「被害者救済」より先行した“理事長追放”
関係者証言を追うと、異様な実態が次々と浮かび上がる。
理事による密室での理事長辞任要求が平然と行われ、しかもハラスメント情報が権力闘争の具にされている。さらに、理事会内での多数派工作が外部理事も含めて行われていた。そして、守旧派の理事の多くは、事務局職員あるいは長期在任理事である。
長期在任理事と事務局が結びつき、ハラスメント情報を利用して密室で理事長辞任を迫る――。今回の騒動では、近年問題視されてきた私立大学ガバナンスの“負の要素”が一気に噴出したようにも見える。
守旧派側は、あくまで「ハラスメント問題への対応」という立場を取っているようだが、本来であれば、中立的な調査委員会による事実認定が先行するはずだった。だが今回は、その前段階で理事長への解任要求が動き始めている。そのため学内では、『被害者救済とは別の意図があるのではないか』との見方も出ている。
また、理事長への辞任要求が非公開の形で進められたことについても、手続きの透明性を問題視する声が上がるのは必至だろう。
問題となっているハラスメントについては、今後、監事主導の調査委員会で調査が進められる見通しだという。
そうしたなか、編集部は理事長・内田茂男氏が学園職員向けに配布した「声明文」を入手した。そこには、今回の理事会開催に至る経緯や、理事長側から見た手続き上の問題点などが詳細に記されていた。
後編『【内部文書入手】千葉商科大「クーデター」の全内幕…理事長が告発した“密室解任”で崩壊する私大ガバナンス』では、その声明文をもとに、理事長側の主張を検証する。