禁中並公家諸法度
禁中並公家諸法度は,金地院崇伝により起草され,幕末まで改定されることはなかった。天皇・公家・門跡(皇族,貴族などが出家し入室している寺院のこと)を幕府の法の統制下におくことをねらいとし,朝廷の主体的行動に著しい制約を加えた。第一条で天皇の行う技芸として学問・和歌・有職故実をあげ,天皇を日本の固有文化の継承者と位置づけた。さらに武家への官位任叙,元号の制定,紫衣勅許などの権限にも規制を加えた。これに対し朝廷側は不満をもち,紫衣勅許などについて幕府の意向にそわなかったため,1627(寛永4)年,幕府は法度違反を理由に天皇の綸旨を無効とし,これに強く反発した大徳寺の沢庵らを処罰した(紫衣事件)。後水尾天皇はこれを機に譲位を決意する。
■ 禁中並公家諸法度(17条)
第一条 天皇の主務
天皇が修めるべきものの第一は学問である。
第二条 三公(太政大臣,左大臣,右大臣)の座次
親王の位次は三公の下にあり。摂家の位次は,三公,親王,前官大臣,諸親王。
第三条 清華家の大臣辞任後の座次
第四条 摂関の任免
摂関家の生まれであっても,才能のない者が三公・摂政・関白に任命されることがあってはならない。ましてや,摂関家以外の者の任官など論外である。
第五条 摂関の任免
能力のある三公・摂政・関白が高齢だといえども辞めてはならない。ただし,辞任したとしても,再任は有るべきである。
第六条 養子
即ち,同姓を用ふべし,女縁を以ってその家督を相続すること古今一切無きこと。
第七条 武家官位
公家の官位は,武家の官位とは別のものとする 。
第八条 改元
改元は,中国の年号から良いものを選ぶべきである。
第九条 天子以下諸臣の衣服
第十条 諸家昇進の次第
第十一条 関白や武家伝奏などの申渡違背者への罰則
関白・武家伝奏・奉行職が申し渡した命令に堂上家・地下家の公家が従わないことがあれば流罪にするべきである
第十二条 罪の軽重の名例律准拠
第十三条 摂関門跡の座次
摂家門跡は親王門跡の次座,摂家は,三公の時には親王の上座たりと雖も,前官大臣は親王の次座と定められたるによりこれに准ずる。
第十四条 僧正,門跡,院家の任命叙任
第十五条 僧正,門跡,院家の任命叙任
第十六条 紫衣の寺住持職
紫衣を許される住職は以前は少なかった。しかし,近年はみだりに勅許が行われて(紫衣の)席次を乱しており,ひいては寺院の名を汚すこととなり,大変よろしくない。今後は(当人の能力をもって)紫衣を与えるべきかどうかを良く選別し,その住職が紫衣を与えるに相応しい住職であることを確かめた上で,紫衣を与えるべきである。
第十七条 上人号
〔御当家令条〕
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