米国人向けエボラ施設に猛反発 ケニアで周辺住民が大規模デモ
ナニュキ、ケニア、6月2日 (AP) ー ケニア中部のナニュキにある空軍基地内周辺で1日、基地内にエボラ出血熱に感染した米国人向けの隔離施設が設置される予定を受けて、数百人規模の若者らによる抗議デモが発生した。参加者らは「エボラ反対」のスローガンを連呼しながら基地の門前まで行進し、周辺の道路にバリケードを築いて火を放つなどして激しく抗議した。 ケニアの高裁は5月30日、ケニア弁護士会と憲法監視団体が申し立てた訴えの審理が終わるまで、同施設の設置および外国人患者の受け入れを一時的に差し止める命令を下した。両団体は、ケニアの脆弱な医療体制を挙げ、「外国人のエボラ患者を国内で隔離すべきではない」と主張していた。 米政府高官が先月28日に匿名を条件に明らかにした計画によると、米国は海外でウイルスに暴露した自国市民を本国へ空送せず、ケニアの新施設に搬送することを計画。ライキピア空軍基地内に、1日までに50床の隔離病床を備えた施設を稼働させる予定だった。 ケニアのアデン・デュアレ保健相は31日、この隔離施設について「全人類のためのものであり、米国人専用ではない」と釈明した。しかし、地元指導者や住民らは「事前の説明や協議が一切なかった」と猛反発。基地内では多くの地域住民が働いており、地域への感染拡大リスクを懸念している。 ナニュキを抱えるライキピア郡の若者リーダーは「米国人は芯から利己的だ。自国の都合をケニアに押し付けている」と非難。別のデモ参加者は、基地内に小学校があるとして子供たちへの影響に恐怖を表明。「ケニアの大統領を名乗る人物は、こうした小さな子供たちのことすら考えていない」と、配慮を欠いた計画に深い悲しみと怒りを示した。 一方、ルビオ米国務長官は声明で、ケニアのエボラ出血熱対策への備えとして1350万ドル(約21億円)を拠出する意向を示している。 現在、ケニア国内でエボラ出血熱の感染例は確認されていない。しかし、隣国ウガンダでは9人の感染が報告され、コンゴ民主共和国との国境が封鎖された。コンゴでは、現時点で有効な治療薬やワクチンがない「ブンディブギョ型」のエボラウイルスによる確定症例が少なくとも282例、疑い例は1000例を超えており、周辺国で緊張が高まっている。 (日本語翻訳・編集 アフロ)