航空大学の女子枠 性差別以外にも広がる問題点
女子枠に関しては、主に理系学部に女性の比率を増やすという政策のもと、複数の大学で女子枠が拡大している。
その流れを受けて、航空大学校においても女子枠を設定する動きがあり、数多くの問題提起がなされている。
確かに、現役の女性パイロットの割合は約1・9%、航空大学校の在学生も約400人のうち、女性は約4%とかなり数は少なく、これから大量に定年を迎える人材の補完のためには、女性もパイロットになってほしいという要望は理解できる。
もちろん、これに対しては男女差別であるとの指摘を数多くされているが、本件においては、女子枠を設置する事によって様々な部分で影響を与える懸念が考えられる。
だが、それを触れる前に女子枠があることによる、性差別的問題点そのものを軽く見ていくこととしよう。
女子枠の内容に関して
まず、本件で定めた女子枠に関して改めて見てみることとしよう。
内容については、下記の通りである。
総合重視型という筆記試験なしの選考方法
女子枠が関連する試験内容としては、従来の筆記試験をなくし、人物重視の総合型と呼ばれる評価によって採用するかどうかを決めるとしている。
その中で、適性なども加味されるとはいえ、男子はいろいろな試験を受けなくてはならないのに、女性は学力すら問われない。
試験の公平性が疑われるのは言うまでもないだろう。
元々の定員枠を削って女子を入れる従来型の女子枠批判
本件もほかの分野で見られる女子枠の例にもれず、女性の枠が増えることで、従来の一般枠が削られる形だ。
当然、従来の試験においても女性は受験できるため、枠が削られる分、男性はより不利益を被る形となる。
本来なら、十分合格できる男性がいたとしても、枠があるために不合格になる男性が出てくることで、より差別感情は強まるだろう。
しかも、難関とされる航空大学においてこのような差別的措置を取っているのだから、なおのことだ。
質の担保がないことによる、重大事故へのつながり
本来スキルがないものは排除されるだろうと頃、無理に入れることによって重大な事故につながりやすくなるということも懸念される。
上記事件は、「ケンダル・スワンソン」というパイロットが起こした事故なのだが、DEI(多様性・公平性・包括性)を理由に採用されたと判明している。
しかし、彼女は収益チェックライド(業務適性確認のための試験飛行)に何度も失敗している状況であり、同僚のパイロットですら同乗を拒絶する事態となっていて、試験もスケジュールも再設定しないといけないほどだった。
本当なら彼女は別の道を行くべきだったのだろうが、女子枠は排除ルートを通らずに、あらかじめ善意で舗装したルートを通らせてしまう危険がある。
枠を作るうえ発生するさらなる問題点
本件は従来の女子枠批判も当てはまる事例だが、本件は単なる枠の問題だけではない。
ここからは、枠を作る際に起こった問題点をさらに深堀りする。
身長制限の撤廃と危険性
従来、入学要件には身長制限(158センチ以上、数年前は163㎝以上)はあったのだが、8年度の募集要件から撤廃されている。
これがなぜ設定されていたのかといえば、航空機の規格に合わないことや、安全性の問題が挙げられる。
例えば、身長が足りないことによって、ハンドルや各種計器だけではなく、ラダー操作にも影響が出る。
また、身長が低いと窓の設計の関係上、特に着陸時に前方確認がしにくいという問題があり、身長はある程度あることを前提としている。
もちろん、身長制限は必ずしも設定されているわけではないが、操縦するのに手足が届かないことにより操作が難しい場合には、航空会社側が個別に判断することも書かれている。
https://www.faa.gov/ame_guide/app_process/exam_tech/item21-22?utm_source=chatgpt.com
身長制限撤廃は、日本人女性の平均身長を鑑みたものと考えられる。
さて、なぜこの身長制限を撤廃したのかだが、それは日本人女性の平均身長が、ちょうど身長制限ギリギリという点があげられよう。
見ての通り、女性の身長は158cm付近なのが確認できよう。
つまり、女性の何割か(半分近く?)はそもそも受験資格がないという状況であり、この制限によって女性が入れないことを念頭に考えられたのだ。
従来なら適性検査の段階ではじかれる内容だったが、前述した操作が困難になる部分も事実上緩和して入学させるということも意味している。
単なる学力だけではなく、身体的な能力においても女性に不利益な部分は撤廃させ、より女性を優遇しようという意図だと考えられる。
英語スキルの問題
また、単なる操作技術だけではなく、パイロットには英語を話すスキルも求められる。
国際線はもちろんのこと、国内線でも英語スキルは必須であり、専門用語など英語で会話されるため英語が話せないとなかなか厳しい。
単に定型的なやりとりだけではなく、海外の人とも接することがある。
英語スキルは単なる知識だけではなく、会話スキルや文章読解などかなり高度なものが求められるだろう。
「女子枠で英語力の基準が下がらないか」という懸念もあり、万が一英語のレベルが低い女性が入学することで、その後苦労することも考えられる。
国交省側は書類選考の際にTOEICスコアなどを参照するとしているが、枠を埋めるということを鑑みるに、従来のレベルからして基準に満たさないものも入ってくるという可能性は十分あるだろう。
大学に入ってから英語もやるのかもしれないが、それだけで本当にカバーできるのだろうか?
基本的な学力を試験で問わないというのは、こういったリスクをはらんでいる。
女子枠選定におけるダイバーシティなどの欠如
最後に、本件女子枠の決定に関して、選定委員が非常に偏った人選をされているのも問題といえよう。
その陣容などを見ることで、この問題は最初から結論ありきだという批判も加えられる。
選考委員はすべて女性
女子枠設置にあたり、「操縦士・航空整備士の女性活躍推進WG」が設置されているのだが、そのグループ内の委員はすべて女性である。
ここには男性や性別以外にもさまざまな属性の意見が入っていることはなく、完全に女性側で取り決めがされている。
女子枠などを設置する際には、よく多様性やダイバーシティといったような文言が出てくるのと同時に、世の中のことは男性ばかりが決めているなどと多様性がないことを指摘する声も観たことがあるだろう。
しかし、この取り決めにおいては、女性ばかりという時点でそういった建前はどこかに消えてしまったようだ。
パブリックコメントも存在しない一方的決定
また、信じられないことに、この取り決めはパブリックコメントも存在していないというのだ。
現場からは以上のような声が上がっていますが、国土交通省は有識者会議を経てこの決定を行ったとしているものの、今回の決定については、パブリックコメントも行われず進められたという経緯があります。
これだけ重大な決定であるのなら、意見を広く国民から求めても良さそうなのだが、そういったこともなく委員会で少数の人物が決めてしまったのだ。
民主主義という観点からも、これは非常に大きな問題でもあり、多くの人の意見を無視してまで女性のことだけを一部の人間が推し進めるのはいかがなものかと考えられる。
女子枠のために、あまりに多くのものが犠牲になっている
航空大学の女子枠は、その形成過程から取り決められた内容、今後考えられる懸念などを見るに、単なる女子枠以上にあまりに多くのものを犠牲にしすぎている。
最初から結論を先に決め、なおかつ女性が入りやすいように、さまざまな不利になる要件の撤廃をする。
題目のためにまるで念仏でも唱えているかのごとく、とにかく「女性の活躍」にしか眼中になく、その上で仏敵となるような障害はすべて取り除こうとしているようだ。
そのために、単なる平等だけではなく安全性の軽視、実際の業務への支障、果ては民主主義という様々なものを破壊(破戒)する最悪の結末を迎えている。
また、女性優遇は入った後も問題が発生するだろう。
入学後~卒業試験~入社~実践という過程の中でも、女性側の比率を上げるというお題目のため、問題があっても女性優遇でそのままパスしてしまう危険性がある。
どこかで止める場面があったとして求めることができず、その先には大きな事故を発生させることになるかもしれない。
そして、この決定は既に野党になった公明党がまだ与党にいたころの話だ。
かの党はとんだ置き土産を置いて立ち去ってしまったのだが、この件についても責任を取って欲しい。



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