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最悪な事実/Novel by 春風

最悪な事実

3,410 character(s)6 mins

この話が描きたくてこのシリーズ始めたようなものって言えるくらい描きたかった!
人によっては面白くないって思うかもしれません。
ごめんなさい!
次回からはレムが抜けてフレデリカが入ります。
帝国編ではアベルとセシルス入れようかな。
最近長かったけど今回は短いです。
これでフォロワー減っちゃったらどうしよう…😭

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『俺は寝っ転がってて、エミリアたんは正座中。んでもって、この距離で頭の下に天国のような感触があることを念頭に入れると……』
『そんな変な確認しなくても膝枕よ。寝心地、悪くない?』
『俺がどんだけ安らかな眠りに落ちてたと思ってるの?悪いわけないじゃん。頑張った報酬としてこれ以上ないじゃん』
『えーっと、色々とどうなったか聞いていい?』
『色々とどうなってるのか聞きたいのは私の方なのに。……スバルが竜車から取り上げた魔鉱石が爆発したあとのことよね。もう、大変だったんだから』

「…スバル…」
「本当に、大変だったのよ?スバル。スバルの方が、大変だったとは思うけど」

『ひょっとして、俺ってかなり長いこと寝てたり?』
『四、五時間ぐらいだと思う。対話鏡がなかったら、きっと急いで王都に向かって治癒術師を探してた頃だったかもしれないわね』
『じゃ、みんな合流してるってことかな』
『フェリスもそうだし……ユリウスも、ね。私、すごーく驚いちゃった。スバルとユリウスが一緒にいるなんて想像もできなかったから』
『そこには山より碧く、海よりも青い理由があるんだよ、エミリアたん。一から説明するのも、ぶっちゃけ気が滅入るというかなんというか……』

「本当にすごーく驚いたんだから。ユリウスと、仲良くできるって思ってなくて…」
「…まあ、あの別れ方ならそう思うのも仕方ないかしら」
「全くです、ベアトリス様。」

『長いこと、夢でも見てた気分だ……』
『悪い夢を……いや、違うな』
『いい夢、だった?』
『いい、リアルだった』
『どれぐらい、話は聞いてる?』
『ほとんどなんにも聞いてないの。ユリウスが、スバルから聞くようにって』

「いい、リアル…」
「大将はさすがッだなァ!」
「そうなのよ!」

『あの日、君は俺に『どうして』って聞いたよな。どうして助けてくれるのか。どうしてそんなに色々頑張るのか。どうしてなのか、って』
『うん、聞いた。そしたら、スバルは私がスバルを助けたからって。……でも、私はそんなことしてない。全然できてない。私はスバルに助けられてばっかりで、なんにもしてあげられなくて。それなのに、スバルは私のためだって傷付いて……』
『あのときの俺は、自分のことばっかりだった。認めるよ。俺は君のためって言いながら、『君のために頑張る自分』ってやつに酔ってただけだ。そうやって酔っ払って振舞ってれば、君はそれを受け入れてくれると勝手に思ってた』
『ごめんな。俺は君を利用して、悦に浸ってた。あのときの言葉は全部、正しかったよ。俺が間違ってた。……でも、間違ってなかったこともある』
『君を助けたい。君の力になりたい。それは本気で本当で、嘘じゃない』
『……うん、わかってる』
『どうして、私を助けてくれるの?』
『――エミリアが好きだから、俺は君の力になりたいんだ』
『わ、私……ハーフエルフ』
『知ってるよ』
『銀色の髪で、ハーフエルフで……魔女と見た目が一緒だからって、色んな人から疎まれるし嫌われてるの。ホントに、すごい、嫌われてるの』
『見てた。知ってる。見る目のねぇ奴らだよ』
『人付き合いの経験が少ないから友達とかいないの。世間知らずだから変なこと言っちゃうこともあるし……あと、契約の関係でほとんど毎日髪型とか違うし、王様にならなきゃいけない理由だって……すごく、すごーく自分勝手で……』
『エミリアが誰になんと言われて、自分で自分をどう思っていようと、俺は君が好きだよ。大好きだ。超好きだ。ずっと隣にいたい。ずっと手を繋いでたい』
『君が自分の嫌いなところを十個言うなら、俺は君の好きなところを二千個言う』
『俺は君をそうやって、俺の『特別扱い』したいんだ』

エミリアが、息を吸って、涙を堪える。
「スバル…スバル…!」
堪えきれない涙は嗚咽となって口から漏れる。
「私も…スバルを…」

『……されて嬉しい特別扱いなんて、生まれて初めて』
『どうして、二千個なの?』
『俺の気持ちを表現するのに、百倍じゃ足りねぇからだよ』
『嬉しい。本当に、嬉しい。誰かに好きだなんて、言ってもらえる日がくるなんて考えたこともなかったから』
『私、どうしたらいいの?スバルがそうやって、私に気持ちを伝えてくれてるのに……私、なにをしたらいいのかわからないの』
『焦んなくていいよ。別にすぐに答えを欲しがっちゃいないから。いずれちゃんとした形で、しかもOKもらうのは俺の中で決定事項なんだし』
『いいの、かな。私が……私なんかが、こんな嬉しいことばっかりもらって。こんなに幸せな気持ちで、贅沢な思いで……』
『いいじゃん、しようよ贅沢。幸せなんかいくらあったって困りゃしないんだし、溢れ返って余ったら配ったらいいさ』
『ゆっくりでいいよ、エミリア。ゆっくりじっくりのんびりと、俺を好きになってくれたらいい。君の隣を歩きながら、君をメロメロにできるように頑張るから』

「…うん、スバル、私は」
エミリアが言葉を口にしようとした時、電気がバチンと消えた。
「ぇ」
「っ!エミリア、ベティーの手を掴むかしら!」
「う、うん!皆も、近くの人と手を…!」
「ロズワール様!」
「オットー兄ィ!」
「クルシュ様!」
ガタガタと人の動く音が響く。
「…ベアトリス、これって」
「…ベティーの想像が正しいなら、これは」
電気がつき、エミリアは周りを見渡す。
変わりはないように見えた。
だが、ひとつの違和感が。
「…皆、レムは、どこ?」
「レムさん…ですか?」
クルシュが、毅然とした話し方ではなく、弱々しい声で。
「…え?」
エミリアの横で、ベアトリスが唇を噛む。
「こ、れは…」
「ベアトリス、これって…」
「エミリア、エミリアはどこまで記憶があるのかしら」
「どこまで…?えっと…」
「ヴォラキアに行った記憶は?」
「う、うん。ある、けど」
その先の、帰ってからの記憶がぼんやりとしている。
「じゃあ、青髪の娘が暴食の被害にあったことも覚えているのよ?」
「…おぼえて、る」
「それは、先程まで明確に覚えていたかしら?」
「…そ、れは」
首を縦には振れなかった。
レムを見て、エミリアに違和感はたしかに宿っていた。
だが、帝国であった時のレムではなく、スバルの話す…暴食に食われた人格のレムがそこに居たことを、エミリアは不思議と思わなかったのだ。
「…記憶に、霧がかかったみたいに…」
「…そもそも、この部屋では魔法が使えなくなっているのよ。これだけの人間を…そこそこの戦力をひとつの空間に閉じ込め、魔法を使えなくさせる。並の存在ができることでは無いかしら。…その上に、恐らく」
「記憶が…改竄されてる?」
「そうなのよ、スバルが眠らされていて、しかもスバルの死に戻りは知ることが叶わない。それなのに今までのスバルの人生を上映できている。そこから導き出される答えは」
「…まさか」
声が、響く。
「暴食の被害に遭われた方に関しましては、目が覚めるまで映像の視聴のできない場所へ隔離させて頂いています。代わりに、1人、人を送ります」
また、バチンと電気が消える。
そして、つく。
新たに現れた気配に、ガーフィールが振り向く。
「ッ!…姉貴…!?」
意識を失い、倒れた状態のフレデリカがそこに。
「…これ、だけのことを…どうやって」
「方法は分からないのよ、ただ、一つだけわかることがあるかしら。」
「分かること…?」
「青髪の娘…レムの記憶を失う前の姿をわざわざ用意して、べティーたちの記憶を改竄して、何がしたいと思うかしら?」
「…え、っと」
「答えはひとつなのよ、スバルの人生の追体験かしら。この部屋の主は、ベティー達に、スバルと同じ気持ちを味合わせようとしているのよ。わざわざ記憶を弄っているのもそのためかしら」
「さっきまで隣にいた人間を思い出せない。そんな気味の悪さを、スバルの記憶を通して、ベティー達にも体験させようとしているのよ」
「お待ちくださいベアトリス様、そうだとしても、こんなこと一体誰ができるというのです?」
「…誰かまでは、ベティーにだって分からないかしら。ただ、こんなことが出来るのは、魔女か、それに準ずるなにか以外に、ありえないのよ」
無情にも、声が響く。
『――レムって、誰のこと?』

Comments

  • レイラ
    Mar 28th
  • シン
    November 10, 2024
  • kohiru touto  
    October 26, 2024
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