寝不足は飲酒時のように作業能力が低下
また、これまでの多くの研究にて、睡眠不足は人の反応を鈍くし、思考力、判断力、意思決定力、記憶などを低下させ、ミスや事故の可能性を高くすることがわかっています。
ある大学の研究で行われた睡眠不足と安全性に関する調査でも、24時間勤務のシフトが組まれた医学実習生の方が、16時間勤務のシフトが組まれた実習生よりも、重大な過ちを犯す可能性は36%も高く、さらに患者の死につながる過失を犯す確率が300%高くなることが報告されました(※2)。
国内でも、中小企業の労働者2800人を対象とした調査で、不眠のある群はない群と比較した際、不眠がある群は業務中の怪我の経験が多いという報告がされています(※3)。適切な睡眠がとれていなければ、安全に働くため、あるいは能力を発揮するための仕事に求められる覚醒度が維持できません。
さらに、オーストラリアで行われた実験では、睡眠不足ではアルコール摂取時と同じように作業能力が低下するという結果が報告されています。起床後、昼寝をせずに17時間を超えると、課題対応能力が血中アルコール濃度0.05%の酒気帯び運転と同等レベルまで低下することが明らかになっているのです(※4)。
たとえば、6時に起床した人が、23時まで仕事を続けた場合、酔っぱらいながら作業をしていることと同じような状態になるので、クオリティの高い生産物が生み出せるとは考えられません。ましてや車を運転していれば飲酒運転をしているのと同じことになり、危険です。
人間が人間らしくあるための機能の大部分に関与している脳の前頭連合野という部分の働きが睡眠不足によって低下することは、ありとあらゆる生活行動に悪影響を及ぼします。ですので、睡眠は脳だけでなく、心身の健康維持としてとても重要な意味をもつ生活習慣なのです。
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