中国のプロパガンダ部隊はいかにして辺野古に介入したのか(写真は反対協/時事通信フォト)
修学旅行中だった女子高生ら2人が犠牲となった沖縄・辺野古沖での転覆事故。本誌前号では、船を運航した「ヘリ基地反対協議会」(反対協)幹部が“中国プロパガンダ機関”の女性記者を案内し、米軍基地に接近して当局の警告を受けるなか、撮影を行なわせていた事実を伝えた。辺野古に中国記者を招いたのは何者か――紀実作家の安田峰俊氏が報じる。
中国人記者は琉球独立を主張する民間団体が紹介
「北京からジャーナリストが大浦湾に来ました」
「基地問題を伝えてくれるそうです」
昨年12月24日、反対協の事務局長で名護市議の東恩納(ひがしおんな)琢磨氏(64)が、自身のHPや複数のSNSに投稿した文面である(現在はすべて削除済み)。
掲載された画像からは、中国人記者たちが基地に向けてスマホを構える姿や、反対協が購入して東恩納氏が事業届け出する船舶「ゆがふ世(ゆ)」の船内に女性記者たちが座る様子が確認できた。
彼女らの外見や服装は、米国国務省が中国共産党の「プロパガンダ機関」と認定する『環球時報』の取材動画に映る人物らと完全に一致。すなわち、中国が辺野古に送り込んだプロパガンダのエース記者・邢曉婧(シンシャオジン)氏ら3人だ。
同紙はその前月、“琉球”の日本帰属に疑念を呈する社説を発表したばかりだった。以降、記事で“沖縄県”の地名を用いず、前近代までは日本と別の王国だった“琉球”の名を使うようになっている。
「中国が自国に有利なナラティブ(政治意図のある言説)を発信する場合、まず『環球時報』で試し、成果があれば他の中国紙が追随する図式が、過去にも尖閣問題などで観察されています」