大阪市議会の財政総務委員会で22日、大阪都構想の制度設計を担う法定協議会の設置議案が質疑を経て可決された。質問に立った5会派のうち、最大会派の大阪維新の会を除く4会派はいずれも議案に反対。都構想の住民投票と来春の統一地方選の同日実施などを巡り「結論ありき」「議論を尽くせるのか」と批判を展開した。
最初に質問に立った維新の高山美佳氏は「副首都・大阪として十分に力を発揮できる体制にすべきだ」と都構想の意義を強調。統一地方選との同日実施を念頭に「大きなプロジェクトを進めていくのであれば、ゴールを決めるのは当然」とした上で「どれだけ密度の高い協議を行い、市民に判断材料を示せるかが重要だ」と述べた。
都構想は大阪市を廃止して特別区に再編する統治機構改革。特別区設置の利点について、市側は「広域行政が(府に)一元化され、意思決定などに関する権限と責任が明確になる」と説明した。
一方、他会派からは、過去2回の住民投票で否決された都構想に再び挑戦することに批判と懸念が相次いだ。
「結論ありき」
公明党の西徳人氏は、統一地方選との同日実施について「ゴールを設定していることが問題だ。結論ありきのスケジュールで強引に進めることは、市民感情をないがしろにしている」と非難した。「短期間で過去2回を上回る制度設計ができるのか」と追及した。
公明側の質問に横山英幸市長(維新代表代行)は「与えられた任期内で都構想の実現を目指すことは政治家の責務だ。スピード感を持って最大限取り組む」と応じた。
西氏は、住民投票後の特別区への移行に数年単位の時間を要する都構想にこだわることで、副首都の指定を巡り他の自治体に「先を越されるのでは」と懸念を示したが、横山氏は法定協での設計図作りを進める考えを示すにとどめた。
自民党の前田和彦氏は質疑を通じ、過去2回のケースでは法定協設置から住民投票まで2~3年余りかかっていることを確認。来春の住民投票を目指すとなれば、議論の時間は実質半年程度しかないとして「非常にタイトな日程で、議論が尽くせない場合もある」と問題視した。
横山氏は、令和2年の前回では新型コロナウイルスの感染拡大などが影響し、単純に比較できないと主張。「過去2回議論してきて、議論の素地は蓄積されている。スケジュール通り進めていくことに集中したい」とした。
自国くらしの藤原洋一氏は「大阪市再編ありきだ。市民がいま求めているのは、物価高対策や生活支援など今の暮らしへの対応ではないか」と訴えた。共産党の井上浩氏は都構想について「百害あって一利なし」と断じた。