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謝るには遅すぎたから/Novel by 春風

謝るには遅すぎたから

3,836 character(s)7 mins

ちょっとド鬱な展開になってきましたね...!
筆が進みます!
それにしても、自分を殺した人と暮らせるスバルくん強いですね。
スバルくんよく人にドン引きしてたりしますが「1番やべぇのお前だよ」というお気持ちです。
母とリゼロ見ると毎回「この子まだ高校生なんだよ」「...うわぁ」「大人なら耐えられるかも」「無理に決まってるでしょ」の会話をします。
うさぎのシーンは「大人だろうが無理だわ!」と叫んでました。
ベアトリスが出ると「かわいい!」って言っててスバルくんがベアトリス褒めると「褒めれるのはいいことだよ」って言っててベアトリス好きなんだな...と思いました。

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スバルが絶望するのが目に映る。
「スバル...」
「...スバルが死んだのは、魔獣による呪いかしら」
ベアトリスが口を開く。
「スバルが魔獣を何とかしようと奔走してたのが史実...スバルが変えた未来なら、おかしくは無い話なのよ」
「...そう、よね!きっと、今回で...」
レムは絶望する。
なぜなら、スバルが起きてこの言葉を言ったなんて、レムの記憶にはなかったから。

さっき見た光景とは少し違う、でも大部分は同じルートをたどっている。
パックのモフり権、エミリアの呼び名、ロズワールとの初対面。
そして朝食の席での徽章の価値とエミリアの立場の説明。
不自然でないとはいえないがスバルは同じ行動を頑張ってたどっていた。
ラムがスバルへ渡す仕事の量を増やしてはいたが。

「...ロズワール、スバルとお風呂って入った?」
「...いや、記憶にありませんね」
「それ、って、今回もダメってこと?」
「...魔獣を何とかしなければならないと、この時点でのスバルは気づけていないのよ」
「いッくら大将とはいえ、一回で気づくのはそりゃァ無理じゃねェか?」
「...そうですね、スバルくんとはいえ、魔獣に気づくのは...」
各々が考察を口にし、やがて黙る。
眠ったまま死ぬのは、おそらく衰弱死。
それでも、苦しんで死ぬよりはマシだと思ってしまう。
スバルの傷つく姿は見たくないから。

ラムやエミリアが文字を教えて、平和に時は過ぎる。
だが、急にスバルは眠気と寒気に襲われ、床に手を着く。

「スバル!?」
「呪いが発動したのよ!」
「前回は寝てたからスバルきゅんは寝たまま衰弱して死んだ...でも今回は起きてる。起きたまま苦しまなきゃいけないってことなんだよ」
フェリスが少し硬い表情で言う。

こんなに苦しい思いをしてもなお、スバルはエミリアのことを考えていた。
「エミリアが危ない」そう思って、エミリアの部屋へ向かう。

「...なに、この音...耳鳴り...?でも、なんか、鎖みたいな音...」
「...!」
エミリアは気づかない。
でも、レムは最悪の可能性が頭によぎる。
もし、最愛の人を自分が殺していたら?
そんなこと、考えたくは無い。
「...大丈夫ですよね、スバルくん」
そう言って、現実から目を背ける他になかった。

きん、と金具がぶつかるような音がして、スバルはバランスを崩す。
左半身が、肩から千切れているから。
痛みともいえないそれにスバルは絶叫し、スバルはのたうち回る。
『鎖の、音が……』
それを最後に、スバルは頭蓋を砕かれる。
場面は変わり、3度目になる、初日の景色が映る。

「嘘...スバル...」
「...鎖の音、あれは魔獣じゃないのよ。つまり、魔獣以外の何かがスバルを殺したかしら」
「...それも、ナツキ・スバルが弱ってるのを知っていてなら、趣味が悪いな」
魔獣じゃない明確な何者かによる殺意。
それがロズワール邸で起こったともなれば、エミリアはそれを許せる自信がなかった。

スバルが死因が衰弱死であることを悟り、鎖の音を考察する。
ベアトリスと話し、呪いの類について知る。
変わったのは、雇う、ではなく屋敷に泊めてもらい、路銀をもらう、という頼みに変わったところだけだった。

「...やっぱり、今回もダメなのね。こんな話、した記憶が無いもの...。どうして...誰がこんな酷いこと...」
「...疑いたくは無いのよ」
エミリアは外部の人間の悪意と踏んでいる。
ベアトリスは、それが内部の人間だと、疑いつつあった。
鎖を扱う少女を、ベアトリスは1人知っていたから。

『こわいまじょ、おそろしいまじょ。そのなまえをよぶことすらおそろしい。だれもがかのじょをこうよんだ。『しっとのまじょ』と……』
嫉妬の魔女をスバルは知らなかった。
だから、それについて聞いた時に曇ったラムの心境にも気づけなかった。

「...文字が読めないのは知ってたけど、嫉妬の魔女を知らないなんて...」
「...お前も、随分と変わったかしら」
「え?なんで今?」
「昔のお前なら今の流れで落ち込んでいたのよ」
わからない、と言いたげなエミリアに少し含んだ笑みを見せるベアトリス。
ベアトリスは尚も、視界に映る青髪の少女に、少しの疑心と義憤があった。

『えーっと、それでは短い間ですが、お世話になりました』
スバルがロズワール邸を出る。
だが、街へは向かわず、エミリアの部屋がわかる位置で座る。
『エミリアたんの部屋がある、西側がよく見える。なにか異変があれば、すぐにわかるだろ』

「...スバル...自分が殺されて、どうして私を守ろうなんて...」
口に出して、エミリアは反省する。
それを言うのは、スバルへの侮辱だ。
口にしてはいけない。
「...スバル殿、それは...悪手ですぞ」
剣鬼は理解する。
明確にスバルを殺したい誰かがいるこの状況で、それは最善ではないことに。

『ロープ切断用のちっさいナイフ……ロープ切断だけで済めばいいけど』

言外に『自傷して死に戻りする』との意思が込められた言葉にオットーは眉を顰める。
「...ナツキさん、それは...」

『――――ッ!』
木が薙ぎ倒され、破壊音が乱舞する。
崖の方へ走り、ロープで落下を防ぎながら浮遊。
『見た!はぁ……ああ!見たぞ!』
木々を薙ぎ倒すモーニングスターを。

「...嘘」
「?レム...?」
「そんなこと...ありえない」
レムは顔を青くする。
気づいてしまった。
スバルを殺したのは、弱ったスバルを殺したのは。

伸びる鎖に手を伸ばし、スバルは自分を殺そうとした人間の顔を見る。
『さあ姿を見せろ、クソ野郎!その面を見るのに、一週間かけたぞコラァ!』
『――仕方ありませんね』
『何も気付かれないまま、終わっていただけるのが一番でしたのに』
『嘘だろ……レム』

その声に、顔に、皆が戦慄する。
「...レム、どうして...?」
「違う!違います!レムはこんなこと...!」
エミリアは酷く悲しい顔でレムを見る。
レムは泣きそうな顔でそれを否定する。
こんな事していない。
こんな酷いことするわけが無い。
でも、
「...スバルがお前に殺されたのなら、覚えていないに決まっているのよ」
どく、と心臓を刺されたような感覚に陥る。
ベアトリスの言葉は正しい。
そして、ベアトリスがどれだけスバルを大切に思っているか、それを知っているエミリアには、レムを庇う言葉が見つからなかった。
「...そんな、嘘...レムは...スバルくんを...」
レムは自分の言動を思い返す。
愛している、なんて。
信じてください、なんて。
なんて都合のいい言葉。

スクリーンからスバルの声が聞こえる。
レムの口から紡がれる言葉にスバルが「聞きたくない」と慟哭する。

「...ごめんなさい、スバルくん...レムは...」
絶望に、自己嫌悪に、目が泳ぐ。

右足を切断されたスバルが泣き叫ぶ。

「...違う、違うん、です...。そんな、知らなかった、から...」
首を振り、涙を流す。
もうレムには耐えられない。
もうやめて、と言ってやめられないことも知っていた。

傷を治し、鎖でスバルを激しく打つ。
スクリーンいっぱいに血飛沫が飛ぶ。
『姉様も他の誰も気付かなくても、レムだけはその臭いに気付きます!その悪臭に、咎人の残り香に、嫌悪と唾棄を抱きます』
『姉様とあなたが会話しているのを覗いているときも、レムは不安と怒りでどうにかなってしまいそうでした。姉様があんな目に遭った元凶が、その関係者が……のうのうと、レムと姉様の大事な場所に……』
『ロズワール様が歓待しろと仰るから、レムも様子を見ていました。……でも、もう監視する時間すら苦痛でならない。姉様が世話をするのを装って、あなたと親しげに振舞っているだけと知っていても!』

「...どうして...スバルくん、あなたは、どうしてレムを...こんなことをされて、どうして...」
レムにはスバルがわからない。
どうしてスバルはレムに優しくできるのか。
2度も殺され、拷問され、こんな醜悪な顔で酷い言葉を吐くレムを、どうして?
「れ、む」
エミリアはどうすればいいのか分からなかった。
だって、レムを許すことが、大丈夫よって言うことが、こんなにも難しいと思わなかった。
スバルを殺さなければ、せめて殺されるのが自分なら、あるいは許せたかもしれなかった。

喉が、抉られる。
スバルは言葉を紡ぐことも出来ず、死ぬ。
『――姉様は、優しすぎます』

エミリアは理解する。
理解したくなんてなかったが。
「...記憶に、ありません」
ラムは、そう小さく呟き、下を向く。
スバルを殺したことなんてない。
でも、スバルは死んでいる。
だから余計に分からない。
「...バルス、あなた、何を考えていたの」
そう囁く、誰にも届かない声で。
「...スバルは、お前たちのことを何回も守っていたかしら。ずっとずっと...!こんなことをされても、スバルは...!なのに、どうして...!」
それが八つ当たりであることを、ベアトリスは分かっていた。
でも、そうしないといけなかった。
レムが深く傷ついていることを知っていても、ベアトリスにはそうするしかなかったのだ。

Comments

  • 音痴のおみず
    May 6th
  • ラッチパパ

    この時のレムからしたら、スバルは魔女の香りをしたやつだからな…。敵意があるのは仕方ない。

    Apr 29th
  • ファイナルアタッカー

    ヒロインの曇らせ展開ほど最高な物はないよねやっぱり

    December 1, 2025
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