東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場

「今回のAIバブル」は必ず破裂するが、なぜ今も膨らみ続けなかなか破裂しないのか? 今年崩壊に至る「2つのシナリオ」とは

17分で読める
閣議を開催するトランプ大統領。6月14日には80歳の誕生日を迎える(写真:ブルームバーグ)
  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授

INDEX

バブルが膨らむ理由と、破裂しない理由は、重なっているが異なる。分けて考える必要がある。

しかし、どちらの話も、ほぼ語り尽くした。この連載でも、「『トランプ大統領の終わり』と『アメリカ社会バブルの終わり』――今はこの2つが同時進行している」(4月4日配信)で議論は終わっている。この記事は、私の議論であるが、おそらく客観的にも正しい。問題は、それでもバブルがはじける気配すら見せず、さらに膨らみ続けているようにさえ見えることだ。

「バブルではない」と言っているのは「2人」だけ

私の株式市場以外の予想は、ほぼすべて当たっている。それは私だけでなく、ほぼすべての普通に観察している人々にとってそうである。つまり、世界の地政学、外交、政治、社会、経済、すべて、世の中は完全に私や良識的な人々の予想どおりに悪くなっているが、悪くなっていないのは株式市場だけ(および一部の類似のリスク資産市場)である。

現在、この世で、間違ったことを言っている人は「2人」だけである。
1人目は「報道」。しかし、「彼」は、アメリカのドナルド・トランプ大統領が言ったことを報じなければいけないので仕方がない。

では2人目は、というと「株式市場」と「株式市場関係者」だ。「市場関係者」は、気づかずにバブルに踊っている人々と、確信犯で自分が参加しているバブルを膨らませるために「報道」を利用している人々がいる。

後者は、報道のネタを利用して、意図的にバブルを膨らませている人々である。報道が伝えたネタを都合よく解釈して、市場がそれを利用してバブルを膨らませることを促し、同時に、「市場関係者の話」として、バブルが膨らむことを正当化するようなストーリーを「報道」にネタとして与える。

2/7 PAGES

だから、トランプ大統領が「間もなく終戦する」という発言で、バブルは膨らみ、その終戦どころか停戦も遠のくと、その事実は「報道」はされるが、市場関係者にはほぼ無視され、市場はそれを素通りする。もう一度、停戦の可能性が復活したという「報道」は利用され、バブルは膨らむ。

同じネタが何回も使われ、停戦、終戦の株式市場への効果は実際の影響の4倍となり(停戦ネタを4回、四重に利用するから)、さらに実際の終戦が起きれば、大幅上昇し、膨らませた市場関係者たちは、そこで売り抜け、「あとのことは知らない」となるのが、今後、いつか起こることである。

「債券」関係者にとって、今の株式市場はバブル状態

1つ注意すべきことは、これは市場や市場関係者ではなく、「株式」市場、「株式」市場関係者である。現在「バブルだ」と言っているのは、株式以外の市場関係者の多くであり、とりわけ「債券」関係者は、現在の株式市場をはっきり「バブルだ」と言い切っている。

有名投資家の発言を、ニューヨークタイムズは、こう報じている。東洋経済オンライン「AIブームが『ITバブル』」とは違うこれだけの理由。投資対象が偏っている点は変わらないが…」 (有料会員限定記事、2025年12月13日配信)から一部を引用してみよう。

「バブルが起きるのは、誰もが『価格は絶対に下がらない』と信じ込んだときだ」。ベンチャーキャピタリストのベン・ホロウィッツは、電子メールでの取材に対し、こう指摘した。「私たちがバブルの渦中にいない最も明確なサインは、誰もがバブルについて語っているという事実にある」

彼は、株式市場関係者であり、バブルについて語っている「誰もが」とは、債券市場関係者およびバブルを外から見ているバブル「非関係者」である。そして、ホロウィッツ氏を始め株式関係者は、「AI関連は、誰もが『価格は絶対に下がらない』と信じ込んでいる」。

すなわち、今起きているのは「分断バブル」である。

3/7 PAGES

それは、分断され、隔離された世界の中でだけ起きているバブルなのである。いわばバブル風船の中と外の世界は、分断されているのである。その世界の中の人々、バブルの風船の中にいる人々は、バブルでないと言い張り、バブルを内側から膨らませて、乱痴気パーティを続けている。バブルという風船を外から見ている人々は、火事の延焼が広がる様に、急激に膨らんで自分たちに迫ってきているのに、怒り、怯え、逃げだそうとしている。

しかし、バブル風船の中のバブルという猛毒は、少しずつ染み出してきている。経済は悪いのに、マクロの数値で見るアメリカの景気が悪くならない現象は、K字型経済と呼ばれている。富裕層のバブルによる利益と興奮により、その「おこぼれ」のカネと彼らのハイテンションのムードもあふれ出てきてしまっているからである。

ITバブルよりも「はるかに悪いバブル」であるワケ

分断を難しくしている要因に、AIブームとAIバブルが重なっていることがある。

AIブームとAIバブルは別物であり、AIブームは、世の中の分断を起こしてはいない。AIの発展の加速のうち、AIという技術に直接かかわっている人たちとその企業の一部はブームではあるが、それは経済に直接影響し、投資も雇用も生み出す可能性がある。ブームが終われば、負の影響を当然もたらす。分断ではなく、社会と一体である。

AIバブルは、AIブームを利用して、分断されている株式バブルの世界の領域を膨張させた。しかし致命的な罪は、バブル風船の中の毒気をAIブームに送り込み、AIブームと社会は分断されていないために、健全な経済、社会も中毒化しつつあることだ。

例えば、日本株でいえば、三井金属、フジクラ、味の素など、AIに関連付けらる企業ならば、何でもよかった。今や、次の侵略先を求めて暴れまわっている。分断されていたバブルが、もう一つの世界を覆おうとして、膨張を加速している。これが現局面である。

つまり、AIバブルはITバブルよりも、はるかに条件の悪い、タチも悪いバブルなのである。これは、一般的な認識と異なる。

一般的な主張は「AIバブルはITバブルとまったく違う、リーマンショックともまったく違う。だから、本物であり、バブルでなくブームである」というものである。これは100%間違いだ。なぜそう言えるのか。

4/7 PAGES

第1に、この主張をする人々は、バブルの中にいる人々である。利害からのポジショントークもあるし、実際バブルがはじけると困るので、それを信じたくないという無意識の力も働いている。

第2に、ブームとバブルが同時に起きているが、これは多くのバブルで見られる典型的な現象である。ITバブルがまさにそうだし、19世紀半ばの鉄道ブーム、19世紀末から20世紀のバブルも電気などの第二次産業革命による。

冷戦後の大きなバブルの波の中の「最後の巨大バブル」

第3に、前述のニューヨークタイムズの記事にあるように、ITバブルは有象無象のスタートアップ、今回は、かつてGAFAM、その後、マグニフィセント7、いまやそれにオープンAIなどのAI勢、関連する半導体勢を加えた超大企業がバブルになっているから、倒産はしないし、財務的には盤石の背景がある、と主張されているが、これはまったく逆である。

バブルの籠に乗っている、カネ、モノ、ヒト、時間とエネルギーが、ITバブル時と比べ物にならないくらい膨大である。データセンターも電力も、そうである。バブルが崩壊すると、これらの多くが無駄になり、過剰設備になる。1980年代の日本のバブルと同じだ。だから、失う財産が今度はとてつもなく大きいのである。それは倒産しなくても、失われる時価総額、実物資産への埋没投資額、実体のあるものが大きく毀損するのであるから、とてつもないダメージとなる。

第4に、ITバブルは、アメリカの長期停滞の後に起きた。オイルショックが起きた73年以降停滞し、80年代も実体経済はなかなかよくならず、株式の死の79年を底に、少しずつ低位から上がってきた後のバブルである。

だから、まだまだ序の口のうちに崩壊した。しかし、今回は、90年の冷戦終結後の中期の大きなバブルの波の中の、最後のバブルである。ITバブル、サブプライムバブル、量的緩和バブル、コロナバブル、財政バブル、これらが全部累積したバブルが、さらにAIによって膨らまされたバブルなので、とてつもなく膨らんでいる。だから、崩壊したら、ほとんど立ち直れない。時間がかかるし、失ったエネルギーはとんでもない質・量である。

第5に、今はインフレが起きている中でのバブルである。これはやっかいだ。金利を下げられない。金融緩和もできない。財政も苦しいし、長期金利が上がっている中で、財政出動をしないといけない。バブル崩壊後の救済がほとんどできないだろう。

第6に、第5と同じであるが、インフレというのは、バブルにとって、投資というものにとって、もっとも致命的に打撃をもたらすものである。一般には金利が最重要と思われているが、そうではない。インフレのほうが打撃の広さ、深さはとてつもない。インフレで不況で、資産市場が暴落していると、完全な八方ふさがりであり、救いがないのである(「今は『すべての投資』をやめるとき、2026年は『投資は死んだ』と言われる『歴史的な年』になる、2026年5月2日配信、も参照)。

5/7 PAGES

そして、最後に最も重要なのは、最も一般的に言及されるこのことである。つまり、AIバブルは、リーマンショックとの違いとして「銀行システムは巻き込まれていない、金融システム不安にはならない」という主張である。これこそ決定的に違う。

金融システムは実は危ない、という意味ではない。プライベートクレジットは危ないし、1980年代の日本のバブルも、銀行の外のノンバンク危機がメインだったから、シャドウバンクが危ないのは銀行システムが危ないのと同じだ。これらの危険性も重要な話であり、プライベートクレジットのリスクは、予想よりも連鎖的に膨らむからダメージは大きいとは思うが、ここではもっと重大で決定的な問題がある。

今回のバブルは社会そのものを巻き込んでいる

不動産バブルが困るのは、必ず銀行セクターを巻き込むからであり、かつ、金融市場バブルであっても実体経済は別だ、という場合であっても、不動産は金融市場と実体経済をつないでいるから、金融バブルが不動産バブルを伴うと、実体経済にもバブルは侵入してきて、破綻したときは、経済、社会全体が被害をこうむり、しりぬぐいは税金で行われるからだ。80年代の日本も、リーマンショックもそのため影響が大きかった。今回は、銀行セクターではなく、もっと大事なものが巻き込まれてしまっているのだ。

つまり、今回のバブルは「分断バブル」である。バブルというものは、常に分断なのではある。分断された、囲われた場所にカネが流れ込み、その場所が膨張し、最後はそれに耐えられず破裂する、もしくは、途中で穴が抜け、急速にしぼむ。

しかし、いつも分断が起きていて、分断はバブルの本質であるにもかかわらず、あえて「分断バブル」と名前を付けて呼ばなければいけないほど、AI関連の一部の世界が異常に膨張している。しかし、それは前述したように、染み出てきている。こちらの世界に浸水している。いや、それは加速し、洪水となり押し寄せてきている。

分断であり、バブルであぶく銭を手に入れたのちに、こちらに洪水となり溢れてきて、カネがあふれてきたと、こちらの人々が群がってしまった。

つまり、銀行システムを巻き込んでいない、金融システムを巻き込んでいない。しかし、もっともっと重要で核心であり最重要である、社会そのものを巻き込んでしまっているのだ。

例えば、高校生が1兆円企業を日本でも目指すようになった。それが夢であり、この夢は何よりも正しくかっこいい夢だと社会でも思われている。起業家になって「1兆円」企業、あるいはアメリカで起業して「1兆ドル」企業を目指します、などというと社会がほめてくれる。「俺は山師になって、大儲けするんだ」、と言ったら詐欺容疑で尋問されるかもしれないのに、物は言いようだ。

6/7 PAGES

つまり、分断により異常に膨らんだ、バブル精神、バブル文化が、本当は健全だった社会をバブル中毒に陥れてしまっているのであり、バブル崩壊後は、バブル内部の人々は自業自得、あるいは散々いい思いをしたが、外にいて洪水に巻き込まれた間抜けな人々は、夢を見続けるか悪夢を見ているか、いずれかの中毒患者になってしまうのである。だから、このAIバブルは最悪なのだ。

26年「AIバブル崩壊」の「2つのシナリオ」

最後につけたしを。このバブルは、必ず2026年内に崩壊する。理由は、トランプ大統領が中間選挙の劣勢を見て、弾劾裁判を避けようと、とんでもない手段に訴える。これが「シナリオ1」。「シナリオ2」は、普通に分断の内部からバブルの人々が逃げ出す。オープンAIも年内上場、そして、イーロン・マスク氏はスペースXを慌てて6月に上場しようとしている。テスラが崩壊する前に。つまり、このラストチャンスを逃せば、バブル崩壊の紙くずを誰にも押し付けられなくなるから、社会に広く洪水被害を広げようとラッシュしているのである。

さらに、最後の最後に、今後、改めて議論すべきことを1つ。インターネットは社会インフラであるが、AIはインフラではない。ここは、独自に議論すべき論点だが、インフラだと思っている人々は間違いだ。

AIがインフラになるときは、AIはあくまで道具であり、最終意思決定は人間が行う、と言っているが、それが本当なら、AIはインフラではなく道具だ。AIがインフラになる、ということは、「AIが神になる、あるいは、人間の意思を支配する」ということである。専門家がどんなに四の五の言っていてもインフラであるならば、それは人間社会を支配するインフラになる。

となると、人間社会は滅びる。もし、インフラでないとすれば、単に優れた道具であり、もっともすぐれた道具、1つだけが生き残る。数百兆円の時価総額を持つAI企業は複数あるが、要は、1つ以外は、価値ゼロになる。

そもそも、インターネットそのもので儲けた人はいない。公共インフラだからだ。それをうまく利用して儲けた人々と企業があるだけだ。AIがインフラになるなら、神となり人間を支配するか、あるいは、タダで営利とは違う世界になるか、どちらかである。AIそのもので儲けが出るということは、道具にすぎず、その場合は、1つのAI以外は無価値となる。

そして、儲かる企業はAIという道具をうまく使った企業だが、そうなると、これまでの企業間競争と何も変わらない。どの広告代理店がいちばん儲かるか、という競争と同じであり、限られたパイを奪い合うだけである。

だから、すべてのAIのにおいのする企業の株価が暴騰した分はトータルでは元に戻る。株価が2倍になる企業と半分になる企業とイーブンのはずで、市場時価総額は変わらないはずだ(非上場企業や中小企業をつぶして儲かる、というのはある。アマゾン・ドットコムが中小の小売り起業をつぶしたように)。

さらに、AIというのは高度な技術の塊であり、進歩は始まったばかりでかつ急速であるから、普通に考えれば、現在存在するAIはすべて次世代のAIに駆逐されるはずだ。だから、すべてのAI企業の価値はゼロになる。GAFAMのように、プラットフォームなどと称して、先んじて占有しているだけで儲かるシステムなわけではない。

だから、今のAI企業のほとんどは紙くずになるのである(本編はここで終了です。この後は競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。

7/7 PAGES

競馬である。日本ダービー(5月31日、東京競馬場第11レース、芝コース、距離2400m、G1)である。

24日に行われた3歳牝馬クラシックのオークス(東京競馬場、芝コース、距離2400m)予想は、この持ち回り連載筆者であるかんべえ氏(溜池通信代表)に大完敗だった。しかも、彼の友人とともに、「小幡理論」、つまり「オークスは距離ではなく気性」を全面的に否定されてしまった。

しかし、ギャンブラーとしては確かに完敗だが、あのオークスは、むしろ小幡理論の正しさを示す絶好のレースだったのである。

なぜ、「桜花賞(距離1600m)馬」のスターアニスが負けたのかというと、まさに距離ではなく気性に負けたからである。一般的には、気性がカッカしているような牝馬は、かかってしまうから、結果的に距離の長めのレースでは負けてしまう。だから、この馬は距離が持たない。スタミナがない。と片付けてしまう。これはまったくの間違いだ。

スターアニスが負けたのは、距離ではなくスローペースなのである。もし強力な逃げ馬がいて、びゅんびゅん飛ばしたような場合には、スターアニスは前半かからず、最後の鮮やかな差し脚が見られただろう。その場合は、ハイペースの2400mだから、スタミナがより必要とされるレースとなったはずだが、それならスターアニスはもっと善戦したはずなのである。

鞍上の松山弘平騎手がコメントしているように、オークスでは今までになくレース前から気が入ってしまっていた、という。距離ではないと言っている。かつて、史上最強の牝馬、ウォッカ(2007年、牡馬が中心となる日本ダービーに64年ぶりに牝馬で勝利)は、まさにオークスではなく日本ダービーに出た。スローペースのオークスよりも、ペースが流れ、実力勝負となる、気性の勝負にならない日本ダービーを選んで、勝ってしまったのである。

距離と気性は区別するべきである。オークスを勝っても、古馬になってからマイルばかり使う牝馬は多くいる。彼女たちは距離適性からマイルを選ぶのだ。スターアニスの、秋華賞(3歳牝馬3冠目のクラシック、距離2000m)での巻き返し、エリザベス女王杯(3歳以上の最強牝馬決定戦、距離2200m)での走りを期待したい。

さて、オークスは、今村聖奈騎手という女性騎手が勝ったことで大騒ぎになっており、勝ったジュウリョクピエロは秋の凱旋門賞に登録していることから「今村騎手に凱旋門を経験させろ」、という雰囲気が盛り上がっているようであるが、私は強く反対する。

今村騎手のオークスでの騎乗は素晴らしかったし、彼女も「ジュウリョクピエロを」いちばん知っているのは私だ」と思って、自信を持って乗った、ということで、それはすばらしい。

しかし、それは日本国内、ホームグラウンドでの話である。凱旋門賞は、ホームのフランスはもちろん、他の欧州の騎手、馬主、調教師に、「日本馬包囲網」を築かれる世界であり、まったく通用しない。ディープインパクトは武豊騎手の騎乗でよかったと思うが、それにしても、武豊騎手でなければ、あれだけ日本のファンとメディアが押しかけることはなかった。静かにフランスの騎手を乗せ、フランスの調教師と提携して出走させていれば、結果は違った可能性がある。

また、オルフェーヴルが12年に2着に敗れたとき、日本では主戦だった池添謙一騎手が「自分だったら、内側に切れ込むことが予想できて、それを防止して、直線で差されることはなかった」という思いがあったようだ。だが、冷たいようだが、もし池添騎手だったら、直線で先頭に立っていたかどうかはわからない。

私が言いたいのは、池添騎手や今村騎手の能力のことを言っているのではなく、すべては馬優先主義、ということなのである。日本で女性騎手初のクラシック制覇は重要ではなく、ジュウリョクピエロというすばらしい馬が実力を発揮して勝つことが重要なのである。

はっきり言えば、騎手も調教師も馬主も、誰でもいいのだ。競馬はすべて生産にある。「日本生産馬が勝つ。強い」ということが競馬界の発展のすべてなのである。ノーザンテースト、サンデーサイレンス、ディープインパクト、この3頭が日本の競馬界を発展させたのである。だから、凱旋門賞を勝ちに行くならば、生産地以外は、国籍にこだわるのは、すべて間違いである。

さて、日本ダービーは、日本競馬史上もっとも偉大なことが起こるかもしれない、ということで、これに夢を賭けたい。

コンジェスタス(3枠6番)。

彼が勝てば、「父仔3代」に渡って、無敗のダービー馬の誕生ということになる。この血統、この血脈を育てた生産者こそが、日本競馬界においてもっとも尊敬されるべき偉業、ということになる。

祖父(ディープインパクト)と父(コントレイル)は、無敗のまま3歳クラシック3冠を達成した馬である。コンジェスタスは、残念ながら1冠目の皐月賞には出走しなかったが、この日本ダービーを勝ち、秋の3冠目の菊花賞も勝って、父仔三代に渡っての、無敗のダービー馬、無敗の菊花賞馬、という偉業の達成を期待したい。

※ 次回の筆者はかんべえ(吉崎達彦)さんで、掲載は6月6日(土)の予定です(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資