障害者就労支援事業所の指定を取り消しへ、大阪・八尾市が労働実態なしなどの加算金不正受給で…「制度の抜け穴を突かれた」
大阪府八尾市の就労継続支援A型事業所「テイラーズ・ギルド」が、障害者就労支援の加算金を不正受給したとされる疑惑で、市は27日、計約4億4000万円を不正に受け取ったとして、障害者総合支援法に基づき、6月30日付で事業者指定を取り消すと発表した。不正受給のうち、市の支払い分にペナルティーを上乗せした約2億4000万円の返還を求めた。 【図表】八尾市が不正認定した加算金の取得方法
A型事業所は、障害を持つ利用者が支援を受けながら、パソコンでのデータ入力などの軽作業で技能を身に付け、就職を目指す福祉サービス。主に自治体から支払われる給付金で運営されている。利用者が就職し、半年間働いた場合には、「就労移行支援体制加算」と呼ばれる加算金が翌年度の給付金に上乗せされる。
発表では、テイラーズ・ギルドは2025年4月、利用していた障害者38人が加算の対象になったとして市に届け出た。このうち22人が、事業所を運営するNPO法人代表の妻が取締役を務める親族企業へ就職していた。全員が半年間の有期雇用契約だった。
市は25年9月、監査を始めた。親族企業に就職した障害者22人のうち15人が聞き取りに応じ、いずれも親族企業から業務の指示を受けず、テイラーズ・ギルドで行っていたパソコンの資格取得の勉強を続けていたことが判明。退職後、テイラーズ・ギルドに戻るなどしていた。
こうした状況から、親族企業への就職について、市は少なくとも障害者15人に労働実態がなく、「加算目的の偽装」と判断した。
市によると、テイラーズ・ギルド側は市の聞き取りに対し、「偽装する意図はなかった」と反論。半年間の有期雇用契約については「障害を持つ利用者が無理に感じないよう、お試し的な形だった」と主張したという。
この他、一度就職し、加算対象となった障害者は、その後3年間は就職しても加算対象にならないが、このルールに反して加算申請された障害者が24、25年度に計3人いた。25年度には、テイラーズ・ギルドを利用していない1人を加算対象として申請していた。22~25年には、勤務していない法人代表を専門知識のある職員として届け出て、別の加算金も得ていた。八尾市からの不正受給額は、計約1億5800万円に上るという。