一般病棟へ移る
次の階梯へ
HCUでの苦行が10日以上は続いただろうか。
入院時に言われていた腫れ上がった腸をなんとかする開腹手術は免れて、いろんな管に繋がれたままだが一般病棟へ上がることになった。
常時動いている輸液ポンプ5台は標準装備でくっ付いてくる。
絶えず私の身体に謎液を送り込んでくる。
夜に見るとまるでクリスマスツリーのようだ。
ようやくニグレドの階梯が終わりアルベドに入った。
次に来るのはキトリニクス、そして最後にルベド。
ここって何?
運ばれたのは6人部屋で私以外、全て認知症の老人。
男も女も関係無しに1つの部屋に入れられてる。
もう酷すぎる…
隣の老婆は麻酔をかけられたときに腕に人工物を埋め込まれて天井のカメラで監視されてる。「コレを取らないと食事はしない!」とドクターやナースに叫んでいる。
どうやら寝ている間に左腕をサイバネティックスされたようだ。(知らんけど)
困り果てたドクター達が席を外すと、老婆はガツガツ飯を食い始めていた。
(因みに私は入院してからまだ点滴のみで食事は取っていない)
夜になると一晩中騒いでる老人がいるかと思えば、隣の老婆が仕切りのカーテンを開けて入ってくる。
一睡もできずに5日程経った頃、「原さんが可哀想過ぎる」とナース達が集まって看護師長に報告する前にリーダー格のナースが独断でベッドの移動を決行。
その日のうちに別の病室に運ばれた。
昔からそうなの。
「こりゃダメだ」ってとき、いつも女性が救ってくれる。
とりあえず一安心。
……本当の苦行はこれから始まります。


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