日本政府、OpenAIに高性能AIへの早期アクセス要請――AIの安全性評価とサイバー防御を加速 #エキスパートトピ
小野田紀美経済安全保障相は、米OpenAIのジェイソン・クォン最高戦略責任者と5月29日に会談し、同社の高性能AIについて、日本政府や日本企業が早期に利用できるよう求めたと明らかにした。
政府のAIセーフティ・インスティテュート(AISI)はOpenAIとAIの安全性評価で協力する覚書を締結しており、小野田氏はAISIへの先行アクセスも要請した。
今後、AIの安全性評価やサイバーセキュリティー分野での協力が進むことに期待を示した。
ココがポイント
高性能AIの早期アクセス要請 オープンAIに小野田経済安保担当相
出典:朝日新聞 2026/6/2(火)
政府機関、オープンAIと覚書
出典:時事通信 2026/6/2(火)
エキスパートの補足・見解
高性能AIは、脆弱性の発見、攻撃手法の分析、被害の予兆把握を速める一方、同じ能力が攻撃側にも使われます。
AIは、ログ、コード、設定情報、通信の流れを横断的に読み取り、異常な接続や未修正の脆弱性を候補として示せます。ただし、誤検知や過剰な判断もあるため、人間による確認が欠かせません。
そのため、政府や重要企業が最新モデルの性能を把握できなければ、防御側だけが対応に遅れるおそれがあります。
OpenAIの強みは、利用者基盤の広さ、モデル開発の速度、企業や政府向けに実装する力にあります。
AIセーフティ・インスティテュートとOpenAIの協力は、海外企業のAIをそのまま受け入れる話ではありません。
日本側がAIの安全性評価に関与し、日本の金融、通信、電力、行政など、止められない基盤で使う際のリスクを事前に検証する枠組みです。実際の業務や防御システムに組み込む前に、AIの性能だけでなく、誤作動や情報漏えいの可能性まで確認する狙いがあります。
早期アクセスは優遇ではなく、AIの能力と危険性を早く見極めるための備えです。サイバー攻撃側も高性能AIを使う以上、防御側が最新モデルを評価できる体制は、経済安全保障上も欠かせません。