不正を断った。
上司に指示された補助金の不正書類を作ることを、拒んだ。
公益通報した。
市は15人を処分した。
しかし復職後、
処分を受けた職員と同じフロアに配置された。
保護措置は、何もなかった。
2020年6月、自宅で死亡しているのが見つかった。
28歳だった。
2020年6月、和歌山市。
「和歌山市公益通報者自殺事件」。
岩橋良浩さんは2015年4月に和歌山市職員として採用され、2018年5月に青少年課に異動した。担当となった児童館で交付金の不正手続きを命じられたことを苦に休職し、同年8月に公益通報を行った。市は約1900万円の不正支出があったとして2020年2月に職員15人を懲戒処分とした。同年4月の人事異動で、処分された職員と同じフロアで勤務することになり、同年6月に自宅で死亡しているのが見つかった。当時28歳だった。
良浩さんはどんな人だったのか。
母・啓子さんは語った。
「息子は不正があった市役所を変えたかったのだと思う。市が問題と向き合うよう、息子の遺志を継ぎたい」
市役所を良くしたかった。
そのために不正を告発した28歳だった。
何が起きたのか。
2018年5月、児童館で上司から不正な補助金申請の書類作成を指示された。これに従わず、心身に不調をきたして休職。同年8月に市の外部窓口に公益通報を行った。
不正を断った。
心身が壊れた。
それでも公益通報した。
市は動いた。15人を処分した。
しかし良浩さんへの保護措置は、何もなかった。
しかし、この事件には「もう一つの顔」がある。
2018年10月に別の部署で復職したが、2020年4月の人事異動で、不正に関わったとして懲戒処分を受けた職員と同室での勤務とされた。
自分が告発した相手と、同じ部屋にされた。
公益通報者保護法があった。
しかし市は保護措置を一切とらなかった。
告発した。
守られなかった。
告発した相手と同じ部屋にされた。
死んだ。
市長のコメントは
「訴状が届いていないため、コメントは差し控える」
だった。
息子が死んだ。
市長の答えは「コメントは差し控える」だった。
現在の状況(裁判進行中)
2025年6月12日、両親が市に計約8800万円の損害賠償を求めて和歌山地裁に提訴した。裁判は現在進行中。判決は出ていない。
弁護士は指摘した。
「公益通報後に不利益がないように全力で守るというメッセージを伝える必要があったが、行われていなかった」
公益通報者保護法があった。
保護措置はゼロだった。
告発した相手と同じ部屋にした。
28歳が死んだ。
「市役所を変えたかった」と母親は語った。
その息子の遺志を市は今も法廷で争っている。
あなたは、不正を告発して守られなかった28歳の死に対し「コメントは差し控える」と言った市に、何を思いますか。
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