目次
研究の感情的動機と大量ギャグ 研究の学術的動機と概要 初等的弱解の存在 解の性質 補足 圧縮性ナビエ-ストークス方程式の可解性 参考文献 (note.com is not any preprint servar or journal. 2026年5月6日数学的に改訂. Mathlogに公開していた時期からコメントによる, 多数の質問や指摘を参考にしたり, 私がいた大学の, 学生や先生, Xの利用者に, 多数の助言や指摘を受け, 極力議論した. 数理科学の准教授の方だけではなく, 数学が専門外だが修士課程を出た方々にも見てもらい助言や指摘を受けた. リアルを含めて, 挙げきれない無数の方々にお世話になりました. ありがとうございます.
日本語版よりも詳しく新しい無料の英語版, 研究に多く寄せられた指摘に対するQ&A集:
時間とは実数, 力とは時間の関数, 加速度とは時間の関数で「「何か別かもしれない関数」の時間についての2階導関数に等しいもの」です. ナビエ-ストークス方程式とは, 運動方程式ma=F という公理から出る定理です. 力F を与えたら物体は加速度a で動き, 力を増減したら加速度も増減し, 力を変えないなら重たいほど動きにくく加速度が小さく, 軽いほど動きやすく加速度が大きくなるので, その比例定数が質量m です(慣性質量. 重たい物体ほど落ちる力が強く, その比例定数すなわち重力質量と, ほぼ等しい. なので質量の定義はどちらも同値). 運動方程式は, ロードバイクを常に変速機7段で長距離をこいだり, 普通列車で日本中を乗り鉄すれば理解できます.
加速度が\partial_t u+(u\cdot\nabla)u です.
時間t で位置x(t)=(x_1(t), x_2(t), x_3(t)) にいる粒子は, 時間t+h で位置x(t+h)=x(t)+h\cdot x'(t)+o(h)\sim x(t)+h\cdot u(t, x) にいるから(速度×時間=変位), 加速度は, 多変数関数の合成関数の偏微分の公式より(u(t+h, x(t+h))-u(t, x))/h =(u(t+h, x(t)+h\cdot x'(t)+o(h))-u(t, x))/h \to \partial_t u +\sum_j (\partial u /\partial x_j)(\partial x_j / \partial t) =\partial_t u +\sum_j u_j \partial_j u . 流体に仮定を置いて外力も計算したらナビエ-ストークス方程式が出ます.
図形と測度を同じ記号で書いている. 積分の平均値の定理と関数の連続性を使う. ナビエ-ストークス方程式の第一式. 単位時間1 当たりに微小曲面dS から流出する流体の体積が, 微小曲面の接平面dS の外向き単位法線ベクトルをn とすると, 流入しないから速度ベクトルと単位法線ベクトルの成す角は鋭角ゆえ|u|\cos(∠(u, dS, n))dS=|u||n|\cos(∠(u, dS, n))dS =(u\cdot n)dS である. 物体V と, 時間t で微分可能な流体の密度\rho が, 任意のt で質量\int_V \rho(t, x)dx は有限であることを満たし, 時間変化率が, 物体V の各点x でx に依存する定数により有界(時間が経っても密度があまり激しく増減しない): \exists{g}\in L^1(V), |\partial_t \rho (t, x)|\le g(x) なら, ルベーグ積分における積分記号下の微分の定理より, 境界S=\partial V から「流出する」流体の質量は, ガウスの発散定理と合わせると\int_{\partial V}\rho (u\cdot n)dS=\int_{\partial V}((\rho u)\cdot n)dS =\int_V \mathrm{div}\, (\rho u)dV=-\partial_t \int_V \rho dV=-\int_V \partial_t \rho dV 2行目の最右辺を2行目の最左辺に持っていき, 積分の平均値, または, 任意の領域で可積分な連続関数の積分が値として0なら被積分関数が関数として0 (証明:1点で正なら, 連続関数の定義より, 何かその近傍で正だから, そこでの積分も正となり矛盾)という定理を使えば質量保存則が出ます:\partial_t \rho +\mathrm{div}\, (\rho u)=0 . 流体が非圧縮, つまり密度が変化しない(\rho が定数関数)とみなせるなら\mathrm{div}\, u=0 . 私はどちらの場合も解きました.
KdV方程式の, 弱解の定義式の導出. 解を考える領域Ωの境界で0になる滑らかな関数φを掛けて部分積分する(Ωがユークリッド空間なら無限遠点で0に収束する滑らかなφを掛けて積分する). \Omega として最初に考えたのは4次元開球B^4(0, R)=\{t^2+x^2+y^2+z^2\lt R^2\} などです. 直積(-T, T)×B^3(0, R) は円柱だから空間領域の変化はなくせます. 開球でエネルギー不等式を満たすと言っても物理学的に意味がありませんが(時間が経つと空間領域も変わるから), 円柱ならエネルギー不等式が意味のある形で成り立ちます. T\gt 0, R\gt 0 は有限ですが任意に大きくでき, 必要なら大気圏を含むように選べば, 地球を含みます. 以下ではリプシッツ領域\Omega = (-T, T)×B^3(0, R) におけるソボレフの埋蔵定理と滑らかな境界を持つ領域\Omega' = B^3(0, R) におけるヘルムホルツ分解を使います.
量子力学を数学的に理解するための数学よりは, ずっと少ない, ほぼ学部の関数解析です. 複素数値関数は, 研究に至るまでの, 基本解の存在証明や\R^N におけるソボレフの埋蔵定理の証明やヘルムホルツ分解の証明に使いますが, これらの主張を述べることや研究では, 複素線積分による複素解析は使いません. 必要に応じて解説記事たちも参考になれば幸いです.
弱解とは, 未知関数を超関数と解釈したときに, 超関数の意味で偏微分方程式を満たす解です. 弱解は普通の意味で微分可能でなくてもよく, 線型項の通常の微分可能性は仮定しなくてよく, 非線型項が線型項よりも低い微分可能性だけで書かれている場合, 非線型項の導関数も弱導関数の意味にすれば, もとの方程式より低い階数の弱微分可能性だけを仮定すればよいので, 解の存在が証明しやすいです. 先行研究では, 弱解は少なくとも1階弱微分可能な解です.
多重積分:
ベクトルの微積分:
多変数関数を含む部分積分:
研究の感情的動機と大量ギャグ 解の存在すらよくわからない方程式を使い, 物理学的に不適切な解(「「物理現象を記述する解」の条件を「全て」満たすわけではない」つまり
「「「どれかひとつの条件は満たさない」「物理学的におかしい」」解」)
の存在ばかりが知られて, 世の中のあらゆるものが存在しないかもしれない解で作られ考えられている.
例えば, 背景画像の結果. 外力または内側からの力との合力が0だから, 初期値が0に行くなら, 時間が長く経てば解も0に行くはずだが, 解が0に行かない結果. 外力項が0でも, 非常に大きな初期値に対する解は, 十分な有限時間が経っても0に行かないことは現実に起きている. 勢いよくコップの水をコップごと回したら, 0.0001秒後には水は落ち着いていない.
一意性や滑らかさや爆発しない, 一意性や滑らかさや穏やかな証明には間違いはないだろう. しかし,
どれかを示すと, どれかは成り立たない,
または,
どれかを示すと, 他も成り立つとは証明されていない.
それでも解の存在を人間が理解できないまま人類や大類が滅亡することほど悲しいことはないです. 人類が滅亡する前に, 多くの人類に理解可能な理論を, 大類が作りました. ナビエ-ストークス方程式の数学的未解決問題を物理学で「解決した」人が国内外に多く, 私が見本になろうと思いました. 世界の誰もやらないしできないことは大類が人類滅亡前にやります.
藤田, 加藤, 柴田の解法は, 自宅を粉砕するような初期値に対して, 解が短い時間では落ち着かないし, 緩やかな初期値に対して, 長く経てば解が落ち着くし, ルレイ-ホップの弱解は, 宇宙\R\times\R^3 から馬鹿でかい初期値で地球を粉砕したら, 時間大域的だが, 解が四方八方に飛び散るから, 一意性が成り立たない気がします.
弱解とはWeak Solution (k So), すなわちクソです.
未解決問題は, 問題不備です. 物理現象を記述する解は存在します. 太陽系\Omega から見たら, 地球で起こる流体の流れは, 初期値や外力項が小さいので, 私の論文で十分です.
(u\cdot\nabla)u をu\cdot\nabla u と書くと, 計算ミスが増えて証明まで破綻するし,\nabla u\in \R^{3×3} と解釈できるので, 内積が意味を持たず, 俺の発言は全て意味不明のカード, これでどうやって戦えばいいんだ.
とにかく, 不動点定理さえ作れたらヨシ.
ベゾフ空間:
研究の学術的動機と概要 長く複雑な計算も無く, 発展方程式の理論は全く用いていない, という意味で初等的な議論を考えた. 解の存在は実は既知である. 例えば, 藤田-加藤理論, 柴田理論: [26]278ページ-281ページ, [22]29ページ-41ページ, [24]184ページ-204ページ, [3]234ページ-263ページ, [20] 220ページ-235ページ. しかし半群理論やアプリオリ評価を用いるのは初等的ではないと考えている. ルレイ-ホップの弱解では構成に半群理論もアプリオリ評価も使われない(常微分方程式の解の存在定理とルベーグ積分により完備なヒルベルト空間の意味での「基底」の存在から構成する[20], [20]とは別の方法による[27])が, やはり初等的ではない. 私は一意的で滑らかな新しい弱解を考えた. 一意性は境界条件なしに従う. あまり計算せずに解の存在が言えないか, 『定数係数線型偏微分作用素の局所可解性』 命題0.「\mathbb{R}^N 上の任意の定数係数線型偏微分作用素L の基本解, すなわち LE=\delta を満たすE \in \mathcal{D}^{\prime} をとると, Lu=f\in L^1_{\mathrm{loc}} の\Omega 上の解のひとつはu=E*\chi_\Omega f である. 実際, 任意の\varphi\in\mathcal{D}(\Omega) に対して,
\langle L(E*\chi_\Omega f), \varphi\rangle =\pm\langle E*\chi_\Omega f, L\varphi\rangle :=\pm\langle E(x), \langle \chi_\Omega(y)f(y), L\varphi(x+y)\rangle\rangle = \pm\langle \chi_\Omega(x)f(x), \langle E(y), L\varphi(x+y)\rangle\rangle = \langle \chi_\Omega(x)f(x), \langle LE(y), \varphi(x+y)\rangle\rangle =\langle LE(x), \langle \chi_\Omega(y)f(y), \varphi(x+y)\rangle\rangle =\langle LE*\chi_\Omega f, \varphi\rangle =\langle \chi_\Omega(y)f(y), \varphi(y)\rangle =\langle f, \varphi\rangle .」
を用いて物理学的に適切な解の存在が言えないか, 挑んでいた.
基本解の存在証明:
方針は, 時間変数と空間変数t, x を同時に扱い, ナビエ-ストークス方程式 \begin{cases}\partial_t u -\Delta u=f - \nabla \mathfrak{p}-(u \cdot \nabla)u\\\mathrm{div}\,u=0 \end{cases}
においてL を熱作用素\partial_t-\Delta とし, 圧力\mathfrak{p} を消去し非線型項(u \cdot \nabla)u を滑らかな関数の列で近似し, 外力\,f と近似項の差に局所可解性を使い, ソボレフ空間において極限をとったものが解となることを示すことである.\int_0^T (f(s), \varphi(s))_{L^2(\Omega')}ds+(a, \varphi(0))_{L^2(\Omega')}=0 を満たす外力と初期値に対して, 初等的弱解u=0 はルレイ-ホップの弱解であり, セリンのクラスに属する. ゆえに, セリンのクラスに属するルレイ-ホップの弱解であり初等的弱解である解が存在する(f=0, a=0\Rightarrow u=0 ). セリンのクラスに属する解の一意性から, ルレイ-ホップの弱解であり初等的弱解である解はu=0 しかない. (END)
ルベーグ積分:
話の流れ:
初等的弱解の存在 [記号の定義] 後の都合上, ベクトルの成分の添え字を右上に書く.「関数空間」「空間」は(関数の成す)「線型位相空間」の略, 圧力\mathfrak{p} 以外の(超)関数は\mathbb{R}^3 -値とする. 通常の関数空間のノルムにおける関数の絶対値を, \mathbb{R}^3 -値関数の空間のノルムにおいては数ベクトルの長さ(\mathbb{R}^3 の絶対値)と解釈する. 定義域が\R×\R^3 の実数値関数の空間と\mathbb{R}^3 -値関数の空間を, 記号を簡単にするため同じ記号で書く. |\Omega| を\Omega のルベーグ測度とする. \chi_{\Omega} を\Omega 上の特性関数とする. 任意の自然数m \gt \max\{0+4/1, 0+4/2\}=4 , p=1, 2 に対してV^{m, p}(\Omega)=\{ u \in C^{\infty}(\Omega) : \|u\|_{W^{m, p}(\Omega)} \lt \infty , V_{\sigma}^{m, p}(\Omega)=\{ u \in C^{\infty}(\Omega) : \|u\|_{W^{m, p}(\Omega)} \lt {\infty},\mathrm{div}\,u=0\,\mathrm{on}\,\Omega,\} W^{m, p}(\Omega) とW_{\sigma}^{m, p}(\Omega) はV_{\sigma}^{m, p}(\Omega) のW^{m, p}(\Omega) -ノルムによる完備化で定義されたソボレフ空間:W^{m, p}(\Omega)=\overline{V^{m, p}(\Omega)}^{\| \cdot \|_{W^{m, p}(\Omega)}} , W_{\sigma}^{m, p}(\Omega)=\overline{V_{\sigma}^{m, p}(\Omega)}^{\| \cdot \|_{W^{m, p}(\Omega)}} とする. ソボレフ空間の定義や意味またはノルム空間の完備化:
P:L^2(\Omega)\to L^2_\sigma(\Omega)=\overline{\mathcal{D}_{\sigma}(\Omega)}^{\| \cdot \|_{L^2(\Omega)}} を射影とする. \mathcal{D}(\Omega) は試験関数の空間(集合としてはC_{0}^{\infty}(\Omega) ), \mathcal{D}_\sigma(\Omega) は空間変数について発散がゼロであるような試験関数\varphi の成す空間とする([補足1]参照). C^{k, \varepsilon}(\overline{\Omega}) はヘルダー空間とする.\mathcal{X}=\bigcap_{m=5}^\infty W_{\sigma}^{m, 1}(\Omega)\cap W_{\sigma}^{m, 2}(\Omega), \mathcal{X}'=\bigcap_{m=5}^\infty W^{m, 1}(\Omega)\cap W^{m, 2}(\Omega) とする. u\in \mathcal{X} に対して,\|u\|_X=\sum_{m=5, k=0}^\infty \frac{1}{m!^4 {c'_{k, m}}^2}\|u\|_{W^{m, 1}(\Omega)\cap W^{m, 2}(\Omega)} u\in \mathcal{X}' に対して,\|u\|_{X'}=\sum_{m=5, k=0}^\infty \frac{1}{m!^4 {c'_{k, m}}^2}\|u\|_{W^{m, 1}(\Omega)\cap W^{m, 2}(\Omega)} とする(補題2の証明参照. X, X' は一意に定義可能(well-defined)ではないが, c'_{k, m} のとりかたにより無数の解を構成できる).X=\{u\in\mathcal{X}:\|u\|_{X}\lt\infty\} , X=\{u\in\mathcal{X}':\|u\|_{X'}\lt\infty\} とする. 一般にバナッハ空間X, Y に対して位相空間としてX, Y \subset Z となる線型ハウスドルフ空間Z が存在するときX\cap Y はバナッハ空間でノルムが\|u\|_X+\|u\|_Y または\max\{\|u\|_X, \|u\|_Y\} で定義されている. \max\{\|u\|_X, \|u\|_Y\}\le \|u\|_X+\|u\|_Y \le 2\max\{\|u\|_X, \|u\|_Y\} だからこれらは同値である. 定数M, C_2\gt 0 に対して, S をX の部分集合:S=\{u\in X:\|u\|_{X}\le M, \forall{k}, \|\partial_{x^j}^k u\|_X\le C_2 ^k\|u\|_X\} とする. \partial_t - \Delta の基本解をE , すなわち\mathbb{R}^3 -値超関数として(\partial_t - \Delta)E(t, x)=\delta(t, x) = \delta(t) \otimes \delta(x) を満たすE として,E^{i}(t, x)=\begin{cases} \frac{1}{\sqrt{4 \pi t}^3} e^{-\frac{|x|^2}{4t}} & (t \gt 0) \\ 0 & (t \le 0) \end{cases} を選ぶ(「熱方程式の」基本解ではない). (END)
ヘルダー空間:
Eのグラフ. tも変数だからガウス核とは異なる. 微積分と線型代数だけで読める超関数超入門:
[仮定] 領域\Omega を\mathbb{R}\times\mathbb{R}^3 の滑らかな境界を持つ有界開集合で, (0, 0)\in\Omega とする. 外力f:\mathbb{R}\times\mathbb{R}^3\to\R^3 は, Pf\in S かつ, f\neq 0 ならば\int_{\mathbb{R}\times \mathbb{R}^3} E(s, y) \, \chi_{\Omega}(0-s, \cdot-y)Pf(0-s, \cdot-y)dsdy\neq 0 を満たすとする. 初期値の集合をA=\{u(0, \cdot):u \in S, u(t, x)=\int_{\mathbb{R}\times \mathbb{R}^3} E(s, y) \, \chi_{\Omega}(t-s, x-y)(\,Pf(t-s, x-y) - P((u\cdot \nabla)u)(t-s, x-y))dsdy\} とする.
f=-\nabla F となる関数F が存在しない(外力が重力や電磁気力や滑り台に沿う力などではない, つまり保存力ではない)かつPf-P((u\cdot\nabla)u)\neq 0 ならa\neq 0 である. [命題1]A\neq \empty . a\in A ならば関数(u, \mathfrak{p}) で, 次の意味でナビエ-ストークス方程式の初期値問題の弱解となるものが存在する: u \in S, \mathfrak{p}\in L_{\mathrm{loc}}^2(\Omega)/(\mathfrak{p}'\sim\mathfrak{q}\iff\nabla\mathfrak{(p'-q)}=0) , 任意の\varphi \in \mathcal{D}_\sigma(\Omega) に対して, \langle \partial_t u + (u \cdot \nabla)u - \Delta u + \nabla \mathfrak{p} - f, \varphi \rangle =0, 任意の\varphi\in\mathcal{D}(\Omega) に対して\langle \mathrm{div}\,u,\varphi\rangle =0, u(0, x)=a(x) . ただし(u \cdot \nabla)u^i=\sum_{j=1}^3 u^j \partial_{x^j} u^i,
\langle w, \varphi \rangle = (w, \varphi)_{L^2(\Omega)} =\int_{\Omega} \sum_{i=1}^{3} w^{i}(t, x)\varphi^{i}(t, x)dtdx =\int_{\Omega} w(t, x) \cdot \varphi(t, x)dtdx (w=(w^1, w^2, w^3), \varphi=(\varphi^1, \varphi^2, \varphi^3)) である.\lim_{t, |x|\to\infty}\partial^\alpha u(t, x)=0 . 解u,\mathfrak{p} とv,\mathfrak{q} はu, v\in S, u-v\in S\Rightarrow u=v, \mathfrak{p}=\mathfrak{q}\,\mathrm{on}\, \Omega を満たす. 写像f\mapsto u は連続である. f\neq 0\Rightarrow u\neq 0, f=0\Rightarrow u=0 . 藤田, 加藤, 柴田の解はf=0 でもゼロではないものがあるから, 初等的弱解は, これらの解とは異なる.
一意性の十分条件を満たす解は存在する. ベールのカテゴリー定理よりu をS の内点として作り, そこからの距離がM より小さいv を考え, u-v 対して「一意性」の証明を, 三角不等式で2CM で押さえて繰り返せばよい. u が境界にあれば, u の近傍の内側で証明すればよい. ベールのカテゴリー定理:
初等的弱解はu|_{\partial \Omega'}\neq 0 である.
鍵となる不等式. 外力fは初期値の集合Aを定めるが, 解uの存在証明はa, Aによらない. これを後ほどバナッハの不動点定理と似た方法で証明する. バナッハの不動点定理と似た命題:
解が存在しない微分方程式:
[滑らかさ] 解(u, \mathfrak{p}) はC^{\infty} -級である.
[証明]m は任意に大きく取れるから, ヘルダー空間への埋蔵定理([18]定理6.12) 「\mathbb{N}\ni m-4/p\gt 0 ならば任意の{\varepsilon}\in (0, 1) に対してW^{m, p}(\Omega)\subset C^{(m-4/p)-1, \varepsilon}(\overline{\Omega}) 」 より適当な代表元が存在するという意味でu はC^\infty -級である.
f は滑らかであり \partial_t u + (u \cdot \nabla)u - \Delta u - f=-\nabla \mathfrak{p} であるから-\nabla \mathfrak{p} は滑らか, 従って\mathfrak{p} は滑らかである. (END)
埋蔵定理:
補題0. X, X' はノルム空間である. (END)
補題1. [完備性]X, X' はバナッハ空間である. (\chi_{\Omega}), \mathrm{curl}(e^{x^3}, e^{x^3}, e^{x^2})\in X; \chi_\Omega, e^{x^1}, \sin(x^2)\in X' だからX, X'\neq \{0\} である. これらはc'_{k, m} の取り方によらないし, 補題3を繰り返し使える例でもある.
[証明]\{u_n\} をX のコーシー列とする. このとき, 任意の正数\varepsilon に対して, 或る自然数N が存在して\ell, n\ge N ならば\|u_\ell-u_n\|_X\lt \varepsilon .
\{u_n\} はW_{\sigma}^{m, 1}(\Omega)\cap W_{\sigma}^{m, 2}(\Omega) のコーシー列である. W_{\sigma}^{m, 1}(\Omega)\cap W_{\sigma}^{m, 2}(\Omega) はバナッハ空間だから\{u_n\} は収束する. その極限をu とする. 任意の正数\varepsilon に対して, 或る自然数N が存在して\ell, n\ge N ならば\|u_\ell-u_n\|_X\lt \varepsilon . ファトゥの補題を数え上げ測度に用いて,\|u-u_n\|_X =\sum_{m=5, k=0}^{\infty} \frac{1}{m!^4 {c'_{k, m}}^2}\|u-u_n\|_{W^{m, 1}(\Omega)\cap W^{m, 2}(\Omega)} = \sum_{m=5, k=0}^{\infty} \frac{1}{m!^4 {c'_{k, m}}^2}\liminf_{\ell\to\infty}\|u_\ell-u_n\|_{W^{m, 1}(\Omega)\cap W^{m, 2}(\Omega)} \le\liminf_{\ell\to\infty} \sum_{m=5, k=0}^{\infty} \frac{1}{m!^4 {c'_{k, m}}^2}\|u_\ell-u_n\|_{W^{m, 1}(\Omega)\cap W^{m, 2}(\Omega)} \le \varepsilon .\|u\|_X\le\|u-u_n\|_X+\|u_n\|_X\le \varepsilon+\|u_n\|_X\lt\infty , だからu\in X . (END)
イプシロン論法:
ルベーグ積分:
補題2. [積の分離] 或る定数C_1 \gt 0 が存在してu, v\in X' に対して\left\|u^i v^i\right\|_{X'}\le C_1\|u^i\|_{X'}\|v^i\|_{X'} が成り立つ.
[証明] 二項係数c_{\alpha, \beta} に対してc_{\alpha}=\sum_{\beta\le\alpha}c_{\alpha, \beta} とする. 任意の自然数k に対して\|u_n-u\|_X\to 0 \Rightarrow \|u_n-u\|_{W^{m, 1}(\Omega)\cap W^{m, 2}(\Omega)} \to 0 \Rightarrow \|u_n-u\|_{C^{k, \varepsilon}(\overline{\Omega})}\to 0 より連続な埋め込みX'\subset C^{k, \varepsilon}(\overline{\Omega}) が成り立つから或る定数c_{k, m}'\gt 0 が存在して\|u\|_{C^{k, \varepsilon}(\overline{\Omega})}\le c_{k, m}'\|u\|_{X'} . |\alpha|\le k とするときライプニッツの公式より\|\partial^\alpha (u^i v^i)\|_{L^p(\Omega)} \le c_{\alpha} \|u^i\|_{C^{k, \varepsilon}(\overline{\Omega})}\|v^i\|_{C^{k, \varepsilon}(\overline{\Omega})}|\Omega|^{1/p} \le c_{\alpha}c_{k, m}' |\Omega|^{1/p}\|u^i\|_{X'} c_{k, m}'\|v^i\|_{X'} \le c_{\alpha}c_{k, m}'^2 |\Omega|^{1/p}\|u^i\|_{X'}\|v^i\|_{X'} . よって,\|\partial^\alpha (u^i v^i)\|_{L^p(\Omega)}\le c_{\alpha}c_{k, m}'^2 |\Omega|^{1/p}\|u^i\|_{X'}\|v^i\|_{X'} が成り立つから, 必要なら, 古いc_{k, m}'\gt 0 よりも大きな, 埋め込み定数の新しいc_{k, m}'\gt 0 を選ぶことで, 或る定数C_1'\gt 0 が存在して,\|u^i v^i\|_{\mathrm{new}X'}\le C_1'\|u^i\|_{\mathrm{old}X'}\|v^i\|_{\mathrm{old}X'} .
開写像定理の証明と同様の議論と, 開写像定理を恒等作用素に用いることにより, ノルム空間が2つのノルムで完備かつ片方がもう片方の正定数倍以下なら, 同値なノルムだとわかるから(\mathrm{new}c_{k, m}')^2\ge (\mathrm{old}c_{k, m}')^2 からわかる, コーシー列の極限\mathrm{old}u=u',\mathrm{new}u=u'' について成り立つ\|u'\|_{\mathrm{new}X'}\le\|u'\|_{\mathrm{old}X'}\therefore u'\in \mathrm{new}X' より, 補題1の証明を古いものから新しいものに取り替えて繰り返せばu'=u'' が新しいノルムについての三角不等式からわかり\|u^i v^i\|_{\mathrm{old}X'}\le C_1\|u^i\|_{\mathrm{old}X'}\|v^i\|_{\mathrm{old}X'} . (END)u(t, x)=\sin x^1, e^{x^1/2}, v(t, x)=\cos x^2, e^{x^2/3} に対して補題2が成り立つ.
補題3. [微分の吸収] 或る定数C_2 \gt 0 が存在してu\in S に対して\left\|\partial_{x^j}u\right\|_{X}\le C_2\|u\|_X が成り立つ. (END) 任意の正数r\gt 1 に対して\mathrm{curl}(e^{rx^3}, e^{rx^3}, e^{rx^2})\in X を自身のノルムで割りM/2 倍した関数u_r のノルムはM 以下だが, 「作用素ノルム」C_2 がr\to\infty でいくらでも大きくなるようにr に依存するから, u_r は補題3がノルムの制限だけでは成り立たない例である. 似た例は三角関数や, 変数をrx^j+s の形にしても, これらの線型結合でも作れる. ゆえに, 最初から補題3が成り立つ範囲だけに議論を制限した. 作用素の有界性:
補題4. [S\ni u\mapsto E*(\chi_\Omega u)\in X ]S\ni u\mapsto E*(\chi_\Omega u)\in X は有界作用素であり或る定数C_3\gt 0 が存在してu\in S に対して\|\int_{\mathbb{R}\times\mathbb{R}^3}E(s, y)\chi_\Omega(t-s, x-y)u(t-s, x-y)dsdy\|_{X} \le C_3\|u\|_X ,\|\int_{\mathbb{R}\times\mathbb{R}^3}E(s, y)\partial_{x^j}\chi_\Omega(t-s, x-y)u(t-s, x-y)dsdy\|_{X} \le C_3C_2\|u\|_X が成り立つ.
[証明]E^i(s, y)\chi_\Omega(t-s, x-y)u^i(t-s, x-y) を(s, y) の関数とみたとき殆んど全ての(t, x)\in\Omega に対して\mathrm{supp}(E^i(s, y)\chi_\Omega(t-s, x-y)u^i(t-s, x-y)) \subseteq -\overline{\Omega}+(t, x) =\overline{\{(s, y)\in \mathbb{R}\times\mathbb{R}^3:(t-s, x-y)\in\Omega\}} は\overline{\Omega} の反転の平行移動だからコンパクトであり,|\partial_{t, x}^\alpha(E^i(s, y) \chi_\Omega(t-s, x-y)u^i(t-s, x-y))|\le E^i(s, y)\sup\{|\partial_{t, x}^\alpha u^i(t-s, x-y)|:(t, x)\in\Omega\}\le C_\alpha E^i(s, y)\in L^1_{s, y}(\Omega) だから積分記号下の微分の定理とヘルダーの不等式と連続な埋め込みS\subset L^\infty(\Omega) を合わせて\|\partial^\alpha(E*(\chi_{\Omega}u))\|_{L^p(\Omega)} \le\|E*(\partial^\alpha (\chi_{\Omega} u))\|_{L^p(\Omega)} \le\|\|E(s, y)\|_{L_{s, y}^1(-\Omega +(t, x))}\|\partial^\alpha u(t-s, x-y)\|_{L_{s, y}^\infty(-\Omega +(t, x))}\|_{L_{t, x}^p(\Omega)} \le \sup\{\|E\|_{L^1(-\Omega+(t, x))}:(t, x)\in\Omega\}\|\partial^\alpha u\|_{L^\infty(\Omega)}|\Omega|^{1/p} \le \sup\{\|E\|_{L^1(-\Omega+(t, x))}:(t, x)\in\Omega\}c''C_2^{|\alpha|}\|u\|_X|\Omega|^{1/p} \lt\infty であるから\|E*(\chi_\Omega u)\|_X\le C_3\|u\|_X. (END)
C=\max\{C_1, C_2, C_3\} とする. 補題2, 3, 4: 積の分離, 微分の吸収, S\ni u\mapsto E*(\chi_\Omega u)\in X の有界性がC=O(|\Omega|) に対して成り立つ(絶対連続性による).
C\|f\|_{X'}+3C^3M^2\le M を満たす\Omega, f, M をとる. (N-S)'\partial_t u -\Delta u=f -(u \cdot \nabla)u の弱解, すなわち任意のa\in A に対して, u \in X, \mathfrak{p}\in L_{\mathrm{loc}}^2(\Omega)/(\mathfrak{p}'\sim\mathfrak{q}\iff\nabla\mathfrak{(p'-q)}=0) , 任意の\varphi \in \mathcal{D}_\sigma(\Omega) に対して,\langle \partial_t u + (u \cdot \nabla)u - \Delta u + \nabla \mathfrak{p} - f, \varphi \rangle =0, 任意の\varphi\in\mathcal{D}(\Omega) に対して\langle\mathrm{div}\,u, \varphi\rangle=-\sum_{j=1}^3\langle u^j, \partial_{x^j}\varphi\rangle=0, u(0, x)=a(x) の意味での解の存在を示す.\varPhi:S\to X が\varPhi[u](t, x) =\int_{\mathbb{R}\times\mathbb{R}^3} E(s, y) \, \chi_{\Omega}(t-s, x-y)(Pf(t-s, x-y) -P((u\cdot\nabla)u)(t-s, x-y))dsdy と定義できる. 関数列\{u_n\}\subset X をu_0\in S, u_1\in S, u_1-u_0\in S と取り, n\ge 1 ならばu_{n+1}(t, x)=\varPhi[u_n](t, x) =\int_{\mathbb{R}\times\mathbb{R}^3} E(s, y) \, \chi_{\Omega}(t-s, x-y)(Pf(t-s, x-y) -P((u_n\cdot\nabla)u_n)(t-s, x-y))dsdy と置く. 補題0, 1, 2, 3, 4, 5, 6よりX が完備な距離空間であるからバナッハの不動点定理と同様の議論で, 数学的帰納法も合わせると
\|u_{n+1}-u_n\|_X\le L^n \|u_n - u_{n-1}\|_X だからX のコーシー列\{u_n\} (S のコーシー列かは6/8の段階ではわからなかったが, u_2 以降は補題3が成り立たなくても\|\partial_{x^j}u_n\|_X\le CM だからコーシー列が)作れて, \varPhi の不動点の存在, すなわち
或るu \in X が存在して\varPhi[u]=u
が言える. u は弱解であることが言える.
補題5. [\varPhi:S\to X が縮小写像として定義できる可能性] u\in S\Rightarrow \|E*\chi_{\Omega}(Pf-P((u\cdot\nabla)u))\|_X\lt\infty が成り立つ.
[証明]X の性質と\|P\|\le 1 から\|E*\chi_{\Omega}(Pf-P((u\cdot \nabla)u))\|_X\lt\infty は,\|E*\chi_{\Omega}(Pf-P((u\cdot \nabla)u))\|_X \le C\|f\|_{X'}+C\|u^1 \partial_{x^1}u+u^2 \partial_{x^2}u+u^3 \partial_{x^3}u\|_{X'} \le C\|f\|_{X'}+3C^3M^2\le M\lt\infty より従う. (END)
補題6. [\varPhi:S\to X はリプシッツ連続] 或る定数L\gt 0 が存在して, 任意のu, v \in S に対してu-v\in S ならば\|\int_{\mathbb{R}\times\mathbb{R}^3}E(s, y) \, \chi_{\Omega}(t-s, x-y)(P((v \cdot \nabla)v)(t-s, x-y)-P((u\cdot\nabla)u)(t-s, x-y))dsdy\|_X \le L \|u- v\|_X , L \lt 1 .
[証明](v \cdot \nabla)v(t-s, x-y)-(u \cdot \nabla)u(t-s, x-y) =\sum_{j=1}^3 (v^j (\partial_{x^j}v(t-s, x-y) - \partial_{x^j}u(t-s, x-y)) + (v^j - u^j )\partial_{x^j}u(t-s, x-y)) , ゆえに
\|\int_{\mathbb{R}\times\mathbb{R}^3}E(s, y) \chi_{\Omega}(t-s, x-y)(P((v \cdot \nabla)v)(t-s, x-y)-P((u\cdot\nabla)u)(t-s, x-y))dsdy\|_X \le C^2\|v\|_X\max_j(\|\partial_{x^j}(v-u)\|_X)+C^2\|v-u\|_X\max_j(\|\partial_{x^j}u\|_X) \le C^3M\|v-u\|_X+C^3M\|v-u\|_X = 2C^3M\|u- v\|_X.
従ってL=2C^3M とすればよい. 上の議論より\|\int_{\mathbb{R}\times\mathbb{R}^3}E(s, y)\chi_{\Omega}(t-s, x-y)(P((v \cdot \nabla) v(t-s, x-y))-P((u \cdot \nabla)u)(t-s, x-y))dsdy\|_X \le 2C^3M\|u- v\|_X であり2C^3M\lt 1. (END)\int_{\mathbb{R}\times\mathbb{R}^3}E(s, y) \chi_{\Omega}(t-s, x-y)(P((u_{n+1} \cdot \nabla)u_{n+1})(t-s, x-y)-P((u_n\cdot\nabla)u_n)(t-s, x-y))dsdy =E*\chi_{\Omega}\sum_{j=1}^3 P(u_{n+1}^j \partial_{x^j}(u_{n+1}(t-s, x-y) - u_n(t-s, x-y)) + (u_{n+1}^j - u_n^j )\partial_{x^j}u_n(t-s, x-y)) ,\partial_{x^j}(\int_{\mathbb{R}\times\mathbb{R}^3}E(s, y) \chi_{\Omega}(t-s, x-y)(P((u_{n} \cdot \nabla)u_{n})(t-s, x-y)-P((u_{n-1}\cdot\nabla)u_{n-1})(t-s, x-y))dsdy) =E*\partial_{x^j}\chi_{\Omega}\sum_{j=1}^3 P(u_{n}^j (\partial_{x^j}(u_{n}(t-s, x-y) - u_{n-1}(t-s, x-y))) + (u_{n}^j - u_{n-1}^j )\partial_{x^j}u_{n-1}(t-s, x-y)) ,\|u_{n}\|\le M ,\| \partial_{x^j}u_{n-1}\|_X=\|E*\partial_{x^j} \chi_{\Omega}(Pf+P(u_{n-2}\cdot\nabla)u_{n-2})\|_X \le C(C\|f\|_{X'}+3C^2M^2)\le CM を使って, 帰納的にコーシー列が作れる:
補題7. 任意のU\in X に対して " \varphi\in\mathcal{D}_\sigma(\Omega)\Rightarrow\langle U, \varphi\rangle =0 "\iff "或る実数値超関数\mathfrak{p} が存在してU=\nabla\mathfrak{p} " である. [証明] 任意の\varphi\in\mathcal{D}_\sigma(\Omega) に対して, \mathrm{div}(\varphi)=0 であるから, 部分積分により\langle \nabla\mathfrak{p}, \varphi\rangle =\int_{\Omega} \sum_{i=1}^{3} (\nabla\mathfrak{p})^i(t, x)\varphi^i(t, x)dtdx =-\int_{\Omega}\mathfrak{p}(t, x)\mathrm{div}(\varphi)(t, x)dtdx=0.
ゆえにヘルムホルツ分解により,U=PU+\nabla\mathfrak{p} ならば\langle U,\varphi\rangle=\langle\nabla\mathfrak{p},\varphi\rangle=0 . (END)
ヘルムホルツ分解:
補題8. [ナビエ-ストークス方程式の可解性]\varPhi:S\to X の不動点u\in S は(N-S)'の解である.
[証明] 任意の\varphi\in\mathcal{D}_\sigma(\Omega) に対して\mathrm{div}(\varphi)=0 だから部分積分により\langle \nabla\mathfrak{p}, \varphi\rangle =\int_{\Omega} \sum_{i=1}^{3} (\nabla\mathfrak{p})^i(t, x)\varphi^i(t, x)dtdx =-\int_{\Omega}\mathfrak{p}(t, x)\mathrm{div}(\varphi)(t, x)dtdx=0.
ゆえにu, \partial_{x^j}u の有界性と|\Omega|\lt\infty より(u\cdot\nabla)u\in L^2(\Omega) であるからヘルムホルツ分解によりf=Pf+\nabla\mathfrak{f}, (u\cdot\nabla)u=P((u\cdot\nabla)u)+\nabla\mathfrak{u} とすると任意の\varphi\in\mathcal{D}_\sigma(\Omega) に対して\langle f, \varphi\rangle = \langle Pf, \varphi\rangle, \langle (u\cdot\nabla)u, \varphi\rangle =\langle P((u\cdot\nabla)u), \varphi\rangle だから (N-S)' \partial_t u - \Delta u= f -(u \cdot \nabla)u\,\mathrm{in}\, \mathcal{D}'_\sigma(\Omega) の解の存在を示す.E^{i}(t, x)=\begin{cases} \frac{1}{\sqrt{4 \pi t}^3} e^{-\frac{|x|^2}{4t}} & (t \gt 0) \\ 0 & (t \le 0) \end{cases} は局所可積分であり, \langle \delta(t) \otimes \delta(x), \varphi(t, x) \rangle = \langle \delta(t), \langle \delta(x), \varphi(t, x) \rangle \rangle = \varphi(0, 0) (垣田『シュワルツ超関数入門』[16]163-167ページ).
u は\mathcal{D}'(\Omega) に属する超関数の意味で\mathrm{div}\,u=0 を満たす. すなわち任意の\varphi\in\mathcal{D}(\Omega) に対して\langle\mathrm{div}\,u, \varphi\rangle=-\sum_{j=1}^3\langle u^j, \partial_{x^j}\varphi\rangle=0 .
実際, 任意のu\in W_\sigma^{m, p}(\Omega) に対して或るコーシー列\{u_n\}\subset V_\sigma^{m, p}(\Omega) が存在して部分積分とヘルダーの不等式により0=-\sum_{j=1}^3\langle u_n^j, \partial_{x^j}\varphi\rangle \to -\sum_{j=1}^3\langle u^j, \partial_{x^j}\varphi\rangle .
f -(u_n \cdot \nabla)u_n \in L_{\mathrm{loc}}^{1}(\Omega) である. そこで命題0より近似方程式 (N-S)'' \partial_t v_{n} - \Delta v_{n} =Pf-P((u_n \cdot \nabla)u_n) の\Omega 上の解v_n=u_{n+1}=E * \chi_{\Omega}( \, Pf -P((u_n \cdot \nabla)u_n)) の存在が言える.\partial_t u_{n+1} (t, x)- \Delta u_{n+1} (t, x) = \langle(\partial_t E(t-s, x-y) - \Delta E(t-s, x-y)),\chi_{\Omega}(s, y)(Pf(s, y)-P((u_n \cdot \nabla)u_n)(s, y))\rangle =\langle \delta(\tau) \otimes \delta(z), \,\chi_{\Omega}(t-\tau, x-z)( Pf(t-\tau, x-z)-P((u_n \cdot \nabla)u_n)(t-\tau, x-z)) \rangle =Pf(t, x)-P((u_n \cdot \nabla)u_n)(t, x).
ゆえに上の計算と, 熱作用素の\mathcal{D}'_\sigma(\Omega) における連続性 |\langle \partial_t u_{n+1} - \Delta u_{n+1}, \varphi \rangle - \langle \partial_t u - \Delta u, \varphi \rangle|\to 0 , \|P\|=1 , 関数の積 L^2(\Omega)\times L^2(\Omega) \ni (u, v) \mapsto uv \in L^1(\Omega) が連続であること([補足2]参照)により| \int_{\Omega} (P((u_n \cdot \nabla)u_n)(t, x) -P((u \cdot \nabla)u)(t, x))) \cdot\varphi(t, x) dtdx | \le \|((u_n \cdot \nabla)u_n)(t, x)-((u \cdot \nabla)u)(t, x)\|_{L^1(\Omega)}\| \varphi(t, x) \|_{L^\infty(\Omega)}\to 0\,(n \to \infty) を合わせることで\partial_t u - \Delta u =Pf-P((u \cdot \nabla)u) が成り立つから, 補題5, 6よりu(t, x)=\int_{\mathbb{R} \times \mathbb{R}^3} E(s, y) \,\chi_{\Omega}(t-s, x-y) (\,Pf(t-s, x-y)-P((u \cdot \nabla)u)(t-s, x-y))dsdy
が(N-S)'の\mathcal{D}_\sigma'(\Omega) における超関数の意味での解であることが示された.
補題7より, \partial_t u + (u \cdot \nabla)u - \Delta u - f=-\nabla \mathfrak{p} を満たす\mathfrak{p} が存在する. (END)
解の性質 補題9. [減衰]\lim_{t\to 0+0\,\mathrm{or}\,t\to\infty, |x|\to\infty}t^\gamma x^\beta \partial^\alpha u(t, x)=0 .
[証明]u は\R\times\R^3 上の可測関数であるから, t, |x|\to\infty の極限を考えることができる.
t^\gamma x^\beta \partial^\alpha u(t, x)=\int_{\Omega} E(t-s, x-y) \, t^\gamma x^\beta \partial^\alpha(Pf(s, y) - P((u\cdot \nabla)u)(s, y))dsdy , 任意のt_0\gt 0 に対してt-s\gt t_0 ならば|E^i(t-s, x-y)|\le 1/t_0^{3/2}, t^\gamma x^\beta \partial^\alpha(Pf- P((u\cdot \nabla)u))\in X\subset C^{0, \varepsilon}(\overline{\Omega}) だから有界収束定理から\lim_{t, |x|\to\infty}t^\gamma x^\beta \partial^\alpha u(t, x)=0 が従う. (END)
\Omega は任意に大きくできるから, 補題9は境界条件と考えることができる.
補題10. [f\mapsto u の連続性]Pf_n, Pf\in S, \|f_n-f\|_{X'}\to 0 とする. f_n とa_n\in A に対応する解をu_n , f とa\in A に対応する解をu とする. このとき\|u_n-u\|_X\to 0 .
[証明]\|u_n-u\|_X=\|\int_{\mathbb{R}\times \mathbb{R}^3} E(s, y) \, \chi_{\Omega}(t-s, x-y)(\,Pf_n(t-s, x-y) - P((u_n\cdot \nabla)u_n)(t-s, x-y))dsdy-\int_{\mathbb{R}\times \mathbb{R}^3} E(s, y) \, \chi_{\Omega}(t-s, x-y)(\,Pf(t-s, x-y) - P((u\cdot \nabla)u)(t-s, x-y))dsdy\|_X \le C\|f_n-f\|_X+2C^3M\|u_n-u\|_X . ゆえに\limsup_{n\to\infty}\|u_n-u\|_X \le 2C^3M\limsup_{n\to\infty}\|u_n-u\|_X .
\limsup_{n\to\infty}\|u_n-u\|_X\le 2M , 従って0\le (1-2C^3M)\limsup_{n\to\infty}\|u_n-u\|_X \le 0 . だから\limsup_{n\to\infty}\|u_n-u\|_X =\lim_{n\to\infty}\|u_n-u\|_X=0 . (END)
[一意性] (6/15/2025)f\neq 0 でもf=0 でも, u_n\in S\Rightarrow \varPhi[u_n]\in S . (END)
[証明]0\le\|u_n\|_{X}\le M ゆえ部分列\|u_{n_k}\|_{X} が存在して\|u_{n_k}\|_X は収束する. 0\le\|\partial_{x^j}u_n\|_X\le CM だから部分列\|\partial_{x^j}u_{n_k}\|_X が存在して, \|\partial_{x^j}u_{n_k}\|_X は収束する. 一意性が成り立たないなら,CM\ge \|\partial_{x^j}u_{n_k}\|_X\ge n_k\|u_{n_k}\|_{X} . これは不合理である. (END)
\partial_{x^j} は閉作用素ゆえS は閉集合だから一意性が出る.
[初等的弱解は空間領域の境界で消えていないことの証明] (2025/9/12)
8月上旬に考えて, 個人的に何人かに送った証明. 初等的弱解u はu(t, x)=\int_{\mathbb{R}\times \mathbb{R}^3} E(s, y) \, \chi_{\Omega}(t-s, x-y)(\,Pf(t-s, x-y) - P((u\cdot \nabla)u)(t-s, x-y))dsdy を満たす.
(s, y) の関数としてU^{(t, x)}=\chi_\Omega(t-s, x-y)(\, Pf(t-s, x-y)-P(u\cdot\nabla)u)(t-s, x-y)) とする.
[\,\mathrm{supp}\,U^{(t, x)}\subset \overline{\Omega} \iff \mathrm{supp}\,u\subset \overline{\Omega}\,] であり, [\,\mathrm{supp}\,U^{(t, x)}\subset \overline{\Omega} \iff \mathrm{supp}\,u\subset \overline{\Omega}\,]\Rightarrow u は部分積分によりエネルギー不等式を満たす.
あるR\gt 0 が存在して(t, x)\in\overline \Omega \Rightarrow |t|, |x|\lt R ,|s|\gt R \,\mathrm{or} \,|y|\gt R\Rightarrow (s, y)\in \R×\R^3 -\overline \Omega .
\mathrm{supp}\,U^{(t, x)}\cap \overline \Omega =\emptyset なら\mathrm{supp}\,U^{(t, x)}\subset \overline{\Omega} ではない. (t_0, x_0)\in\mathrm{supp}\,U^{(t, x)}\cap \overline \Omega \neq\emptyset なら, あるR'\gt 0 が存在して|t_0-s|+|x_0-y|\lt R' \Rightarrow (s, y)\in \mathrm{supp}\,U^{(t, x)} が成り立つ.
|t_0-s|+|x_0-y| \ge ||t_0|-|s||+||x_0|-|y|| =||s|-|t_0||+||y|-|x_0|| \gt ||s|-R|+||y|-R| .R\lt |s|\lt R'/3+|t_0|, R\lt |y|\lt R'/3+|x_0| なら(s, y)\in \R×\R^3 -\overline\Omega かつ(s, y)\in\mathrm{supp}\,U^{(t, x)} である. ゆえに\mathrm{supp}\,U^{(t, x)}\subset \overline{\Omega} は成り立たない. (END)
以上より命題1の証明が終わった.
[バナッハ空間値関数としての初等的弱解]I=\{t\in\R:\exists{x}\in\R^3, (t, x)\in\Omega\} ,\Omega'=\{x\in\R^3:\exists{t}\in\R, (t, x)\in\Omega\} とする. 1\le p\lt\infty に対して,a\in C^\infty(\overline{\Omega'})\cap L^p_\sigma(\Omega'), u\in C(I;L^p_\sigma(\Omega')) . [証明]u\in C^{0, \varepsilon}(\Omega) であるから, 任意の\varepsilon'\gt 0 に対して, 或る\delta\gt 0 が存在して(t, x), (t', x)\in\Omega, |(t, x)-(t', x)|\lt\delta \Rightarrow |u(t, x)-u(t', x)|\lt\varepsilon' . ゆえに\|u(t, \cdot)-u(t',\cdot)\|_{L^p_\sigma(\Omega')}\le |\Omega'|^{1/p}\varepsilon' . (END)
多変数関数の部分積分によりエネルギー不等式(エネルギー保存則)(1/2)\|u(t)\|_{L^2(\Omega')}+\int_0^t \|\nabla u(t)\|_{L^2(\Omega')}dt \le (1/2)\|u(0)\|_{L^2(\Omega')}+\int_0^t (f(t), u(t))_{L^2(\Omega')}dt が成り立つ. 物理学的意味と証明:
補足 [補足0] 局所可積分な基本解を持つ定数係数線型偏微分作用素L に対して半線型方程式Lu=f(u) をS'=\{u\in X':\|u\|_X\le M\} において同様に解ける. 例えば, 非線型熱方程式, 非線型シュレディンガー方程式, 非線型3次元波動方程式, KdV方程式. [補足1] 空間変数について発散\mathrm{div} \varphi = \nabla \cdot \varphi=0 であるような試験関数\varphi としては, \psi \in \mathcal{D}(\Omega) を取り\varphi = \mathrm{curl} \psi とすればよい. (岡本久-中村周『関数解析』[10]203ページ)
[補足2]\|u_n-u\|_{L^2(\Omega)}\to 0, \|v_n-v\|_{L^2(\Omega)}\to 0 とする. 三角不等式| \|u_n\|_{L^2(\Omega)}-\|u\|_{L^2(\Omega)}|\le \|u_n-u\|_{L^2(\Omega)} より十分大きな任意のn に対して \|u_n\|_{L^2(\Omega)}\lt \|u\|_{L^2(\Omega)}+1 である. ゆえに\|u_n v_n - uv\|_{L^1(\Omega)}\le \|u_n\|_{L^2(\Omega)}\|v_n-v\|_{L^2(\Omega)}+\|v\|_{L^2(\Omega)}\|u_n-u\|_{L^2(\Omega)} \lt (\|u\|_{L^2(\Omega)}+1)\|v_n-v\|_{L^2(\Omega)}+\|v\|_{L^2(\Omega)}\|u_n-u\|_{L^2(\Omega)} \to 0.
圧縮性ナビエ-ストークス方程式の可解性 I\ni 0, \Omega'\notni 0 となるように変更する. \rho(0, \cdot)\in X'(\Omega') とする.
\partial_t \rho +\mathrm{div}(\rho u)=0 \mathrm{Div}(D(u)+\mathrm{div}u(\delta^{ij})-\mathfrak{p}(\delta^{ij}))=f-\rho(\partial_t u+(u\cdot\nabla)u) も同様に解くことができる. ここで(\mathrm{Div}T)^i=\sum_{j=1}^3\partial_{x^j}T^{ij}, D^{ij}(u)=\partial_{x^j}u^i+\partial_{x^i}u^j である.
作用素L_u:S'\ni\rho\mapsto \mathrm{div}(\rho u)\in X' は有界作用素であるから\rho=e^{-tL_u}\rho(0,\cdot) これを第二式に代入し, 楕円型作用素の基本解が原点の外で解析的すなわち原点の外で局所可積分であることに上の補題を合わせると, 圧縮性ナビエ-ストークス方程式の解の存在と一意性および滑らかさと, 上と同様の性質が出る.
参考文献 [1]俣野博-神保道夫, 熱・波動と微分方程式, 岩波書店, 2018
[2]金子晃, 偏微分方程式入門, 東京大学出版会, 2013
[3]垣田高夫-柴田良弘, ベクトル解析から流体へ, 日本評論社, 2007
[4]谷島賢二, 数理物理入門, 東京大学出版会, 2018
[5]柴田良弘, ルベーグ積分論, 内田老鶴圃, 2006
[6]谷島賢二, ルベーグ積分と関数解析, 朝倉書店, 2015
[7]コルモゴロフ-フォミーン, 函数解析の基礎 上, 岩波書店, 2012
[8]北田均, 数理解析学概論, 現代数学社, 2016
[9]猪狩惺, 実解析入門, 岩波書店, 2013
[10]岡本久-中村周, 関数解析, 岩波書店, 2016
[11]黒田成俊, 関数解析, 共立出版, 2011
[12]藤田宏-黒田成俊-伊藤清三, 関数解析, 岩波書店, 2009
[13]吉田耕作, Functional Analysis, Springer-Verlag, 1980
[14]増田久弥, 応用解析ハンドブック, 丸善出版, 2012
[15]溝畑茂, 偏微分方程式論, 岩波書店, 2010
[16]小薗英雄-小川卓克-三沢正史, これからの非線型偏微分方程式, 日本評論社, 2007
[17]垣田高夫, シュワルツ超関数入門, 日本評論社, 2015
[18]宮島静雄, ソボレフ空間の基礎と応用, 共立出版, 2020
[19]澤野嘉宏, べゾフ空間論, 日本評論社, 2011
[20]岡本久, ナヴィエ-ストークス方程式の数理, 東京大学出版会, 2023
[21]柴田良弘, 流体数学の基礎 上, 岩波数学叢書, 岩波書店, 2022
[22]柴田良弘, 流体数学の基礎 下, 岩波数学叢書, 岩波書店, 2022
[23]L. ヘルマンダー, The Analysis of Linear Partial Differential Operators I: Distribution Theory And Fourier Analysis, Springer, 1990
[24]柴田良弘-久保隆徹, 非線形偏微分方程式, 朝倉書店, 2013
[25]八木厚志, 放物型発展方程式とその応用 上, 岩波数学叢書, 岩波書店, 2011
[26]小川卓克, 非線型発展方程式の実解析的方法, 丸善出版, 2013
[27]Wasao SIBAGAKI, Hisako RIKIMARU『ON THE E. HOPF'S WEAK SOLUSION OF INITIAL VALUE PROBLEM FOR THE NAVIER-STOKES EQUATIONS』, 1967 (END)