内閣府は2026年1~3月期の国内総生産(GDP・季節調整済み)速報値を公表した。物価変動の影響を除く実質で、2四半期連続でプラス成長となった。中東情勢の緊迫化が懸念される中、エネルギー価格抑制策で景気を下支えするため、政府は3兆円規模の補正予算を今国会で打つ。

 1~3月期GDPは実質で0・5%増(対前期比)、2・1%増(年率換算)となった。今期実質GDPの内訳(年率換算)は民間消費1・1%、住宅投資2・1%、設備投資1・1%、政府消費0・4%、公共投資5・7%、輸出7・1%、輸入1・9%だった。

 民間消費は、対前期比の推移(25年1~3月期から26年1~3月期まで。以下同じ)をみると、0・7%、0・2%、0・5%、0・0%となり、低率ながらも順調に伸びているが、今期は0・2%と伸びが鈍化したままだ。

 住宅投資は3期連続マイナスで、7~9月期は▲8・1%と大きく落ち込んだが、前期ではそのリバウンドでプラスに転じ、5・0%だった。今期は0・5%と落ち着いた。

 設備投資の推移についても、0・7%、1・2%、▲0・1%、1・4%に次いで今期0・3%とまずまずだった。

 一方、公的部門をみると、政府消費については▲0・2%、0・7%、0・1%、0・4%で推移し、今期0・1%とそれなりだ。公共投資は▲0・8%、0・4%、▲1・1%、▲0・2%と散々だったが、今期は1・4%と久々にいい数字だった。

 前期までは、公共投資が内需の足を引っ張っていたが、これは緊縮財政のためだ。そこで高市政権では昨年12月に一般会計総額18・3兆円の補正予算を打った。これは成長投資を柱としており、コロナ禍後では最大規模の経済対策だ。その効果が公共投資に出た。

 それとともに、円安による輸出主導のGDP増加もある。円安に批判は多いが、GDP増加で税収を増やし、さらに雇用を拡大させ、株価も上げるので、なぜ悪い政策なのか、筆者にはさっぱり分からない。円安は「近隣窮乏化」として古今東西知られているが、他国が文句を言うのは理解するが、日本から文句を言われる筋合いはない。

 本コラムの読者であれば、失われた20年の大きな要因は、マネー不足と公共投資不足であると断じていることをご存じだろう。マネー不足は政策に落とせば金融緩和不足であり、その是正の中で円安は起こる。

 公共投資不足は緊縮財政によるので、責任ある積極財政の出番となるし、円安も経済成長のために必要だ。

(たかはし・よういち=嘉悦大教授)

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