投資事業2割減でも、30年後まで借金に国の許可必要 兵庫県が試算

谷辺晃子 茶井祐輝

 投資事業を2割削減し続けても、借金をするには国の許可が約30年は必要になる。こうした試算を兵庫県がまとめたことが、県関係者への取材でわかった。

 県の財政は一段と厳しさを増している。2028年度までの累計収支不足は530億円に達する見通し。

 県の裁量で使える一般財源のうち、どの程度を借金の返済に充てているかを表す指標「実質公債費比率」は、3年平均で18%以上になると、借金に当たる県債の発行に国の許可が必要な「起債許可団体」に移行する。

 今夏に25年度決算が確定すると3年平均で19%になり、県が起債許可団体になるのは確実だ。同団体になるのは14年ぶり。現在、都道府県では北海道と新潟県のみとなっている。

 県関係者によると、現在の年間投資規模のうち、通常の事業費は2075億円。これとは別に県庁舎建て替え関連に700億円がかかる。起債許可団体から抜け出すには、実質公債費比率を18%未満に抑える必要があるが、現状のままでは「達成は困難」とした。

 県は年間投資規模を10%、15%、20%削減した場合の実質公債費比率がどうなるかを試算した。

 その結果、20%削減した場合は28年度に23.6%に達したあと、20%台を推移し、48年度に18.8%に下がって53年度には17.6%になる。起債許可団体の基準から抜け出すのに約30年かかるという。

 財政構造の分析では、投資を抑える必要性を強調し、「投資のみならず、歳入・歳出全般にわたる点検が必要だ」と指摘している。

 県は08年度から10年間、行財政改革に取り組み人件費の削減にも踏み込んだ。18年度には収支均衡を達成し、その後も均衡を維持してきたが、26年度当初予算で129億円の収支不足が発生。実質赤字比率は2・5%程度で推移する見通しだが、経済成長が停滞した場合にはさらに拡大して「早期健全化団体への移行もあり得る」としている。

 試算は29日に開かれる第1回の持続可能な財政運営検討会で示され、改革の方向性が議論される。

財政なぜ悪化 「環境林」買い借金も

 なぜ財政が悪化したのか――。検討会では、その理由についても話し合われる見通しだ。

 県は分析のため、必要なお金を自治体が自前で賄う力、国の普通交付税も含めた収入、政令指定市があること、面積などから、独自に埼玉、千葉、静岡、愛知、京都、広島、福岡の7府県を「類似団体」に選んだ。過去のお金の使い道を比較していった。

 その結果、08~24年における公共事業などの建設事業のための地方債のうち、収入に対する地方の負担分の割合は7府県の平均と比べ1・2倍だった。低金利や高い経済成長に基づくシナリオで計画をすすめた結果だという。防災事業のための地方債は、平均の2・2倍だった。

 他にも多かったものがある。「環境林」取得のための地方債だ。平均の4倍に達していた。

 環境林とは、県が土地開発公社や企業庁に取得させたものの活用されず、その後に引き取った森林のこと。08~26年度の取得費は、計2145億円に達している。元々はゴルフ場などの乱開発を防ぐといった名目だったが、公社の経営が悪化し、県が取得し始めた。木の伐採など管理のため、少なくとも年6千万円(25年度)かかっているという。

 人件費は伸びているものの、県の一般行政職の給与水準は7府県で最も低かった(25年4月)。人口と面積をもとに割り出す標準的な職員数に対する実際の職員数の割合は、全国で最下位(24年4月)だった。

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