――今は専業漫画家ということですが、会社を辞めることに抵抗感はありましたか?
雪永 はい。連載デビューが決まったことをきっかけに会社は退職しましたが、たしかに会社を辞めるときには抵抗感もありました。ですが、僕が働いていた会社は外資系で退職を前提とした環境だったので、他の方と比べると抵抗感は弱かったかもしれません。それに、僕自身も仕事が退屈になってきていて、新しい刺激が欲しかったというのもあります。
主人公はサラリーマン
――いま描かれている『サツドウ』という作品も、暗殺者である主人公がサラリーマンでもあるという点がユニークですね。
雪永 そうですね。やはり、サラリーマンを主人公にしたほうが描く側にとっても読む側にとっても身近に感じられるのかなと思っています。特に、僕の場合は社会人経験が多少ありますので、そういう意味でも描きやすさはありました。
『サツドウ』の1話の冒頭では、主人公の赤森が仕事を押し付けられまくって周りに利用されているという描写もあるのですが、そういうことも自分が実際に見たことがあるようなことを基にしていますね。
作中でも、会議や面接のシーンなどを描いています。コメディーチックなので、もちろん実際にあったことそのままというようなことではないのですが、自分の経験はかなり活きていると思いますね。特に連載がヤングマガジンという媒体なので、読者の方もサラリーマンの方は多いのかなということで親和性があると思っています。
――雪永さんはIT系の会社に勤められてきましたが、『サツドウ』の主人公が勤めている会社をお菓子メーカーという設定ですね。
雪永 最初はIT系の会社を考えていたんですが、読者にとって馴染みがないかもしれないと思い、お菓子メーカーにしました。また、企画会議などのシーンが描きやすいというのも一因です。お菓子の新商品を考えるというのは、想像力を働かせて楽しいですし、読者にとっても面白いのではと思いました。