松本洋平文部科学相は2日の参院文教科学委員会で、沖縄県名護市辺野古沖での船転覆事故を巡り、文部科学省が教育基本法違反とした同志社国際高(京都府)の平和学習について、「極めて政治色が強く、適切な教育活動とは考えられない」と述べた。立憲民主党の石橋通宏氏の質問に答えた。石橋氏は「無理くりにストーリーを作った」などと批判した。
石橋氏は政治的中立性を定めた教育基本法14条2項に違反するとした文科省の判断について、「安全管理上の重大な過失と教育内容の政治的中立性の評価を混同させている政治的な意思に基づくものであって遺憾であるという指摘がされている」と指摘した。
石橋氏「政治的中立性を拡大解釈」
さらに、日本では海外に比べ子供が政治について話す機会が少なかったり、選挙での若者の投票率が低かったりするとして、原因を従来の文科省の方針を挙げた。「政治的中立のもとにいろいろな縛りをかけて、現場が委縮した結果、教育の現場で政治のことを議論しにくくなった。政治的中立性を行政がゆがめてきた」と述べた。「特定の政党を支持し、またはこれに反対するための政治教育、その他の政治活動をしてはならないというのが14条2項の趣旨だ。ところが、今回もそうだが、文科省は意図して政策的中立性まで求める拡大解釈をした」と持論を展開した。
松本氏は、同志社国際高への判断について「特定の政党を支持し、またはこれに反対するための政治教育ではなく、その他政治活動に当たると判断をしたものだ。政治的活動とは、政治上の主義もしくは施策を推進し、支持し、またはこれに反対するようなことを目的として行われる行為を指すものであり、必ずしも特定の政党を支持し、またはこれに反対するための行為に限られないものと解されている」と説明した。
これに対し石橋氏は、「その他の政治活動は、『特定の政党を支持、反対する』にかかっているというのは、共通の有識者、専門家の法解釈だ」と主張。「明らかに文科省の拡大解釈を、極めて大事な平和教育にまで援用してしまう、極めて重大な問題だ。沖縄の歴史や民意を学ぶのは偏向教育か」と反発した。
松本氏「学校も認めている」
松本氏は「沖縄の戦禍や民意に対して学ぶことは全く偏向教育に当たらない」と述べた。一方で、同志社国際高の平和学習に関しては、「辺野古の基地移設反対のために、日常的に抗議活動を行っている抗議船に生徒を乗船させることは、極めて政治色が強く、適切な教育活動とは考えられない」と強調。「辺野古への移設に反対する立場にかかる情報に直接かつ積極的に触れさせる一方で、辺野古への移設に賛成あるいは中立の立場にかかる情報に触れさせるような指導を行っていなかったことが学校からの度重なる確認の中でも明らかになった。学校においてもこれらについては認めた上で是正をすると回答している」と述べた。
石橋氏は文科省の見解について、「極めて断片的なものをつなぎ合わせて無理くり今のストーリーを作っている」と批判した。辺野古事故を巡り、内閣府沖縄総合事務局が14人の国会議員の乗船履歴を運営団体に照会したことに関しては、「今回の判断を特定の政党活動と結びつけようとしているのではないかという意図が汲まれる」と自身の考えを語った。