高市早苗首相は、シャトル外交の一環で韓国を訪れ、李在明大統領と会談した。両国のエネルギー安全保障の強化で一致したが成果は。

 今回の日韓首脳会談は、14、15日に行われた米中首脳会談直後の19日に設定されたことに意味がある。中国は日米韓を分断するのが外交の基本方針であるが、日韓はこうした中国の意図を破り、しっかり米国を支えていくことを国際社会に示したと言える。さすがの中国も日米韓が組むと抑えられてしまう。

 一方、中国は20日にロシアと首脳会談を行った。中ロ首脳会談の共同声明は、国際法に反し覇権主義的な行動をとる国を批判した。習近平国家主席はトランプ大統領の面前では既存の大国が新たな大国と衝突する「トゥキディデスの罠(わな)」を持ち出したが、プーチン大統領との会談では、中国がロシアやイランといった勢力と手を組み、米国の覇権を覆して世界秩序を再構築する野心があることを示している。

 こうした中ロ首脳会談が行われたので、いいタイミングでの日韓首脳会談となった。

 今後、中国は日米韓の分断を図るべく切り崩しに動くだろう。韓国に向けては北朝鮮を経由して中国と地続きの半島国家である弱みをついて懐柔し、日本には中ロ首脳会談で行ったように批判を繰り返すはずだ。米国に対しては、先日の米中首脳会談のテレビ中継におけるマイクの切り忘れで明らかになったように、中国国民向けには威勢のいい姿勢を示すが、米国の面前ではへりくだる二面性を隠せなくなっている。

 日本の報道では、米中首脳会談で日本は蚊帳の外というものが多かった。しかし、実際には、トランプ大統領は米中首脳会談直後にエアフォースワンから高市首相に電話し、会談内容を説明した。しかも、米中首脳会談において、中国の習主席は高市首相を批判したのに対し、トランプ大統領は擁護したという報道も出てきた。

 こうした米国のスタンスをみれば、韓国としても日本と友好関係を維持するのが得策と考えても不思議でない。韓国は、半島国家の宿命なのか事大主義なので、中国を向くか米国を向くかの間で外交が揺れ動くが、さすがに今の中国になびくのは得策ではない。その反射として日本との関係強化があるので、日韓首脳会談はまさに渡りに船だった。

(たかはし・よういち=嘉悦大教授)

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