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【時代を映す制服 学校編】 (上) 《茨城・時代を映す制服 学校編》(上) 刷新 多様性への対応進む デザイン、生徒に託す

水戸市立第五中の新制服(中央)の検討の中心的な役割を果たした前生徒会役員の生徒たち=同市堀町
水戸市立第五中の新制服(中央)の検討の中心的な役割を果たした前生徒会役員の生徒たち=同市堀町


生徒や教員、卒業生、保護者の思いがこもった学校制服。転換点を迎える令和の制服事情を探った。

緑がかった青色の、ベストとスカートが一体となったジャンパースカート。50年以上にわたり親しまれてきた県立水戸二高の夏服が、2023年を最後に水戸の街から姿を消した。

同校は22年度の入学生から、夏冬両方の制服を一新した。新しい夏服は、白のワイシャツにベストやセーターを羽織るスタイル。六つのボタンが左右2列に並ぶ冬服のジャケットは、伝統の濃紺色をそのままに二つボタンに改めた。ジャンパースカートもやめ、スカートまたはスラックスを選べるようにした。洗濯機で洗えるのも特徴だ。

7年前、創立120周年に合わせ、生徒たちが中心となって新制服に向けて動き出した。歴史を調べ、全校生徒に制服について尋ねるアンケートを実施。「夏服は汗じみが目立つ」「ジェンダー対応や、将来の男子生徒のためにもスラックスは必要」など変更を望む声が過半数を占めた。

歴史も引き継いだ。旧夏服の色をネクタイとリボンの色に反映。かわいさも追求し、スカートとスラックスには細かな柄を入れた。複数のデザイン案から「新制服総選挙」を行って決めた。正木昇校長は「生徒たちは未来の二高生のことを真剣に考えていた」と振り返る。

▽ランウェイ

県立岩瀬高(桜川市)も今春、制服を刷新した。デザインは男女共通で、性別を問わずスラックスも選べるようになった。

各学校で性の多様性への対応が進む。県教委によると、23年の調査で制服のある県立高92校のうち90校が、多様性に配慮した制服が「ある」と回答。残る2校も26年までに対処した。

少子化で生徒獲得競争が激化する中、制服のファッション性を高める動きもある。東風高(かすみがうら市)は今春、パーカーや黒シャツ、黄色みを帯びた薄い茶色のジャケットの制服を新たに取り入れた。

同校は新制服を決めるファッションショーを実施。生徒自ら10種類以上の制服を着て、体育館の〝ランウェイ〟を歩き、全校生徒の意見を集めた。大崎弘美校長は「日本は制服文化。SNS(交流サイト)で評判になり、志願者数にいい影響を与えた」と喜ぶ。

▽プレゼント

制服見直しの動きは、中学校にも広がる。

高萩市の公立中学校3校は今春、統一制服を導入した。詰め襟学生服やセーラー服は、男女共通の黒色のブレザーに変更。スカートとスラックスも選べ、ネクタイやリボンをなくし、男女の固定観念を取り払った。大量発注で価格も抑えた。導入した市立秋山中では、旧制服は税別で女子4万2450円、男子4万7000円。新制服は3万4500円で、保護者の負担を減らした。

来年度から新制服を導入する水戸市立第五中では、リボンとネクタイの色柄や形、制服に付けるエンブレムのデザインを生徒たちに託した。制服本体のデザインは教員や地域住民で決めたが、興野庄一校長は「子どもたちが着る制服だからこそ、子どもたちにも任せたかった」と語る。

生徒会を中心に、自分たちが着られなくても「後輩へのプレゼント」との思いで向き合った。当時の生徒会役員は「後輩たちにはかわいい制服を着て、学校生活を楽しんでほしい」と声を弾ませる。開校から66年目で初めて制服が変わる。興野校長は願う。「生徒たちがおじいちゃんやおばあちゃんになっても、新制服の記憶や思いを地域で伝え続けてほしい」



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