ポテトチップスが白黒になった。カルビーが包装から色を落としたのは、石油由来の印刷インクが届かなくなる前に手を打つためだ。小池百合子東京都知事は「非常にメッセージ力があった」と評した。企業の意思表示が、政治の言葉よりも速く社会に届く。
シンナーや塗料など石油由来製品をめぐり「量はある」「現場には届かない」という論争が続く。政権批判派と擁護派の応酬では不毛だ。ホルムズ海峡危機は確実に日本の産業と生活をむしばむ。乗り越える経路を示すのが政治の役割だ。
5月25日、高市早苗首相は補正予算案を編成し、来週にも国会に提出すると表明した。何のために組むかが問われる。政権は「強い経済」を掲げる。ガソリン高騰の緩和や夏の電気・ガス代支援は家計の痛み止めだが、鎮痛剤は病気そのものを治さない。