「なぜ高市さんを幹事長にしなかったんですか?」 直球の質問に石破茂前総理が語ったことば 【石破氏、1年間の回顧録】
高市総理自身は実は今でもリベラルな思想を持っているのでは
――決選投票の開票結果を見た際に、党員票は高市さんが勝っていたにもかかわらず、国会議員票で逆転した、これは党員の民意に反する、というものでした。統治の正当性を問う、とでも言いましょうか。 この理屈で言えば、第二次安倍政権も成り立たなくなるわけですが、実際にその種の主張は目にしました。党内にも似たようなことを言う方はいたと思います。 さらに高市さんを幹事長に据えなかったことで、批判の声は強まりました。安倍さんは石破さんを幹事長にしたのだから、今回もそうすべきだ、といった主張ですね。 これらについてはどう捉えていたんですか。 高市さんに総務会長を打診して断られたのは事実です。 ――もともと次点は幹事長に、といった決まりはないわけですしね。総務会長というのは大した役職ではないんですか。 いや、序列から言えば、総裁、幹事長、総務会長、政調会長となるわけですし、かなり重要な役職だと思います。 ――あの時、党内でゴタゴタしているのを見て、なぜこんなことを見えるようにやっているんだろう、と不思議に思いました。ウソでも党が一致団結しているように見せたら、のちの選挙の結果も変ったのでは、とも。 そういうふうには思わなかったですか。 その頃、高市さんが絶対に自分が総理になるのだといった強い個人の意思を持って動いていたのか、その後ろに別の意図があったのか、そのあたりは今でもわからないな。 ――高市さんとの関係性はどういうものだったのでしょうか。 親しく付き合ったことは一度もないんだけど、同じ時期に新進党にいたことがありましたね。若い頃は「リベラルズ」という集団にもいたと記憶していますから、当時は本当にリベラルな思想だったんじゃないかと思うんですよ。 だから高市総理自身は実は今でもそういうリベラルな思想をある程度持っている方じゃないかというふうに思っているんです。ただ、権力を掌握するには、いわゆる右の人たちが持つ願望に乗るのが良いと考えたのか。そこはよくわからない。 〈新潮QUE【石破茂、1年間の回顧録】第1回では、1万5000字にわたり、石破氏に2024年総裁選直前から、同年の総選挙直後までを振り返ってもらっている〉 石破茂 1957(昭和32)年生まれ、鳥取県出身。慶應義塾大学法学部卒。1986年衆議院議員に初当選。防衛大臣、農林水産大臣、地方創生・国家戦略特別区域担当大臣などを歴任。2024年、第102代内閣総理大臣就任。著書に『国防』『日本列島創生論』など。 デイリー新潮編集部
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