2026/5/25の日記
光は真実を照らす心の息吹
闇は安寧をもたらす畏怖の詩
水の優しさと木漏れ日の温もり
木々は鳥に語り
草花は天の涙に濡れる
海は風に言葉を託す
高空に舞う竜の、遙かなる悲しみの内に燃える炎のように
緑の谷に咲く、自由と喜びの描く愛のように
私のすべては、この大地から芽吹くだろう
(シークエンス・パラディウムのオープニングより)
もうすぐ暦は六月になろうとしている。
まるで夏のような暑さではなく、段々と夏が近づく気配を感じる。
日中はそれなりの暑さだが、夜にもなると涼しげな風が強く、穏やかである。
散歩するにはちょうど良い気温だ。
休日にのんびりと散歩していると、心が日常の出来事から解放されていく。
何も考えずにぶらぶら散歩していると、昔のことをよく思い出す。
高校生の時、地元の陸上競技場で開かれた大会に参加した。
リレー形式で、指定のコースを周回する。
複数のチームに分かれて、私たちは走ることになった。
私の順番は、チームの一番最後だった。
結果については、覚えていない。自分のタイムも、チームの順位も。
私はいつも通り走った。
いつも通り走って、ゴールが見えてきた時だった。
私は追い抜かれた。それが誰なのかはすぐにわかった。
小学生の時からずっと一緒だった、腐れ縁のチームメイトだった。
よりによって最後の最後で、忌々しいことこの上ない。
ゴールは目の前で、最後の直線だ。
何故か無性に腹が立った私は、追い抜いてやろうと思った。
どれだけ疲れていようが、残りはたかだか数百メートルだ。
一度でもいいから追い抜きたい一心で、ゴールまでラストスパートだ。
私が追い抜こうとした時だった。
距離が縮まりだして私が近づくと、あいつは一瞬だけ後ろを振り返った。
それから、二人してゴールまで全力疾走だ。走って駆け抜けた。
しかし、追い抜こうとしたけど、私は追い抜けなかった。
距離が離れることもなかった。付かず離れず、そのまま二人でゴールに駆け込んで終わった。
自分の前を走る人間を追い抜く時が一番大変だ。
相手と同じ速さで追いかけても、追い抜くことは不可能だ。
あいつは私より遥かに速かった。私は最後まで、一度も勝てなかった。
走り終わって、私たちは二人で監督のところへ報告に行った。
私はその日のタイムを監督に報告した。
返ってきた言葉はこうだった。
「ゴール前のラストスパートは良かった」
時は流れ、私は大人になった。
今でも過去の自分を振り返ると、昔の記憶が走馬灯のように蘇る。
今の自分には満足している。
特別ではないが、生きるために必要な術を手に入れたように思う。
仁義礼智信。そして、死と再生。
何十年もの歳月を費やして、灰となった業の中から再び蘇った。
過去を嘆き悲しむわけでもなく、
昔は良かったと懐かしむわけでもなく、
今の自分があるのはあの時のおかげだと、有難がるわけでもない。
炎は全てを焼き尽くし、その火すらも消えた頃。
残った灰を手に取り、私は思う。
貴方は悪くない。そういえば、昔はそんなこともあったな・・・
さて、昔話を終えて、現在の私に話を戻そう。
それにしても、この時期は夜の散歩に適した季節だ。
フィクションの世界には、よく夢を語る人間が出てくる。
私も小さい頃に、将来の夢や希望を考えたことがある。
それでは改めて問おう。貴方の夢は?希望は?
夜の景色を眺めながら考えたが・・・今の私にはない。
未来に関して絶望もなければ、過度な期待もない。
子供時代に囚われていた物から、縛られにくくなったように感じる。
基本的な部分は同じだと思うが、もっと柔軟で自由である。
私は教科書を捨てて、自分の望んだ場所へ向かう推進力を手に入れたのだ。
夜の風が、木々の葉を優しく揺らす。
高空に舞う鳥の、遙かなる憧れの内に燃える炎のように。
千尋の谷に咲く、自由と喜びを描く愛のように。
夢は?
希望は?
今の私には、確かに夢や希望という形はない
ただ、代わりに手に入れたものがある。
過度な期待も、深い絶望も抱かずに、妄想を除かず、真を求めず。
夜の闇は静かで、光は鏡を照らして心の有り様を現わす。
私のすべてはこの光から芽生えて、闇へと還るだろう。
私の特異点。
私はここにいる。
もうすぐ六月だ。暑いので、熱中症には気を付けた方が良い。
散歩から帰ってきて、日記を書いて今日をまとめることにした
「お前は悪くない」
何度繰り返したかは定かではないが、そういえば、昔はそんなこともあったな・・・


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