地域のお産支え100年 藤盛医院(青森県弘前市)31日閉院 隣接病院で婦人科継続
約100年にわたり地域のお産を支えてきた青森県弘前市品川町の産婦人科「藤盛医院」が31日で閉院する。出生数の減少や建物設備の老朽化などを踏まえ、4代目の藤盛嘉章院長(65)が自身の代で閉院することを決めた。産科医療の一線からは退くものの、隣接する「鳴海病院」に事業譲渡し、藤盛院長は6月から同病院婦人科の医師として女性の健康をサポートする。 同医院は1927年、藤盛院長の祖母が開業。伯母、母に次いで自身は97年に院長を継いだ。緊急帝王切開の際などは地域の産科開業医たちと助け合い、高次医療施設や他診療科の開業医らとも連携を取って診療を続けてきた。「助けてくれる仲間、地域のネットワークがあって30年やってこられた」と語る。 ただ、少子化で出生数が減少する中、お産に対応するための人件費や経費は高騰。各地の産科クリニックで大きな負担になっている。同医院は冷暖房設備の老朽化なども重なり、診療継続を断念した。 「寂しさはあるが、これも時代の流れ」と藤盛院長。閉院を知り、かつて同医院で出産した女性たちがあいさつに訪れたり、県外から手紙をよこしたりしたという。「藤盛医院を覚えていて、名残を惜しんでくれる人がいるのはうれしい」と目尻を下げる。 今月25日には同医院で最後となるお産があり、3100グラムの女の子を取り上げた。「最後だからどうということはない。いつでも、みんな、一人一人が特別な赤ちゃんだ」 厚生労働省によると、藤盛医院の閉院により同市で分娩(ぶんべん)を取り扱う病院・診療所は計6施設となる。