見ようとしないと始まらない
自分の中での解釈で書いているのですが、キャラの解像度が低すぎてご不快になられた方がいるようで……。
よろしければ、皆様の解釈をお聞かせ願えないでしょうか。
解釈は割と深めているつもりですが、あまり上手くかけていないようで。
筆が遅い上に解像度も低くて本当に救いようがないですが、どうかよろしくお願いします。
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『『不可視なる神の意志』……インビジブル・プロヴィデンスと呼ぼう……』
『……え、今、なんて言ったの?』
『あ……また俺、エミリアたんに膝枕されてんだ』
『そう。もう何回目?意識がないスバルにこうやって、膝を貸してあげるの』
『諸々の条件考えると三回目かな。大一番を突破しないと辿り着けない楽園だから』
『す、すごーく頭しゃっきりしてるんだ……気絶する前のこと、覚えてる?』
『そりゃもうハッキリと。こうやって喋ってエミリアたんの顔見てる間にゆっくりと思い出して……』
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「インビジブル・プロヴィデンス……かッけェぜ……!」
ガーフィールのツボにどハマりしたのか、ガーフィールがその金髪を揺らめかせて燥ぐ。
「……ナツキさんの感覚がガーフィールと同じなのは、それはそれで危惧すべきな気もしますけど」
18歳と15歳の感覚が同じというのは──些か危ないような気もするから。
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『治してくれてありがとな。パック、いなくても治療できたんだ?』
『パックとの契約が切れても、微精霊の子たちとの契約は切れてないもの。それに……こう言ったらなんだけど、私も魔法が使えないわけじゃないから』
『そうなの?魔法使いと精霊使いって、確かマナを扱う仕組みから違うって聞いてたから……てっきり、両立はできないもんかと』
『私も、できないと思ってたんだけど……記憶、戻り始めてるって言ったでしょう?その中に、自然と魔法の使い方の知識もあって……これも、封印してたみたい』
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「記憶の封印……どんな感覚にゃんだろ」
フェリスが顎に手を当てて呟く。
知っている記憶なのに覚えていない記憶が流れ込んでくるというのは、そこそこに気持ち悪い感覚であろうと思う。
「……スバルきゅんの周りって、厄介事多いんだね」
それは、この数時間で思った率直な感想であった。
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『物騒なことにはなってねぇと思うけど、森の肥やしにならないうちに助けに……』
『心配してくれるのはいいんですが、そんな最悪の状況まで想定されなくても平気ですよ』
『おお、おおお!?』
『驚いていただけて何よりですよ。ご心配おかけしましたが、そこはお互い様でしょうから言いっこなしってことで……』
『おらぁ――!』
『ぎゃふ――!?』
お互いの安否を確認し、なんか満足そうな笑みを浮かべていたオットーに突撃。スバルはそのまま勢いを殺さず跳躍し、フライングドロップをお見舞いする。石段とスバルの間に挟まれて、悲鳴を上げるオットー。
『痛ッ!痛い!階段に後頭部が削られて……痛い!は、ハゲる!ハゲる痛さだ!ちょ、ナツキさん何をしでかすんですかねえ!?』
『うっせ、バーカ!お前、格好つけてんじゃねぇよ。何、やってやりましたねみたいな感じの雰囲気醸し出してんだよ。誰がお前に時間稼ぎ以上のことまでやれなんて頼んだんだよ。おかげで俺の計画が完全にパーになるとこだったじゃねぇか。でもお前のアシストがなかったらガーフィール撃破まで辿り着けなかった気がするから、感謝してないでもないんだからね!』
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「ナツキさんはどうして素直に感謝が言えないんですかね……」
「スバルがよく言うツンデレというやつかしら。ベティーは知っているのよ」
「本人が聞いたら抗議しそうですけどね……」
ベア子だけには言われたくない、と抗議しそうだ。
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『エミリア様がやる気満々になったところ悪いんだけど、墓所には先にガーフが入るわ』
『ガーフィールが『試練』って……本気か?』
『本気も本気よ。ねえ、ガーフ』
ガーフィールは、今も乾いた血でパサつく前髪を指でいじくり、こちらの会話を耳に入れないように顔を背けていた。その耳を、手加減抜きの勢いでラムが引っ張る。
『聞いてるの、ガーフ。無視だなんて、ずいぶんといい度胸しているじゃない』
『あだだ!だだァッ!?おい、ラム!?今、俺様の耳、根元がブヂッつったぞ、オイ!千切れる寸前……血ィ出てるッじゃねェか!』
『全員によってたかってタコ殴りにされたことの反省が活きていないようね?言っておくけれど、こっちにはまだ体力をまったく消耗してないエミリア様が残っているのよ。反抗的な態度をとったらどうなるか、わかってるの?』
『わ、私……そんな乱暴なことするつもりないんだけど……』
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フレデリカがまじか、と言いたげな顔でラムに視線を送る。
「必要な処置よ、飲み込みなさい」
「……まだ何も言ってませんわ……ラムの豪胆さには驚かされてばかりですわね」
耳を引っ張ったこともだが、迷いもなくエミリアの力を頼りにいくその胆力──ラムは本当に強かな女だと思う。
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『わァってるっつんだよォ。今、この場で再戦したッとこで俺様に勝ち目はねェ。『地霊の加護』で力はだいぶん戻ってッきてやがッが……ケンカできるほどじゃァねェ』
『そう言ってもらえると、こっちとしちゃ安心だ。ぶっちゃけ、これ以上お前と殴り合いするのなんて願い下げだよ。死ぬかと思ったぜ。ここ一ヶ月で二番目か三番目に』
『ナツキさん、どれだけ修羅場ばっかくぐってるんですか?恐いんですけど』
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「……冗談抜きで、だったんですね」
オットーの顔が僅かに曇る。
「……本当に死んでしまった原因も含めれば、二番目どころではないでしょうに」
スバルの軽口を聞き流せなくなる自分に、オットーはため息を吐く。
「これも、あんたを追い詰めるだけなんですかね」
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『……俺様ァ、二番目か三番目かよ』
『ああ。二番目か三番目か……そんなもんだ。表に出れば、もっと色々あるぜ』
『ハッ!その口車にゃァ乗らねェよ。『儲け話の陰にデリデリデあり』ってなァ』
『口車と、実力行使と……二ッつまとめられてもまだ信じねェ。あとは俺様が、てめェの目で見て、判断する』
『何を、判断するの?』
ガーフィールは鋭い犬歯を噛み鳴らし、エミリアは胸元に指を伸ばしかけて、思い出したようにその手を止めた。その仕草を見て、ガーフィールは自分の右肩に手を伸ばすと、
『ぬ、ずァ……ッ!』
右肩に突き立っていた青い結晶石が、鈍い音を立てて引き抜かれる。一瞬、ガーフィールの右肩を血が伝ったが、彼は筋肉を締めて強引に止血。目を丸くするエミリアへ、引き抜いた結晶石を軽く拭って放り投げた。
『わ、あ……』
『きちっと受け取れや。そいつァ、てめェが……あんたが持ってんのが正しいだろうよ』
『ありがとう、ガーフィール』
『俺様からしたら忌ッ々しいもんをぶん投げッただけだ。感謝される謂れァねェよ』
『――確かめてくるぜ。俺様が間違ってんのか、てめェらが間違ってんのかを』
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「ほんと……スバルきゅんの周りこんな子ばっかり……」
傷を厭わない子ばかりで、見てるこちらの方が痛い。
「僕は、彼の豪快さは好きだよ。最強を目指すという姿勢も、見ていて楽しいから」
「……そうだネ」
無自覚に上から目線なんだよなあとフェリスは苦笑いする。
悪気がないことがわかっているから口にはしなかったが。
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『まさか、約束を反故にして遺跡を破壊されちゃったりしたらどうしましょうか』
と、場を和ませるジョークのつもりだったのか、かえって空気の読めない発言をしたオットーがラムに跳び蹴りを食らう一幕などあったが、おおむね状況は静かに見守られた。
『……ガー坊』
『――あ!』
『ガー坊!』
立ち上がり、墓所の方へ駆け出すリューズ。彼女の視線を追いかけて、スバルは墓所の入口に人影が現れているのに気付いた。
『ほら、ちゃんと僕の言った通りで……びゃん!』
早とちりしたラムの膝蹴りの直撃を受けて、オットーが草むらを転がっていく。
『が、ガー坊。その、儂は……』
『似合わねェ面してんじゃァねェよ、ババア。心配、かけて悪かった』
『ガー坊』
ぶっきらぼうに言って、ガーフィールは小さなリューズの頭に手をやる。
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「……本当に、手のかかる弟ですわ」
そういうフレデリカの顔は穏やかで、陽だまりのような──木漏れ日のような温かさを孕んでいた。
「……綺麗だ」
ラインハルトがそう零して、眉を下げて優しく笑った。
ガーフィールとリューズの一幕に、なにか思うところでもあったのだろうか。
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『ガーフ。どうだったの?』
『目に見えて、どうだッつー成果はねェな。こんなもんか、って気はするけどよォ』
『なんか万引き自慢する中学生みたいな発言に聞こえるけど、そういうこと言い出すってことは……やったのかよ?』
『――区切りァ、付けてきたッつもりだ』
『じゃぁ、お前。このままの勢いで残りの『試練』も……』
『ッざッけんな。俺様が受けてやる『試練』ァ、この一個だけだ。残りをやるのァ俺様のやることじゃァねェ。そうだろッが』
『ええ、そう。あとのことは、私のお仕事だもの。取ったらダメなんだから』
『魔女は相変わらずの性悪ぶりだぜ。せいぜい、気ィ付けるこッたなァ』
『あれ?助言してくれるの?ありがとう。肝に銘じておくわね』
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「スバルってば、すぐに私を甘やかそうとするんだから。私だってちょっとは強いんだからね!もっと私を頼ってくれてもいいと思うんだけど」
エミリアがそう言って不満そうに頬を膨らす。
「……恐ろしいな、本当に」
ロズワールがそう零すのを、ラムでさえ聞いてはいなかった。
恐ろしいという言葉が指すのは彼の精神力もだが、何よりも彼が周りに向ける無条件の信頼だ。
自分が幾度も死んでいる以上、守りきれなかった周りに対して他責思考になりそうなものだが、彼にはそれが見受けられない。
それが僅かに人間らしさを欠如しているように感じ、ロズワールはそれが少し恐ろしかったのだ。
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『あー、それと……よ』
『どうした?もじもじとかされてもキャラに合ってねぇぞ。お前はそういう逡巡とか考え込むとかってステータスが死んでるタイプなんだから、蛮族プレイでいこう』
『何言ってやがんだッかわかりゃァしねェが、俺様を馬鹿にしてやがんのァわかんだぞ、オイ。思い知らせてやろ……あァ、いや、そりゃいい』
腕を振り上げかけて、何もせずに下ろすガーフィール。
『ガーフ』
と、ラムがガーフィールの腰のあたりを小突いてみせる。
『中の『試練』、越えられたのはたぶん、てめェのおかげだ。ありがとうよ』
『……お前、お礼言った?』
『二度は言わねェ。ただ、思い出したいことは思い出せた。だから、入った甲斐は……あった。クソッ!』
『いいか?確かに俺様ァ負けたし、『試練』の結果も変わった。ッけッどなァ!てめェらの全部が全部、正しかったって認めて白旗掲げて腹ァ見せて降伏したわけじゃァねェ!大口叩いて、この『聖域』を変えるッて言いやがったんだ!その変わった後が、中にいる連中にとって辛かったり苦しかったり、そんなんなるんだったら容赦しねェ!』
『お、おお……それは、もちろん……』
『だァから、てめェらが口だけ野郎にならねェかどうか、きっちり近くで見届けッてやらァ。――うまくやれや、『大将』!』
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「……!なるほど……」
ユリウスとラインハルトが驚きに目を瞬かせる。
ガーフィールがスバルに向ける信頼の高さは、こういう経緯だったのだと。
「……それにしても」
フェリスは思案する。
そして、誰に届くこともないほどの小声でこぼす。
「……自分を──周りを殺した相手に、よくもこんな顔ができるよね」
それは、スバルという人間の優しさと──歪さを、表すものであった。
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『大将って……この集団のてっぺんは、俺じゃなくてエミリアなんだが』
『ガーフィールをやっつけたのはスバルたちだもん。男と男のぶつかり合いの結果で認めてもらったんだから、ガーフィールの大将はスバルなのよ。すごいね、大将』
『本人も、気持ちが高ぶっていてどうしたらいいのかわかっていないのよ。好きにやらせてやりなさい』
『っつってもなぁ。俺の方が全然弱いわけだが、そこんとこは……』
『ケンカの強さは別として、バルスの方が年上なんだからそれぐらいは大目に見なさい。ガーフも、ああ見えて子どもだから。男兄弟ができた気分でいるんじゃないの?』
『ちょっと待て』
『なに?』
『今、なんて言った?』
『どこのこと?』
『ガーフィールが、俺より年下って言った?』
『知らなかったの。ガーフ、バルスより年下よ』
『いくつ』
『確か、今年で十四』
『じゅうよんっ!?十四って……お前、中二じゃねぇか!?』
『反抗期真っ盛りの中二……そりゃ、手懐けるのに苦労するわ……』
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「……知らなかったんですの?」
「……まあ、スバルは屋敷に来てからもバタバタしてて周りの事情を知る暇なんてなかったから、仕方ない……かしら」
それに、スバルの周りには見た目と中身が乖離してる人間が多い。
スバルがそこら辺に鈍くなるのも仕方ないのだ。
「大将……か。友達らしい呼び名だ……」
「そうだろうか……?」