やってない』って断言するなら嘘にはならない』
『ッけど、俺様は確かに!』
『お前を疑うわけじゃねぇよ。……お前に、嘘がつけるって事実は呑み込んでだ。リューズさん。今の発言は、リューズさんの総意だな?』
スバルの確かめる言葉に、リューズは顔色を蒼白にしながら頷いてみせる。
『ラム』
『……言っておくけど、姿を変えるような魔法は存在しないわよ。ロズワール様であろうと、そんな行いはできはしないわ』
『じゃぁ、これをどういうことだと考える?』
スバルの問いかけにラムの答えはない。
『エミリアが出てくるのを、ここで待ちたいんだけどな……』
『ロズワールを問い詰めよう。あいつが往生際悪く何をしてるか、確かめなきゃならねぇ』

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「……悪巧みしすぎじゃにゃい?よく近くにおけるよね、あんな人を」
フェリスが眉を顰める。
「……そうですね。スバル様も、エミリア様も……少し優しすぎる気がしますが」
クルシュの顔もどこか険しく。

Comments

  • なな
    May 22nd
  • レイラ
    Mar 31st
  • 番。
    December 9, 2024
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