中国海警船が神奈川の漁船を威嚇、進路妨害 漁船オーナー「中国は国際ルール守らず」

尖閣周辺海域を航行する海上保安庁の巡視船(左)と中国の「海警1401」(羽柴宏昭さん提供)

尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺海域に25日から26日にかけて出漁した神奈川県の湘南漁業協同組合所属漁船「獅(しし)」(19・9トン)のオーナーで、同漁協運営副委員長の羽柴宏昭さん(81)が28日、石垣市内で沖縄八重山日報の取材に応じた。尖閣周辺海域で領海侵入した中国海警船が「獅」を威嚇しようと進路妨害したため衝突回避行動を取ったといい、羽柴さんは「中国は国際ルールを守らず、人道的な操船もしない。『ならず者』であることをまざまざと感じた」と話した。

尖閣海域から石垣島に戻った羽柴宏昭さんと沖縄県石垣市議の仲間均氏=5月28日午後、同市

「獅」は「尖閣諸島を守る会」代表世話人で石垣市議の仲間均氏を応援しようと、昨年から尖閣周辺海域への出漁を始めた。今年4月に神奈川県横須賀市佐島の漁港を出港。複数の経由地で給油後、石垣島に到着した。

案内役の仲間市議、羽柴さん、高橋時久船長ら計6人が乗船し、25日午前10時過ぎに石垣港を出て、同日午後3時ごろ、尖閣周辺海域に到着。漁を開始した。

石垣海上保安部によると、機関砲を搭載した中国海警局の「海警1401」「海警1306」が午後3時11分ごろから尖閣周辺の領海に侵入し「獅」に近づこうとする動きを見せた。

羽柴さんによると、中国海警船のうち1隻が「獅の進路をさえぎるように横から接近してきた」という。羽柴さんは「危険な行為。進路を変えて衝突回避行動を取ったが、そのまま進んでいたらぶつかっていた可能性がある」と話した。

海保は「獅」の周辺に巡視船を配置し、中国艦船との間に割り込むようにして「獅」をガードした。

「獅」は尖閣海域で一晩を過ごしたが、中国海警船は無線を通じ、約10分おきに「貴船は中国の領海に侵入した。ただちに退去せよ」と中国語と日本語で休むことなく要求を続けた。羽柴さんは「うるさいから無線のボリュームを下げていた」と苦々しい表情を見せた。

中国海警船からの無線にはその都度、海保が同様に無線で反論していた。羽柴さんは「海保は大変だと思う。体を張ってわれわれを守ってくれていることを肌で感じた」と感謝した。

「獅」は26日午前11時ごろ、漁を終了して戻り始めたが、中国海警船は石垣島と尖閣諸島の中間地点まで「獅」を追い続けたという。

仲間市議は「政府は『台湾有事、台湾有事』と言うが、日本はその前にやるべきことがある。領海から中国船を追い出すこともできずに、なぜ『台湾有事』と言うのか」と尖閣諸島周辺の現状に危機感を示した。(沖縄八重山日報)

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