「人的補償」は、明らかに「矛盾した」制度である。
そもそも「FA制度」は、「ドラフト制度」を補完するシステムとして導入された。
NPBやMLBのようなクローズドリーグでは、選手の獲得を「自由競争」にすると金満球団がいい選手をどんどん獲得して、リーグ戦はずっと強いチーム。弱いチームが固定されてしまう。
2リーグ分立から1965年のドラフト施行までの15年を見れば、セ・リーグは巨人が11回優勝し、パ・リーグは南海が7回、西鉄が5回優勝していた。この間優勝したのはセが巨人、阪神、中日、松竹の4球団だけ、パは南海、西鉄、毎日(大毎)、東映の4球団だけだった。
ドラフト制の導入以降に、その他の球団もすべて初優勝を果たした。日本のドラフト制度は完全ウェーバー制ではなく、不完全なものではあったが、それでも「戦力均衡化」という意味では劇的な役割を果たした。

しかしドラフト制度は「好きな球団に入団する」という「職業選択の自由」を侵害していると言う議論が根強くあった。MLBの選手たちは「自由に移籍できる権利」を訴えてストライキをするなど抗議活動を行い「FA権」を確立させた。
日本の「FA制度」もこれに準じて導入された。その精神は「選手は自由に移籍することができるべき」というものだ。
MLBの場合、移籍先の球団は移籍元の球団に「移籍金」を支払う。またそれとともに「ドラフトでの上位指名権」も譲渡する。
しかしNPBの場合、ドラフトは完全ウェーバー制ではないので「指名権の譲渡」はできない。そこで大物選手のFA移籍に際して「人的補償」という制度ができたのだ。移籍元の球団は移籍先の支配下選手70人の内、プロテクトされた28人を除く42人の中から、獲得する選手を選ぶことができる。
「人的補償」は極めて理不尽だ。まず、どの選手がプロテクトされているかは選手に知らされない。ある日突然「人的補償になったから」と通告される。その上に、選手にはそれを拒否する権利はない。
フリーエージェント規約には
人的補償に指名された選手がこれを拒否した場合、その選手は資格停止選手となる
と明記されている。該当する選手はいきなり「移籍するかクビか」の決断を迫られるのだ。
この制度が「移籍の自由」を求めるFA制度の派生で生まれたのは、理不尽としか言いようがない。
ただ、この悲劇が「選手の移籍」が非常にネガティブな問題、と受け止められている日本球界独特の問題であることは、間違いがないところだ。
いずれにしても「人的補償」は、かなり不健康な制度だとは言えるだろう。
私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!
↓
好評発売中!

https://amzn.to/47hJdhC
2021年山本由伸、全登板成績【投手五冠にリーグ優勝に金メダル】

NPBやMLBのようなクローズドリーグでは、選手の獲得を「自由競争」にすると金満球団がいい選手をどんどん獲得して、リーグ戦はずっと強いチーム。弱いチームが固定されてしまう。
2リーグ分立から1965年のドラフト施行までの15年を見れば、セ・リーグは巨人が11回優勝し、パ・リーグは南海が7回、西鉄が5回優勝していた。この間優勝したのはセが巨人、阪神、中日、松竹の4球団だけ、パは南海、西鉄、毎日(大毎)、東映の4球団だけだった。
ドラフト制の導入以降に、その他の球団もすべて初優勝を果たした。日本のドラフト制度は完全ウェーバー制ではなく、不完全なものではあったが、それでも「戦力均衡化」という意味では劇的な役割を果たした。
しかしドラフト制度は「好きな球団に入団する」という「職業選択の自由」を侵害していると言う議論が根強くあった。MLBの選手たちは「自由に移籍できる権利」を訴えてストライキをするなど抗議活動を行い「FA権」を確立させた。
日本の「FA制度」もこれに準じて導入された。その精神は「選手は自由に移籍することができるべき」というものだ。
MLBの場合、移籍先の球団は移籍元の球団に「移籍金」を支払う。またそれとともに「ドラフトでの上位指名権」も譲渡する。
しかしNPBの場合、ドラフトは完全ウェーバー制ではないので「指名権の譲渡」はできない。そこで大物選手のFA移籍に際して「人的補償」という制度ができたのだ。移籍元の球団は移籍先の支配下選手70人の内、プロテクトされた28人を除く42人の中から、獲得する選手を選ぶことができる。
「人的補償」は極めて理不尽だ。まず、どの選手がプロテクトされているかは選手に知らされない。ある日突然「人的補償になったから」と通告される。その上に、選手にはそれを拒否する権利はない。
フリーエージェント規約には
人的補償に指名された選手がこれを拒否した場合、その選手は資格停止選手となる
と明記されている。該当する選手はいきなり「移籍するかクビか」の決断を迫られるのだ。
この制度が「移籍の自由」を求めるFA制度の派生で生まれたのは、理不尽としか言いようがない。
ただ、この悲劇が「選手の移籍」が非常にネガティブな問題、と受け止められている日本球界独特の問題であることは、間違いがないところだ。
いずれにしても「人的補償」は、かなり不健康な制度だとは言えるだろう。
私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!
↓
好評発売中!
https://amzn.to/47hJdhC
2021年山本由伸、全登板成績【投手五冠にリーグ優勝に金メダル】
コメント
コメント一覧
プロテクト外になっているとか現役ドラフトもそうですが、その候補になってると本人には球団が伝えるべきだと思います。
鳥谷敬が引退後、日本プロ野球選手は他のプロスポーツ選手と比べて(おそらくサッカーなんかと比較?)選択の自由がなさすぎるって言っていたのを思い出します。
その辺がFAなんかももっとオープンに自動的にFAとかにしないと、なんか日本的隠ぺい体質というのか嫌な制度ですね。
だから人的補償はええ制度や、とはならない。
ただ、今はどの球団もそれなりに財政は健全化し、環境面でも大きな差もなありません。選手もこの球団は行きたくない、みたいなのはないかと思います。現在の状況だったら、思い切って人的保証を全面的に廃止して、保証は獲得した際の年俸に応じた補償金のみに変更してもいいかもしれませんね。
〇年契約って言うのが「〇年で契約満了になる」のではなく、「〇年間は年俸を保証するが、その後も金額に関係なく球団側が選手の保有権を持つ」ということを意味するなんて、異常だし不健全。
FA(フリーエージェント)という言葉の意味をNPBは理解してないんじゃないかと。
同感です。
https://gendai.media/articles/-/122867
今流行りの言葉だと「とうとう出たね」になるのでしょうか。
和田のルールを無視した拒否、リストの有名無実化…
問題が一気に表出する形となった今回のすったもんだかと思います。
ソフトバンクにはペナルティ与えるべきでしょうが、うやむやになってしまいそう
まあ、明日考えます。