Kaggleトップ1%のAI人材、なぜNTT東日本に? 若手データサイエンティストの活躍
世界190以上の国・地域から20万人以上のAI開発者やデータサイエンティストなどが集うコミュニティ「Kaggle(カグル)」。同サイトでは、データ分析や機械学習、予測分析といった課題に挑戦するコンペティションが開催されており、成績に応じて金・銀・銅のメダルが付与される。さらに、その獲得枚数に応じて、上から「Grandmaster」「Master」「Expert」「Contributor」「Novice」にランク分けされる。 【画像】NTT東日本の新しい評価制度を見る Kaggleのコンペに参加する約20万人の上位約1%に相当し、国内では300人程度しか存在しない「Kaggle Master」の称号を獲得した若手社員が、NTT東日本に3人在籍している。2023年入社のデータサイエンティスト、森田大貴氏、青柳裕介氏、小林優輝氏(ビジネス開発本部 CXビジネス部 データビジネス共創担当)だ。 「就活時には、NTT東日本がAI開発を行っているとは知らなかった」と話す3人だが、なぜそこから同社に入社することになったのか。また、Kaggleでの知識や技術をどのように実業務に生かしているのか。
「NTT東日本が、AI開発をしているとは知らなかった」
3人はいずれも大学院で情報系を専攻し、修士課程を修了している。森田氏は撮影した画像や映像から、特定の物体の位置・種類・個数などの情報を検出するという画像認識に関わる研究を、青柳氏は人間の呼吸音のデータを分析し、そこから疾患の有無や種類を見分ける研究を、小林氏は人間の神経細胞の働きを分析し、その情報処理の仕組みをAIのアルゴリズム設計に生かす基礎研究に取り組んでいた。 就職活動ではIT・通信系を中心に見ており、3人ともデータサイエンティストという職種を軸に企業を選んでいた。彼らが「NTT東日本が、AI開発をしていたとは知らなかった」と話すように、2021年当時、同社ではAIの内製化を目的とした「データビジネス共創担当チーム」が立ち上がってまだ数年と、就活市場での存在感は強くなかった。 彼らがその存在を知ったきっかけは、NTT東日本のデータサイエンティストを対象としたインターン募集を目にしたことだ。「画像認識AI技術を用いた課題解決と提案」などをテーマにしたお題が与えられる実務型インターンへの参加や、その後の懇親会などを通じて、会社への理解を深めていった。 入社の決め手について尋ねると、顧客へのヒアリングを通じた要件定義から、AI開発、AWSを用いたインフラ構築まで、プロジェクトの上流から下流まで一貫して関われる点を3人とも魅力として挙げた。加えて「先輩たちが技術とビジネス、2つの領域にまたがって働いている点も印象的だった」と青柳氏は語る。 森田氏は「当時は広島に住んでいたのですが、内定をいただいた後に、社員さんが広島まで会いに来たんです。大手企業がここまでするのか、と驚きました」と振り返る。また、NTT東日本には当時、Kaggle Masterの称号を持つ人材がおらず、自身が最初のMasterを目指せる環境にも魅力を感じていたという。