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ずっとずっと、愛しているから/Novel by 春風

ずっとずっと、愛しているから

4,998 character(s)9 mins

バ先でレグルスみたいなクソ客きて「こういうやつまじでいるんだな……」ってなりました
早口で喋られると笑っちゃうからやめて欲しい

今回のタイトルは前回のタイトルと繋げてます
タイトルかんがえるのがいちばんたのしい

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『こんな小さくなって、意固地になって……まるで、子どもじゃないさね。痛々しくて、見ちゃいられないよ、はぁ』
『――バル、ないてるのかー?』
『こんななかされて、かわいそーだな。……なかせたの、だれだー?』
『テラ?テラがいる?なんで?ひさしぶりだなー』
『テュフォン……はぁ。今は取り込んでるところだから、ふぅ。その子は刺激しないで、はぁ。こっちにおいで、ふぅ』
『はは、バルに悪さしたのか?はは、アクニンなのかー?』
『お母さんは、はぁ。悪人になるほど気力がないさね、ふぅ。自分が働く気も、あんたを働かせる気もありゃしないんだからね、はぁ』

********************

「スバル……」
胸元に手をぎゅっと結び、エミリアは紫紺の瞳を揺らす。
「傷つかないで……泣かないで……」
ただそれだけを願っているのに。

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『ここでテュフォンまで顔を出すとなると、ほとんど勢揃いじゃないか。これでダフネまで顔を出すようなら、四百年前を思い出す……』
『今ぁ、ダフネのこと呼びましたぁ?』
『スバルんはともかく、テラテラまでいるんですかぁ?すごいじゃないですかぁ。大罪の魔女が七人揃って、その上に賢人候補まで……』
『ダフネ。――彼はまだ、そこまで辿り着いていない』
『……あぁ、それはぁ、ごめんなさぁい。それにしても……すんすん。塩っぽい匂いがしますけどぉ、誰か泣いてますぅ?ネルネルですかぁ?』

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「賢人候補……」
その言葉に、ベアトリスは反応する。
「……もう、余計なものを背負わせたくはないのよ」
彼は優しいから、求められればどこまでも無茶をする。
それは、彼の心に孕んだ闇が起因するのかもしれないが。

********************

『私は、あなたを愛しています。――あなたが、私に光をくれたからです。あなたが、私の手を引いて、外の世界を教えてくれたからです。あなたが、私が孤独に震える夜、傍でずっと手を握ってくれていたからです。あなたが、一人になった私を、一人じゃないと口づけてくれたからです。私はあまりに多くをあなたからもらいました。……だから、私はあなたを愛しています。あなたが、あなたが私に全てを与えてくれたからです』
『なんでなんだ……俺の中の、これは何なんだ?こんな感情、欲しくない。ありもしない記憶で、俺を縛るな……俺は、俺はお前なんか……お前なんか……ッ』

********************

「嫌いだとは、言わないのね」
ラムが吐息を吐き出す。
「本当に滑稽ね、バルス。本当に……子供のように」
「……これは、强間違いでもないのかもしれないねーぇ」
ロズワールの瞳が、片方閉じられる。

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『バル?』
『坊や……』
『そ、の子……』
『あんた……ッ』
『すばるん?』
『――ああ、それも一つの選択だ。ナツキ・スバル』
――地面にうずくまったまま、スバルは己の舌を噛み切っていた。

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「ッ……!大将!」
ガーフィールの瞳に動揺が激しく映る。
「なんッで……」
理由など聞くまでもない。
スバルの心は疲弊していたのだ。
それを魔女に追い詰められて、もうどうすればいいのかなどわからなかったのだ。
「大将……」
名前を呼ぶことしか、出来なかった。

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『こっの、バカ――!』
『バルはじぶんでえらんだ!ルヴァがじゃまするのは、だめだ!』
『自害も自決も他傷も他殺も、あたしの目の前では何一つ許さない!心の苦悩なんて知ったことか!見えない傷なんて、あたしの知ったことじゃない!だから!その代わりに見える傷だけは見過ごさないッ!』
『次の邪魔は、あたしさね、はぁ』
『邪魔をするなぁ――!セクメト――!』
『そうはいかないさね、ふぅ。あたしは心情的に、その坊やの味方さね、はぁ。付け加えればテュフォンの味方でもある、ふぅ。邪魔しない理由が、ないさね、はぁ』

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「……どうしてなんですか、ナツキさん。あなたは人の痛みに敏感で、誰よりもそれがわかるはずなのに……どうして自分だけを、度外視してしまうんですか?」
「いけませんわ、スバル様。あなたが英雄になる必要なんて……」

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『どうして気付かないの……?あなたが救いたいと願う全ての中には、あなただっているべきだって当たり前のことに』
『運命の袋小路で喘いでいる人たちと同じように、あなたにだってそれは訪れている。ただ、それを覆せる可能性があなたにだけあるというだけで……あなただって、救われるべき人なのに、どうして』
『二つの『試練』で、あなたはいったい……何を見てきたの……?』

『死にたく、ないよ……』
『それが、本音でしょうが……ッ』

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「当たり前でしょ、死にたい人なんて……いないもん。苦しみから逃げたいとか、いなかったことにして欲しいとか……そういう人はいてもね」
その言葉の残酷さに、フェリスは口を噤む。
「スバル様は……酷く、不器用な方なのですね。他人には優しさを向けられるのに、自分には……」

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『俺に……っ』
『──うん?』
『俺に、生きる価値があるか……?死なない俺に……死んで、繰り返す以外の価値が……俺に、あるのか……?』
『俺って人間に、『死に戻り』以外の価値があるって……思っていいのか?俺は、俺の好きな人たちに……好きだと、思ってもらえてると、そう思って……いい、のか?』
『……そんなこと、あたしは知らないわよ』

********************

「当たり前だろう、スバル。君が救った全ての人間は、君を好意的に思っている。そんなことは……当たり前の、ことなんだ」
最優の端正な顔に、悲しみから来る歪みが生まれる。
彼に救われたように──彼を救いたいと、そう思う人間は多くいるのだから。

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『あんたの価値なんて、あたしは知らない。でも、あの子はそんなあんたに生きててほしいって願ってるし……二つの『試練』で、あんたも見たでしょう?』
『……でも、二つ目の『試練』は、俺の間違いを、やらかした罪を……』
『バッカじゃないの?あれはあんたに間違ってしまった世界の責任を取らせようとしたものじゃないわ。あれは、あんたが間違った結果、誰がどれだけ悲しんでいたのかをあんたに見せつけたのよ。――あんたが、それこそ欲しがってた答えじゃないの』

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「そうよ、責任なんかじゃない。ただ、貴方に……自分を大切にして欲しいだけだと思うの、スバル」
どこまでも自分の痛みを見て見ぬフリする彼に、他人ができることなど、そう多くは無いから。

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『私はあなたに救われました。だから、私はあなたが救われることを許します。あなたに救われてほしいと、そう願っています』

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「……そう。スバルは私を助けてくれた。とっても大切な人だから……私も、あなたを助けたいの。ただ……それだけなの」
「べティーだってそうかしら。そこに大義なんてものはありはしないのよ」

********************

『――今一度、ボクは君に問おう、ナツキ・スバル』
『ボクが君に協力すれば、君は必ず救いたい人たちを救う未来に辿り着ける。思い悩む必要もなくなるだろう。極論を言えば、君が直面する問題の解決にはボクが当たる。君は体当たりでそれを実践し、壁を乗り越えることだけを意識すればいい。悩み続けることが辛いのであれば、ボクに全てを委ねるのも一つの選択だ。それをボクは責めないし、ある意味では歓迎もしよう。だから、今一度、ボクは君に問う』
『どうすればいいかわからない君の手を、ボクに引かせてくれないだろうか?君を必ず、未来へ連れていくと約束しよう』
『エキドナ』
『俺は、傷付くのが恐いよ』
『辛いのも苦しいのも、悲しいのも嫌だ。痛い思いもしたくないし、俺以外の誰かがひどい目に遭うところだって見たくない。――死にたく、ない』
『だから、犠牲前提のお前の手は――もう、俺には取れない』

********************

「……それでいいんですよ、ナツキさん。あなたが笑顔でいてくれたら、それだけで」
彼にそれを気付かせたのが自分でなく魔女であるのが酷く妬ましいが。

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『――愚かで哀れなガーフィールは、外の世界を恐れている』
『……え?』
『第一の『試練』であの子が見たものが、あの子をずっと縛り付けているのさ。君が独力で状況を打破するというなら、その呪縛を解く必要があるだろうね』
『エキドナ?』
『他の魔女たちが君にとって好意的に振舞っていたというのに、これでボクだけが何も差し出さないとしたらとんでもない話だ。君の中に、『魔女たちはみんな根っこがいい奴だったけど、エキドナだけは最後まで悪い奴だった』なんて思われるのは御免だ。ボクはこれでも女の子で、君に好意的でもあるのは事実なんだからね』

********************

「何が好意的ッだァ!クソ魔女が!」
「ガーフィール落ち着いて」
ガーフィールが床を蹴って不機嫌を露わにする。
それをオットーが仕方ないと言いたげに止めて。
「……きっと、もう大丈夫ね。スバル」
スクリーン内のスバルはまだ曇った顔をしてるけれど。
「オットーくんが何とかしてくれる気がするの」
そう言って、エミリアは無邪気に笑った。

********************

『俺を、死なせてくれようとしてありがとう。俺を、死なせないでくれてありがとう。俺に、大事な声を聞かせてくれてありがとう。――それは、ありがとう』
『俺は……お前がなんなのか、わからない。お前がどうして俺を好きだって言ってくれるのかも、お前が言う……俺がお前を助けたって言葉の意味もわからない』
『でも、お前が俺に与えてくれた『死に戻り』に、助けられてきたのは事実だ。俺がそれに頼り切って、ここまでどうにかやってこれたのも本当だ』
『俺にとって、『死に戻り』は選択肢の一つ……ってことなのか?』
『それに頼り切らないことが、自分を愛することだって……お前は、そう言うのか?』
『簡単には、割り切れはしねぇよ。――でも、『死に戻り』をくれたお前が、俺に死にたくないと思わせたのも、間違いない』
『お前の言う通り、もう少しだけ……自分を、好きになってみる。大切にしてみる。それでどうなるかなんてわかりゃしないけど、それでいい』
『……大丈夫?』
『ああ……死ぬのに比べたら、どうってことねぇよ』

********************

「夢の城が崩れて行く……現実へ戻るかしら」
「……大丈夫ですよ、ベアトリスちゃん。僕はちゃんとナツキさんを殴り飛ばした記憶があるので」
「とんでもない曝露かしら……」

********************

『一人で、悩まないで。あなたを大切に思う人たちと、一緒に……』
『あなたが死ぬことを望まない人たちと、あなたが死なせたくないと望める人たちと、一緒に抗って。……それでも届かないときは、『死』を恐れて死ぬことを忘れないで』
『あなたが死んでしまうことを、悲しむ人がいることを、忘れないで――』
『そしていつか――必ず、私を殺しにきてね』

『俺が、必ず――』
『――お前を救ってみせる』

********************

「救う……?」
その言葉に、フェリスは目を見開く。
「呆れた。まさか魔女まで助けるつもりにゃの?」
「……そのようですね」
「全く、英雄幻想もいい加減にして頂きたいもんですね」

Comments

  • レイラ
    Mar 30th
  • シン
    May 19, 2025
  • レイラ
    January 13, 2025
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