400年前から、あなただけを
泣いてるスバルくんかわいい
スバルくんって高三かぁ……
よくやってるよ...
まあ現実にいても誰かしら庇って怪我してそうな気はするけど
テストで37点とって焦ってますので少し短いです。
数学ってなんでやらなきゃいけないんだろう……
関数とか絶対将来使わないと思うんですけど
一生国語と歴史だけやってたい
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『そもそも、何のつもりであいつはここに……』
『喋っちゃいけないことを、ぺらぺらと喋ったから怒らせたんじゃないの?あたし、そういう口が軽い男の人ってどうかと思う。あの子の憤慨、少しわかるわ』
『んなこと言われても知らねぇよ。ってか、あの魔女の肩を持つのか?お前や他の魔女からしてみたら、あいつは自分の仇じゃねぇのかよ』
『自分の仇って、すごい馬鹿みたいな言葉の響きね。……あんたの言い分が確かかどうかは、これから確かめるわよ』
『聞こえる?あたしよ、ミネルヴァ。『憤怒の魔女』のミネルヴァ。覚えてたり、声がちゃんと聞こえてるなら、返事して』
『――!いや、待てって!俺の知る限り、そいつと会話は通じないって!それ以上に妙なアクションで刺激したりしたら……』
『黙ってるといいさね、はぁ』
『あんたが接した短い時間の何倍も、ふぅ。あたしらはアレと一緒に過ごしたもんさ、はぁ。不安がるのは当たり前の話だけど、ふぅ。少しはミネルヴァに任せてみるさね、はぁ。あの子だって考えなしに……動くこともあるけど、ふぅ。まあ、今回はそうそう考えなしってわけでもたぶんないさね、はぁ』
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「...スバルの豪胆さには少々驚かされるね。魔女相手に、ここまで踏み込んで話せるなんて」
「うん、それは僕も驚いた。僕がスバルなら、少しだけ...驚いてしまうかもしれない」
「少しだけなのか...」
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『アレを排除するために手を尽くして、その後に他の魔女たちに狙われてしまっては本末転倒だ。ミネルヴァはともかく、セクメトとテュフォンを敵に回してまで賭けに出るのは分が悪いというものだよ』
『話が見えねぇよ。なんで、お前が『嫉妬の魔女』を排除しようとしたら、あいつらが敵に回るなんてことになるんだ。自分の仇って意味じゃ、全員にとって同じ……』
『ち、がう……よ……?』
『み、んなにとって、『嫉妬』が仇、なの、は……ん、合ってるけど、それと、あの子のことと……は、違う、お話、でしょ?』
『……言ってる意味がわからねぇ。お前らは、何を……』
『この場にいるアレが、どっちなのかわからない以上、ふぅ。こっちから手を出すのは気が進まない以前に筋違いって話じゃないのさ、はぁ』
『どっち……?』
『――あなたは『嫉妬の魔女』?それとも、サテラ?どっち?』
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「...どういうこと?嫉妬の魔女とサテラは違う人なの?」
「いや、そんな話は聞いたことないかしら。別人だなんて……」
「じゃあ、どうして……?」
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『『嫉妬の魔女』なら、あの子の間に立った時点でいきなり『妬み』を向けてきててもおかしくないし、その心配はあんまりしてなかったけど』
『それでも、それならそれで一言、最初に声をかけてくれたらいいのに。そりゃ、顔を合わせづらい関係なのはあたしにだってわかるわ。あのとき、あたしを呑み込んだときの最後の顔、忘れてないわけじゃないもの』
『他の五人よりはずっと、あたしの方がマシだと思うけど。テュフォンはともかく、それ以外じゃあたしが一番……友達だったと、そう思ってたのに』
『そう、思ってたのに……思ってたから、それが……っ!』
『この久しぶりの状況で、無視される気持ちがわかるの――っ!?』
『――ほら、思った通り』
『ほら、見なさい。あたしの拳をかわす必要がないのを知ってるのは、サテラであって『嫉妬の魔女』じゃない。エキドナ、あんたの警戒は不要だわ』
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「嫉妬の魔女は悪くて、サテラはいい子ってこと……?」
「...それも少し違う気がするかしら」
「別人格ということ?でも、そんな訳が...」
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『そもそも、『嫉妬の魔女』とサテラが別ってのはどういう意味だ!お前らは当たり前みたいに話してたけどな、俺はそっからすでに知識として違ってんだよ!』
『どうもこうもない。無理やりに、適性のない存在が魔女因子を取り込めばそういった弊害も出る。因子の影響で生じた魔女人格とも言うべき部分と、本来の自分とのせめぎ合い……というべきか。ボクからすれば同じ存在なんだから、彼女らのように区別するという意味がイマイチ納得できないのだけどね』
『別、人格……!?じゃあ、何か?お前らを呑み込んだり、歴史に残ってるような悪行をやらかしたのは、その片方の人格で、もう片方は無害だとでも……』
『世界の半分を飲み干したのも、ボクら大罪魔女六人を飲み干したのも、全ては『サテラ』の行いで、『嫉妬の魔女』じゃない』
『な――!?いや、それじゃ辻褄が合わないじゃねぇか!お前らを呑んだのがサテラで、あそこにいるのもサテラだっていうんなら……話が』
『噛み合うのさ、それでね、はぁ。あたしたちは『嫉妬の魔女』は許さない、ふぅ。けど、サテラなら恨みはしない、はぁ。それだけのことさね、ふぅ』
『わ、たしは……さ、サテラちゃんで、も……ん、嫌だけ、どね……魔女より、は、いいかなって、だけ……だか、ら』
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「どういうこと?意味がわからない……」
「魔女因子...」
ベアトリスが考え込むが、真の理解には至らないようであった。
「スバル……」
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『お前は、本当に……何なんだ?俺を、どうしたいんだ?』
『お前が、俺にやり直させる力を与えてるなら……それは、どうして……』
『────ぅ』
『──あ?』
『────ます』
『あなたをずっと。あなただけをずっと、愛しています』
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「...ぇ」
エミリアの瞳が揺らぐ。
声が───
「どうして、そんな……」
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『やめろ……』
『愛しています』
『やめてくれ……』
『あなたを、あなただけを、ずっとずっと、愛し続けています』
『やめろって言ってるだろうが――!』
『おま……お前は、なんなんだ!?俺の体に何を仕込んだ!?『死に戻り』の種と同じように、俺の心を操る何かを俺に仕込んでるのか!?』
『お前も、エキドナも……どうかしてる!ここは……ここは、理解できない奴らばっかりじゃねぇか!もううんざりだ!』
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「ナツキさん……」
「スバル、それ以上話さない方がいい。魔女と話せば、心が...」
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『お前らの手は借りない。外の問題は、全部俺が自分で何とかする。――それでいいだろうが!最初から、俺はそうするべきで……』
『それで?また死に繰り返して、色んな人を泣かせながら『これは情報収集のために仕方なかったんだ』って言い訳するんだ。へー、すごいんだ』
『何よ。何か、言い返せるつもりなの?』
『お前に何の関係がある。『死に戻り』で痛いのも、苦しいのも、傷付くのも、すり減っていくのも、全部俺の問題だろうが。それを、お前にとやかく言われる筋合いはねぇ』
『痛いのも辛いのも苦しいのも覚悟してるって、言う側は気楽でいいわよね。血を吐いて肉が裂けて骨が砕けて、それを見てる側がどんな思いをしてたとしても、一番厳しいところは自分が受け持ってるって言い訳がずっと使えるもの』
『何だと……!?』
『自分が誰よりもわかりやすく、見え見えの派手な傷を負っちゃえば、あんたの行動の余波で小さな傷を受ける人たちには何も言わせないで済むもの。だって、あんたが一番苦しいんだから。あんたが一番痛いんだから。あんたが一番辛いんだから……周りの弱音を封じ込めて、当然なんだもんね』
『俺が!俺がみんなの言葉を封じ込めるために、大げさに悲劇に酔ってるってそう言いたいのかよ!今の俺の袋小路が、そんな演出のためにやってることだとでも!?』
『別に、そんなじゃない。ただ、『自分が誰より傷付けばいい』なんて結論は卑怯だわ。あたしはエキドナの腹黒さはどうかと思うし、サテラの回りくどさも理解なんてできないけど……あたしは、あんたのその歪み方は魔女よりよっぽど気持ち悪い』
『何より、傷付く全てを叩いて治すあたしの生き方からすれば、あんたのその生き方は対極というより天敵だもの。――この子が、それじゃあまりに報われない』
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「そんな、言い方...だってスバルは、誰かを傷つけたいわけじゃないのよ。誰かを助けたいからしてるだけなのに、そんな……」
「...歪み、ね……」
「そんなの、酷すぎるじゃない...」
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『なんだそりゃ。気持ち悪いもなにも、俺がこういうやり方を選ぶようになったのはなんでだよ。俺がお前のいう歪んだ考え方をするようになったのはなんでだよ。やり方も考え方も、俺の持てるものからしたら当然の帰結だろうが――そうだろうが』
『お前が!俺を!こんな風にしたんだろうが!』
『傷付くのも苦しむのも!全部、全て、俺だけだ!俺だけで済む、万々歳だろうが!俺が歯を食いしばって、俺が怒りも悲しみも何もかも噛み殺して、どんだけ痛い思いして死んだとしても、誰にもその絶望の指先を届かせたりなんかしない!最初から最後まで俺だけが傷付いて、それでいいだろ!何が悪いんだよ!』
『理解できない、うんざりだってさっきは言ったな。ああ、悪かった、悪かったよ。その気持ちには一片たりとも嘘はねぇが、お前に感謝してることだってあった。それを忘れてた。それも忘れて、恩知らずもいいところだったな、俺は』
『俺からお前に感謝することは一個だけだ。『死に戻り』させてくれて、ありがとうよ。これだけは感謝してやる。これがなけりゃ俺は、大事なものも何一つ守れやしなかった。これからも、この力には頼り続ける。だから、このことだけは感謝してやる』
********************
「違うわ、スバル。そうじゃないの...そういうことを言ってるんじゃないのよ」
「スバルだけが傷つけばいいなんて、そんなのは間違っているかしら。そんなのは……」
「...ダメですよ、ナツキさん。きっと...そのままじゃ」
「...君は、私が思っているよりもずっと壊れやすく、ずっとおかしかったようだね。スバルくん」
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『だから、お前がくれたこの力にだけは感謝してやる。おかげで、俺みたいな何の取り柄のない奴でも、行き詰まった状況を……』
『──ないで』
『状況、を……』
『――泣かないで。傷付かないで。苦しまないで。悲しい顔を、しないで』
『お、前が……それを……』
『だから、愛して』
『け、っきょくそれか……お前はそうやって、俺の感情を捻じ曲げて、それで究極的にはそうやって自分のことを愛してもらうことばっかりだ。そんな言葉に……』
『──違う』
『――もっと、自分を愛して』
********************
「...は」
エミリアの口から、疑問を織り交ぜた吐息が吐き出される。
「自分を……?」
エミリアは勘違いをしていたのか。
『愛して』の行き先がサテラであると。
でもそれは違ったのだ。彼女の言葉はずっと──
「スバル、に……?」
********************
『何を……言い出し、やがる』
『……傷付かないで。もっと自分を大切にして』
『お前が俺に、『死に戻り』の力を与えたんだろうが。お前が与えたこの力が、俺にそうやって前に進む方法を与えたんだろうが』
『――あなたを愛しています。だから、あなたも、あなたを愛して、守ってあげて』
『俺が自分可愛さで、俺からこの方法を奪ったら!俺に何が残るって言うんだ!!』
********************
「違うわ、スバル……頼って、もっと...そうしたら、きっと」
それは、あまりにも独り善がりであった。
「...違うわね、だって」
スバルが傷ついてしまうのは──
「私たちが、弱いからなんだもの」
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『お前も知ってるだろう!?俺にはなんの力もないんだ!知恵も技術も、特別な力はなんにもない!なんにもない俺が持ってるのは、お前がくれた『死に戻り』だけだ!だったら、俺が支払えるのは俺の命だけしかないじゃねぇか!』
『悲しまないで』
********************
「何も無いなんてことは無いのよ...スバルはずっと、皆の……」
ベアトリスの瞳に闇が宿る。
大好きだ。大切で、これからは絶対に傷つかないようにするって──そう思っていたけれど。
「何もかも、遅すぎたのかしら?」
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『痛い思いして、死ぬような目に遭うのも織り込み済みだ。俺はそれでいい、それでいいんだよ!苦しい思いするのが俺だけなら、俺はそれでいいんだ!』
『苦しまないで』
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「いい訳ないでしょう……?あなたが傷つく度に、僕が...どんな気持ちで...」
その先を言うことは許されなかった。
だって、オットーがスバルを救えたことなど、片手に収まる程度ではないか。
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『俺が誰よりも傷付いて、俺が誰よりも多くを経験して、俺がみんなを守れるように立ち回れば、俺以外は誰も辛い思いしなくて済むんだよ!それ以上は望まないんだ!』
『泣かないで』
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「大将ッ……なんで、そんな」
苦しそうに、悲しそうに。
まるで親とはぐれた子供のように──泣いているのだろうか。
「...私はひとつ思い違いをしていたようだね。スバルくん。……君は、ただの子供だったようだ」
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『俺のことなんか、どうなったっていいだろ!?俺みたいな奴がどうなったところで誰も気に留めやしないだろ!?俺がどれだけボロボロになったって、みんなが無事に未来に辿り着けるなら、それで……っ』
『誰も欠けずに、未来が迎えられるなら、それで……ッ』
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「どうして、そういう事になるの?スバルきゅんが傷ついたところを誰にも見せなかっただけなのに、それを皆のせいにするの?そんなのって...ずるいじゃにゃい」
「スバル様...違いますよ。私たちは……スバル様に、そんなことを強いてなんて...」
「スバル様、わたくしは……わたくしたちは、あなたをとても大切に思っているのですよ。あなたを大切にしないのはきっと...あなただけなのです」
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『……レムが、いないんだ』
『俺がもっと賢くて、俺がもっと力があって、俺がもっと自分を惜しまずに、一番先頭で体を張ってれば……避けられたはずなんだよ』
『そうやって、信じなきゃ……どうにかできる方法があるんだって、信じなきゃ……』
『俺は……!もう、レムみたいに誰も失いたくないんだよぉ――ッ!』
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「...ぁ」
それは、子供の慟哭であった。
小さな、幼い子供が──目をぎゅっとつぶり、全身を震わせて脅威から逃げるような。
そう、彼は──ナツキ・スバルはずっと子供だった。
まだ大人の庇護下にあるべき子供が、いきなりこんな世界に駆り出されて。
弱音を吐くことも、身勝手な契約により禁じられて。
もう彼はずっと──
「スバル……スバル、ごめん、ね……」
エミリアの瞳に映るスバルの姿は、まだまだ幼い子供だった。
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『子どもじゃ、ないさね』
『泣いて、喚いて、嫌だってごねて、全部一人で抱え込んで……これじゃ、まるで』
『――一人ぼっちの、子どもじゃないさね』
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「スバル殿...」
ヴィルヘルムが痛ましく瞳を伏せる。
彼の弱さも強さも知っているつもりだったが──彼はまだまだ子供だったのだ。
輝かしい笑顔の裏に、泣きたくなる音が──響いていたのだ。