ノーマルの加速はこんなもんだ
ろ。
RZ350は手足のように自由自在
に走ってくれた。活き活きと。
とても出来の良いバイクだった。
よく曲がり、よく走り、よく止
まった。
RZ350は1981年秋に購入した。
キャッシュで。バイト複数かけ
もちしてたら金はあった。当時
の大卒初任給の倍ほどの月収が
あった。
RZはおもちゃのように扱えて、
かつ総合力がとても優れていた。
パワーが凄い等々が今の時代に
はよく云われるが、さほどハイ
パワーではない。すでに1970年
代前半でマッハ350が45PSを出
していた。当時クラス最高出力。
曲がらない車だが。
RZ350あたりのパワーで驚く人
たちは、現代のトロいのがデフ
ォとなった「とっつぁんバイク」
(1970年代用語)のような遅い二
輪に慣れ過ぎてしまっているか
らだ。100km/hの投手の球しか
知らない人たちは150km/hの球
は異次元に感じるのと同じだ。
RZシリーズは350が中心に開発
されたモデルで、特筆すべきは
そのハンドリングこそにあった。
下が結構スカっている250も350
同様ハンドリングは頭抜けて良
かった。
RZはバンク旋回途中でも自由に
ラインを変更できた。
RZ350はパワー曲線は決してピ
ーキーではなく、案外思ったよ
りもなだらかだった。レーサー
とは大きく異なる。
5500rpmにトルクの谷あり。
メーター読みは、針が目盛りを
振り切るので速度は分からない。
メーター表示で200位置程(実
速190前後程か)は楽に出ていた。
TZ350には最高速などは遥か及
ばないが。
東名でも東関でも180を超えて
遥か下まで速度計の針は行って
いた。
RZの1型の唯一の欠点はフロン
ト周りのやわさ。
ハードにブレーキングしながら
コーナーに突っ込むとヨレヨレ
だった。
前後ダンロップTT100を履いて
いたが、史上初のハイグリップ
タイヤのバトラックスが誕生し
てすぐに私は履かせた。
バトラックス1型は未完成のタ
イヤだった。
TT100はRZで前後輪ドリフトさ
せても、滑り出しが感知しやす
いとても優れたタイヤだった。
スリックタイヤが普及するまで
はレーシングマシンのタイヤは
TT100が定番だったが、とても
優れたタイヤだ。
だが、一番最初のバトラックス
は、滑り出しの接地感が得られ
ず、グーッと粘ってよくグリッ
プするのだが、いきなりズッと
スリップした。とてもコントロ
ールしにくいタイヤだった。ス
リックとも違う感触。私には扱
い難かった。コントローラブル
ではないので。
RZ350は正直いって、当時の開
発未完の超ハイグリップタイヤ
よりもTT100のほうが適性は合
っていた。
TT100は高校時代からレーシン
グマシンにも街乗りバイクにも
前後とも履かせていたが、とて
も信頼のおけるタイヤだった。
1970年代中期~1980年代初期
当時は。