去った過ち
今回は展開を端折り、反応を多めにしたつもりです。
次回からはもっと反応を増やします!
ここからが曇りポイントですので!
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『続きを、放映します。』
声が、響く。
世界が暗転し、スクリーンが白く光る。
そこに映るのは、ロズワール邸で目覚め、廊下を彷徨うスバルの姿だった。
終わりのない廊下を彷徨い、扉を開ける。
『……なんて、心の底から腹の立つ奴なのかしら』
「...ここは、覚えているのよ」
ベアトリスが眉を顰めて呟く。
「...覚えてる、ってことはスバルは大丈夫なのよね?良かった...。確かこの後...」
エミリアが記憶を辿る。
何となく、死んでしまうような気持ちを無視しながら。
ベアトリスとスバルが会話を重ね、その会話にベアトリスが終止符を打つ。
『そろそろベティーも限界なのよ。ちょっと思い知らせてやった方がいいような気がするかしら』
マナを吸い上げ、スバルが床に伏せる。
『お前、アレだろ……人間じゃねぇな。この場合、性格的な意味じゃなく』
『にーちゃに会ってるわりには気付くのが遅かったのよ』
『一個、訂正……性格的にも、お前、人間じゃねぇや……』
『気高く貴き存在を、お前の尺度で測るんじゃないのよ、ニンゲン』
「...」
過去の自分の言葉に、ベアトリスは胸を痛める。
それに気づいたエミリアは、素早くフォローする。
「...この頃は少しつんつんしてたけど、今はすごーく仲良しだものね!本当にすごいと思うの!」
ベアトリスはそれに頬を緩める。
「...分かっているのよ」
『あら、目覚めましたわ、姉様』
『そうね、目覚めたわね、レム』
『出先で時間がわからない。そんなときに便利、無精ヒゲタイマー』
『今は陽日七時ですのよ、お客様』
『今は陽日七時になるわ、お客様』
『ほぼ丸一日寝っ放したか。まぁ、最高で五十二時間寝続けたひきこもりの俺には大したことでもねぇな』
『まあ、ろくでなしの発言ですわ。聞きました、姉様』
『ええ、穀潰しの発言ね。聞いたわよ、レム』
『んで、さっきからステレオチックに俺を責める君らは誰よ、姉様方!』
「...これは、記憶にありません」
レムが目を開き、呟く。
「...レムが覚えていないのなら、そういう事ね。バルスは、ここでも死んでいる」
ラムがそう言って、エミリアは顔を顰める。
「...そうなのね、どうして...魔獣にやられちゃった、のかしら」
『……もっと大人しく目覚めたりできなかったの?』
『わかってる! 選んだ奴はわかってるぜ、GJ!』
『……なんのことだかわからないのに、くだらないってわかるのってある意味すごーく残念なんだけど』
エミリアはその会話に瞳を伏せる。
平和な空気感が、余計にスバルの死を信じられなくするから。
スバルがラムとレムの名前を知り、エミリアと話す。
それはどれも記憶にない会話だった。
スクリーンにエミリアとスバルの平和な時間が流れる。
この後に訪れる不穏を際立たせるように。
『当主、ロズワール様がお戻りになられました。どうかお屋敷へ』
『そう。ロズワールが。……じゃ、迎えに行かないとね』
『はい。それからお客様も。目が覚めているなら、ご一緒するようにと』
『で、ロズワールってのは誰のこと?』
『この屋敷の持ち主……そっか、説明してなかったのよね』
『えっと、そうね。ロズワールは……会えばわかるわ』
『諦め早いな!そんな特徴ないの!?』
『どんな言葉を並べても無駄。ロズワール様の人となりは、ご本人に会ってご理解なさってお客様。ええ、きっと大丈夫』
『――きっと、スバルとは気が合うから。頭の痛い話だけど』
ロズワールがスバルの至近距離まで近づく。
『ごめんごめぇん。ほぉら、最初に運ばれてきた君を見たときって、もう死んじゃったみたいに血まみれで血の気も失せてたからさぁ。こうして元気に歩いてくれてるのを見ると、感慨深ぁいものがあるよねぇ』
『いやいや、こんなでも意外と切れ者みたいなのがお約束だし……』
『あはぁ、嬉しい評価だねぇ。もっとまじまじと、見つめてくれてもいいよ?切れ者な感じがするかい?どーぉ?』
『ま、まさか……俺が下がらざるを得ないだと!?俺よりキャラが濃いとか尋常じゃねぇ……日常生活に支障きたすぞ!?』
『私からしたらどっちもどっちよ、もう』
スバルとロズワールがわちゃわちゃと会話を繰り返す。
「い〜やぁ、何とも気味の悪い感覚だ〜ぁね」
覚えていない会話なのに自分ならこの言葉を選ぶという確信。
その気色悪さにロズワールは笑う。
平和に進んでいく映像。
食卓を囲み、国についての説明をし、屋敷で雇ってくれと頼む。
その後、ラムとレムとわちゃわちゃと仕事をする。
平和、としか形容できない光景だった。
『――ベティーには関係のないことよ』とベアトリスの言葉だけは不穏だったが。
『そう、ナツキ・スバル――今日、男になります!』
それを驚いた顔で双子が見る。
『なーんーだーよー!いたのかよー!恥ずかしいじゃねぇか、声かけろよ!うわ、うわ、うーわー、マジ恥ずかしー!』
『姉様、姉様、なんだかずいぶんと親しげな挨拶されましたわ』
『レム、レム、なんだかやたらと馴れ馴れしい挨拶をされたわ』
「...待って、これって」
エミリアは気づく。
違和感。
まるで、昨日までの全てを切りとったような。
『姉様、姉様、どうやら少し混乱されているようですわ、お客様』
『レム、レム、なにやら頭がおかしくなってるみたいね、お客様』
『二人、とも……はは、冗談きついぜ。そん、な、こと……』
手のひらを見て、気づく。
傷が、ない。
「そんな...ナツキさん、何が...」
「...これは...」
オットーやユリウスは驚愕に顔を歪める。
眠っただけで死んだ。
何がトリガーか分からなかったから。
「...スバル、ごめんなさい、なのよ...」
ベアトリスだけは、その死の理由を何となく察していた。
シリアスな気持ちで読んでたら唐突に滅びの呪文が出てきて吹いた