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SBI日本株4.3ブルはなぜ長期でもパフォーマンスがいいのか?

SBI日本株4.3ブルは、ギャンブル大好きな日本人に大人気で、2026/02/21 時点のSBI証券を確認すると、販売金額は第2位だ。

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日経にレバレッジを効かせて変動するため、令和のブラックマンデーや関税ショックを経ても、非常に良い成績をたたき出している。

この記事では、SBIの日本株4.3ブル(2017/12設定〜現在、約8年分のデータ)を参照しながら、ブル型レバレッジの逓減効果を分析する。なお、本記事では基準価額(投資信託の1口あたりの時価。株式でいう株価に相当し、設定時は通常10,000からスタートする)を、以下NAVと表記する。

この商品は何か

SBI日本株4.3ブルは、日経平均株価の日次リターンの4.3倍を目標とするブル型ファンドである。

  • 毎営業日、先物・スワップ等でエクスポージャーを基準価額の4.3倍に調整する(日次リバランス)

  • 目標は「日次リターンの4.3倍」であり、「一定期間のリターンの4.3倍」ではない

  • 2営業日以上保有した場合のリターンは、日経平均リターンの4.3倍からは必然的に乖離する

この「4.3倍からの乖離」が良い方向にも悪い方向にも働く。

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商品概要(交付目論見書より)

目論見書には「保有期間が2日以上となった場合の投資成果は、同期間中の株式市場全体の値動きと比較し概ね4.3倍程度とはなりません」「一般的に長期間の投資には向かず、比較的短期間の市況の値動きを捉えるための投資に向いている金融商品です」と明記されている。

ベア3.8が3年の信託期間で償還されるのとは対照的に、ブル4.3xは2017年の設定から延長を繰り返すことで8年超の運用を実現している。

目論見書の数値例: 基準価額の変動にかかる留意事項

目論見書には「概ね4.3倍程度とはなりません」の具体例が示されている。

(例1) 株式市場が基準日の翌日に10%上昇し、 翌々日に前日比で10%下落した場合

1つ目は、株式市場が翌日に+10%上昇し、翌々日に前日比-10%下落した場合。

ブルの場合、初日のインデックス上昇で+43%の143に移動。143の43%は 61.49=61.5だ。そのため、基準価額は 143-61.5 = 81.5 となる。100を大きく割り込んだ。

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(例2) 株式市場の基準日を100とし、 その後、上・下10の幅で上昇と下落を20日間繰返した場合

2つ目は、株式市場の基準日を100とし、上下10の幅で上昇と下落を20日間繰り返した場合。これは1日5ptの変動が4日周期で繰り返されるパターンで、市場は20日後に100へ戻るが、+4.3倍ファンドの基準価額は約69.9まで下落する。

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市場は100→110→90→100を4日周期で5回繰り返し、20日後に元の100に戻る。しかしファンドは100→69.9へ。約30%が消えている。

「上・下10の幅で上昇と下落を20日間繰返した」というのは、1日5ptの変動が4日周期で繰り返されるパターンで、市場は20日後に100へ戻るが、4.3ブルの基準価額は約69.9まで下落する。

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逆に、サイクルが下り基調から始まった場合の推移が以下

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「どのタイミングで高い騰落率を食らうか」の差によるもので、本質的には「往復ビンタ」による減価 という性質は変わりはない。これが、後述するvariance drain(ボラティリティ減価)の正体である。

(例3) 一方向に動き続けた場合と、上昇と下落を繰返しながら推移した場合

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株式市場が4日間で100→110へ上昇するケースを考える。毎日一定幅で上昇し続けた場合、ファンドの基準価額は148.4になる。

一方、途中で上下動を挟みながら同じ110に到達した場合、ファンドの基準価額は134.6にとどまる。市場のリターンは同じ+10%なのに、ファンドには13.8ptの差がつく。

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下落局面でも同様で、市場が4日間で100→90へ下落するケース。一方向に下落し続けた場合のファンドは62.2だが、上下動を挟みながら90に到達した場合は53.4になる。

市場のリターンは同じ-10%でも、経路が荒れるほどファンドの損失は大きくなる。

つまり、レバレッジファンドにとって最も不利なのは「行って戻る」動き、すなわちボラティリティそのものである。市場が同じ地点にたどり着いても、途中の振幅が大きいほどvariance drainが蓄積し、ファンドの成果は劣後する。逆に、一方向にトレンドが継続する局面はレバレッジが最も効率的に働く環境といえる。

日経インデックスと比べてどうだったか

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比較期間の結果(2023/07/12 〜 2026/02/20、639営業日)

日経データを取得しやすかった 2023年7月から2026年2月までのリターンを比較すると、4.3xブルの圧勝。しかし途中で-86%のドローダウンを経験しており、この商品を持ち続けるのは精神的に容易ではない。

長く持つほど勝率が下がる

2023/07〜2026/02の全営業日について、「その日に買ってN日後に売った場合、日経インデックスに勝てたか」を集計した。

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保有期間が長くなるほどインデックスに対する勝率が下がる。1ヶ月なら約6割だが、1年では46%と半数を切る。目論見書が「長期間の投資には向かず、比較的短期間の市況の値動きを捉えるための投資に向いている」と明記する根拠がここにある。variance drainは時間とともに蓄積するため、保有期間が長いほどインデックスとの差を維持しにくくなる。

では、短期で勝つにはどの局面で買えばよいのか。

買うタイミングで天と地の差

前節の局面別の優劣が示すとおり、上昇局面では4.3xブルが圧勝し、下落局面では大敗する。ここでは目論見書が示す値動きパターンに沿って、実データでの現れ方を確認する。

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単調上昇局面で買った場合(2024/01〜03)

2024年年初から3月22日まで、日経平均は33,000円台から40,000円台へ約2.5ヶ月間ほぼ一方向に上昇した。

目論見書の「株式市場が一方向に上昇を続けた場合」に相当する。トレンドが一方向に続く局面ではvariance drainが最小化され、レバレッジが最も効率的に働く。

近年の日本株はこのパターンが頻出しており(2025/05〜2026/02の+440%も同様)、4.3xブルの全期間好成績を支えた主因である。2023年後半のように上下動を挟みながらの上昇局面でもファンドは優位(+13.9% vs +4.6%)だったが、一方向上昇に比べるとレバレッジ効率は落ちる。

ボックス相場で買った場合(2024/10〜12)

2024年10月中旬から年末まで、市場は方向感なく上下動を繰り返した。

目論見書の「横ばいで上下動を繰り返す場合」に相当する。53営業日でリターンはほぼゼロだが、その間に-20.9%のドローダウンを経験している。市場が元の水準に戻っても、variance drainにより激しく振られた上で若干のマイナスが残る。ボックス圏が長く続くほど減価は蓄積していく。

暴落局面で買った場合(2024/07〜08)

日経平均がピーク(40,000円台)をつけた2024年7月11日に購入した場合。

わずか17営業日で-80%。最終日の8月5日(令和ブラックマンデー)だけでファンドは1日-56.7%を記録した。

さらに深刻なのは回復の非対称性である。-80%から元に戻るには+400%が必要で、暴落前のNAV水準を回復したのは約1年3ヶ月後の2025年10月29日。日経平均が数ヶ月で元の水準を回復する中、レバレッジファンドの回復は桁違いに遅い。

暴落後の急回復で買った場合(2024/08〜09)

令和ブラックマンデーの底(2024年8月5日)で購入できた場合。

21営業日で+132%。暴落の底はレバレッジが最も味方する局面だが、「底」は事後的にしかわからない。暴落局面で-80%のリスクを取れる投資家だけが、この反発を享受できる。

この4パターンを踏まえると、近年の4.3xブルの好成績は「日本株がトレンド継続型の上昇局面を多く経験した」ことに大きく依存している。裏を返せば、ベア3.8xの散々な結果も同じ構造で、持続的な上昇トレンドはベア型にとって最悪の環境である。

なぜこうなるのか: 数理モデル

レバレッジの複利構造

日経平均の日次リターンを r_t とすると、本ファンドの基準価額は

V_T = V_0 \times \prod_{t=1}^{T} (1 + 4.3 \times r_t)

この「毎日の掛け算」が、期間全体では4.3倍にならない原因である。

連続時間近似では、日経平均のドリフト \mu、ボラティリティ σに対し

E[\log(V_T / V_0)] \approx L \cdot \mu - \frac{L(L-1)}{2} \sigma^2

第2項 \frac{L(L-1)}{2} \sigma^2 がボラティリティ減価(variance drain)と呼ばれる項で、L=4.3 のとき

\text{variance drain} = \frac{4.3 \times 3.3}{2} \sigma^2 = 7.095 \sigma^2

日経平均の年率ボラティリティ σ=20% → 年率ドラッグ約28%。日経平均が横ばいでも、4.3xブルは年間28%ずつ減価する。

参考として、2倍レバレッジ(L=2)の場合は L(L-1)/2 = 1.0 で、4.3倍の7.095は実に約7倍。ボラティリティへの感応度が桁違いに高い。

数値例で理解する

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日経平均が+1%と-1%を毎日交互に繰り返す場合

(1 + 4.3 \times 0.01) \times (1 - 4.3 \times 0.01) = 1.043 \times 0.957 = 0.998151

1サイクル(2日)あたり-0.185%の減価。125サイクル(250営業日 = 1年)後は 0.998151^{125} \approx 0.79、約-21%。

日経平均はほぼ横ばい(-1.2%)なのに、4.3xブルは-21%。これがvariance drainの正体であり、「横ばい相場はレバレッジの敵」と言われる理由。

逆に、日経平均が毎日+0.05%で上がり続ける場合(年率+13%)

(1 + 4.3 \times 0.0005)^{250} \approx 1.71 \quad (+71\%)

(1 + 0.0005)^{250} \approx 1.13 \quad (+13\%)

実効倍率 = 71/13 = 5.5x(4.3を超える)。一方向に動く相場では正の複利が効き、4.3倍以上のリターンが得られる。

実効倍率の概念

ある期間のリターン比を「実効倍率」と呼ぶ。実データでの実効倍率を見る。

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上昇局面では5〜8xと4.3を大幅に上回り、下落局面では3〜4xと4.3を下回る傾向がある。これは数学的に必然で、上昇の複利は理論上無限に拡大できるが、下落は-100%が下限であるため、非対称に上振れする構造になっている。

局面分析

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約8年間の全期間(2017/12〜2026/02)のうち、レバレッジ特性が顕著に現れた局面を取り上げる。

コロナショック(2020/02〜03)

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直前高値9,378(1/20)からボトム1,621(3/18)まで約2ヶ月で-82.7%の壊滅的な下落。

3月9日〜13日の3営業日で-62%。3月13日の単日-32%は、日経平均の下落を4.3倍に増幅した結果である。1,621から設定時の10,000に戻るには+517%のリターンが必要で、実際に回復したのは約10ヶ月後の2021年1月。

令和ブラックマンデー(2024/07〜08)

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日銀利上げ+米景気後退懸念で、ピークの37,518(2024/07/11)からボトムの7,526(2024/08/05)まで16営業日で-80%。

8月5日の単日-57%は、日経平均-13%の理論値(4.3×-13%=-56%)にほぼ一致。翌8月6日に+41%の猛反発があったが、56%下落した後の41%上昇では10,591にしか戻らない。コロナショックの3月13日(-32%)を大幅に超える、本ファンド史上最大の単日下落。

関税ショック(2025/04)

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トランプ関税の発動と撤回の繰り返しが4.3倍に増幅された5営業日(4/7〜11)が核心。

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5営業日で上下合計134ポイント。令和BMが1日の集中的な暴落だったのに対し、関税ショックは連日の激しい往復が特徴。この往復のたびにvariance drainが蓄積し、4月末時点の日経インデックスは月間+1.2%で回復したにもかかわらず、4.3xブルは月間-12.2%の逆行となった。

2025年後半〜2026年2月: 高市政権と史上最高値更新

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政治イベントが相場を大きく動かした期間でもある。

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石破辞任(9/7)から高市総裁誕生(10/4)を経て、10月は単月+83%(日経+17%、実効倍率5.3x)と爆発的な上昇を記録。10月6日の高市総裁誕生翌営業日は1日+21%で、強いトレンドの正の複利がフルに機能した。

ただし11月には反動で-30%の急落。10月末の42,372から11月25日の29,554までドローダウンを経験。その後、解散(1/9)で+14%、選挙(2/8)翌営業日に+12%と政治イベントのたびにギャップアップし、2月10日に57,053の史上最高値に到達した。

実データから導く購入タイミングとアンチパターン

ここからが本稿の核心。2023/07〜2026/02のデータを使い、「いつ買えばインデックスに勝てるか」「いつ買うと負けるか」を統計的に検証した。

分析の前提として、購入後3ヶ月(63営業日)時点のリターンを評価基準にしている。前節で確認したとおり1年保有ではインデックスに対する勝率が46%に低下するため、3ヶ月以内の短期売買を前提とする。

エントリー条件の全体像

エントリー条件は「日経インデックスの直近60日高値からの下落率」で分類している。1日の下落率ではなく、直近高値からの累積的な位置を示す指標である。

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ボラティリティ環境(直近20日の年率換算)も購入判断に影響する。

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以下、具体的なケースごとに図を使って解説する。

狙い目1: 大暴落後の購入

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日経が直近60日高値から15%以上下落した局面で購入する。勝率100%、平均+85%、中央値+65%。分析期間中の該当営業日はわずか9日で、年に数回の暴落時にしか発生しない。

図は2025/04/07に購入したケース。関税ショック直後で60日高値から-21%の位置。3ヶ月後に4.3xブルは+160%、日経は+27%。暴落で叩き落とされたNAVが、その後の反発で爆発的なリターンを生んだ。

サンプル9件すべてでインデックスに勝っているが、注意点がある

  • サンプル数が少ない(N=9)

  • 「底」は事後的にしかわからない。大暴落後にさらに下がる可能性は常にある

  • 4.3xブルが3日連続下落した翌日に買った場合でも、翌日さらに下がる確率は35%

狙い目2: 低ボラ+上昇トレンド

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ボラティリティが年率64〜76%(中低ボラ圏)で、上昇トレンドが確認できるときに購入する。この環境は勝率69%・平均+12.2%と全ボラティリティ帯で最良。市場が落ち着いているがある程度の方向感がある環境が、この商品にとって最も有利に働く。

図は2024/01/05に購入したケース。ボラティリティ76%、日経は上昇トレンド中。3ヶ月後に4.3xブルは+106%、日経は+19%。低ボラ環境ではvariance drainが小さく、上昇トレンドの4.3倍がそのまま複利で効いた。

狙い目3: 高値圏でトレンド継続中

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60日高値から-3%以内の高値圏で、トレンドが継続中であれば購入する。勝率67%、中央値+39%。「高値で買うのは怖い」という直感に反して、高値圏の成績は良好。

図は2025/10/20に購入したケース。高市政権下で史上最高値圏。3ヶ月後に4.3xブルは+32%、日経は+9%。上昇トレンドが続いている限り、高値更新中に乗り続ける戦略は有効。

ただし、高値圏購入は明暗がはっきり分かれる。

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2024年3月(日経4万円到達)や7月(令和BM直前)の史上最高値で掴んだ場合は-24%〜-50%。トレンドの転換点と重なると致命傷になる。高値圏で買う場合は、明確なトレンド継続のシグナルがあることと、ストップロスの設定が不可欠。

回避1: 中途半端な調整で飛びつく

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高値から3〜7%の「小幅調整」局面での購入は、全分類中で最悪の結果。勝率39%、中央値-6.3%。

図は2024/07/19に購入したケース。60日高値から-5%の位置で「押し目買い」に見えた局面。3ヶ月後に4.3xブルは-46%、日経は-4%。この後に令和ブラックマンデーが来ることは当時わからなかったが、3〜7%の下落は「調整の始まり」であることが多い。

日経平均にとっての小幅調整は、4.3倍レバレッジでは-13〜-30%に増幅される。調整が深まれば損失はさらに拡大し、回復しても途中のvariance drainで戻りきらない。「ちょっと下がったから買い時」という発想は、この商品では最も危険。

回避2: 中高ボラ環境

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ボラティリティが年率76〜93%(中高ボラ圏)の環境での購入は、勝率54%・平均+1%と最悪の期待値。「そこそこ荒れている」が一方向のトレンドが明確でない環境が最も厄介で、variance drainが着実に蓄積しながらも損得がほぼゼロに収束する。

図は2024/05/20に購入したケース。ボラティリティ88%で方向感が不明確。3ヶ月後に4.3xブルは-46%、日経は-4%。ボラティリティが高い環境では、日々の大きな上下動のたびにvariance drainが蓄積し、日経が横ばいでも基準価額が削れていく。

回避3: 横ばい相場

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方向感のない横ばい相場は、variance drainの蓄積により持っているだけで基準価額が減る。

図は2024/11/06に購入したケース。日経は3ヶ月でほぼ横ばい(-2%)だが、4.3xブルは-13%。日経が動かなくても、日々の小幅な上下動(+1%/-1%の繰り返し)が4.3倍に増幅されてvariance drainを生む。レバレッジ商品は「上がるか下がるか」だけでなく、「動くか動かないか」も損益に直結する。

売却のルール

  • 3ヶ月を目安に保有期間を見直す(1年保有でインデックス勝率46%)

  • 日経が購入後に-5%動いたら損切りを検討(4.3倍では-20%超に相当)

  • 購入後に「想定と違う」と感じたら、小さい損失のうちに撤退する。一度-50%まで下がると回復に+100%が必要

付録: 数式の導出

離散モデル

V_T = V_0 \times \prod_{t=1}^{T} (1 + L \times r_t) \quad [L = 4.3]

I_T = I_0 \times \prod_{t=1}^{T} (1 + r_t) \quad [\text{日経平均}]

V_T / V_0(I_T / I_0)^L は等しくならない。これが「日次4.3倍 ≠ 期間4.3倍」の数学的根拠。

連続時間近似

E[\log(V_T / V_0)] \approx L \cdot \mu - \frac{L(L-1)}{2} \sigma^2

L = 4.3 のとき

\text{variance drain} = 7.095 \sigma^2


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variance drain係数の比較


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4.3倍は2倍の約7倍のvariance drain係数を持つ。ボラティリティ環境への感応度が桁違いに高い。

参考

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